第29話 立石、巨人戦で輝く
5/22 巨人戦
― 家族の夜、テレビの前の歓声 ―
夜のリビング。
テレビには東京ドームの光が映り、
阪神の若手・立石が打席に立っていた。
虎吉は前のめりになり、
リモコンを握りしめている。
虎吉
「よっしゃ立石!! ここで打ったら本物や!!」
美津子
「アンタ、毎回それ言ってるけど、
“本物”の定義どこにあるん?」
虎吉
「心で感じるんや!!」
遥香
「パパ、うるさい。
でも……立石、なんか雰囲気あるね」
二回裏、立石のタイムリー
画面の中で、立石が外角スライダーを軽く弾いた。
打球はライト前へ抜け、
三塁ランナーがホームを駆け抜ける。
虎吉
「うおおおおお!! 立石ぃぃぃ!!」
美津子
「綺麗な打ち方やね。
無理して引っ張らないのがいいわ」
遥香
「なんか、中野さんに似てる……
“流れを止めない”感じ」
虎吉
「せや!!
中野が“つなぐ人”なら、
立石は“流れを広げる人”や!!」
美津子
「アンタ、今日名言多いわね」
虎吉
「名言は阪神が勝ってる時にしか出えへん!!」
七回、守備の見せ場
巨人・岡本の打球がセンターへ。
立石が一歩目で反応し、
ジャンピングキャッチ――。
虎吉
「取ったぁぁぁぁ!! 立石ぃぃぃ!!」
美津子
「反応が速い。
あれ、練習でしか出えへん動きやね」
遥香
「守備って、打つよりかっこいいかも」
虎吉
「遥香……
それはもう“野球沼”の深層部や……」
遥香
「パパ、また沼の話?」
試合後の余韻
試合は阪神の勝利。
立石はヒーローインタビューで笑顔を見せた。
立石(テレビの中)
「チームが勝ててうれしいです。
守備も打撃も、全部“流れ”を意識してました。」
虎吉
「ええこと言うやん……
若いのに、もう“阪神の空気”わかっとる」
美津子
「立石くん、落ち着いてるね。
さすがドラ1だけあるねぇ。
ああいう選手、長く活躍しそう」
遥香
「私、立石も好きかも。
中野さんと並んで応援したい」
虎吉
「よっしゃ!!
家族で“立石応援隊”結成や!!」
美津子
「はいはい、まずは洗い物隊結成して」
虎吉
「……はい」




