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ああ、愛しの阪神タイガース  作者: 泉水遊馬
第二章 シーズン開幕

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第33話 虎吉、ソフトバンクの強さにガックシ

― 交流戦は“別の競技”なんか? ―


交流戦の夜。

テレビには、ソフトバンクの選手たちが

淡々と、しかし圧倒的な力で阪神をねじ伏せた試合のハイライトが流れていた。


虎吉はソファに沈み込み、

まるで魂が抜けたように天井を見つめている。


遥香

「……パパ、生きてる?」


虎吉

「…………」


美津子

「また“抜け殻モード”やね」


虎吉は、しばらくしてから

深いため息をついた。


虎吉

「……ソフトバンク……

 あれはもう……

 野球ちゃう……

 “別の競技”や……」


遥香

「そんなに差あったん?」


虎吉

「差しかないわ!!

 打つわ、走るわ、守るわ、投げるわ……

 なんやあれ……

 “プロの上のプロ”や……」


美津子

「確かに強かったわね。

 なんか、隙がなかった」


虎吉

「隙どころか……

 壁や!!

 鉄壁や!!

 阪神の打球が全部吸い込まれとった!!」




虎吉、ソフトバンクの強さを語る


虎吉

「ソフトバンクはな……

 選手層が厚すぎるんや……

 控えが控えのレベルちゃう!!

 “控えのくせに主力級”や!!」


遥香

「パパ、語彙が迷子やで」


美津子

「でも、ソフトバンクって毎年強いわよね。

 交流戦のたびに“別格”って感じする」


虎吉

「せや!!

 交流戦はな……

 “阪神 vs ソフトバンク”やなくて、

 “阪神 vs 交流戦の呪い”なんや!!」


遥香

「呪いのせいにした」


虎吉

「呪いや!!

 あれは呪いや!!

 阪神が交流戦で勝てへんのは、

 もう歴史的事実や!!」


美津子

「アンタ、毎年同じこと言ってるわよ」


虎吉、完全に心が折れる


虎吉

「……今日の試合な……

 阪神も頑張っとったんや……

 中野も立石も、よう走って守って……

 でもな……

 ソフトバンクは……

 その“頑張り”を軽く超えてくるんや……」


遥香

「そんなに?」


虎吉

「そんなにや!!

 “努力”に“才能と層の厚さ”で蓋してくるんや!!

 あれは反則や!!」


美津子

「反則ではないわよ」


虎吉

「ワシの心には反則や!!」


遥香

「パパ、今日めっちゃ名言出るな」




家族のフォロー


遥香はそっと、虎吉の肩に手を置いた。


遥香

「でもさ……

 ソフトバンクに負けても、

 阪神の選手は頑張ってたやん。

 中野さんの守備も、立石くんの走塁も、

 ちゃんと光ってたよ」


虎吉

「……遥香……

 お前……

 いつの間にそんな“阪神ファンの心”を……」


美津子

「アンタの影響よ。

 悪くないわね」


虎吉

「うぅ……

 家族で阪神を支えられるなんて……

 ワシ……幸せすぎて……

 また泣きそうや……」


美津子

「泣くのはええけど、

 ティッシュは自分で取って」


虎吉

「……はい」



虎吉

「ソフトバンクは強い……

 でもな……

 強い相手に挑むからこそ、

 勝った時の喜びは何倍にもなるんや……

 阪神ファンは……

 そうやって生きてきたんや……」


遥香

「パパ、今日の名言率高いな」


美津子

「はいはい、名言はええから、

 そろそろお風呂入りなさい」


虎吉

「……はい」


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