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ああ、愛しの阪神タイガース  作者: 泉水遊馬
開幕やで

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1/16

バックスクリーン3連発の夢から目覚める虎吉

挿絵(By みてみん)



1985年4月17日、甲子園。

バースが構え、掛布が睨み、岡田がバットを回す。

スタンドは揺れ、空気は震え、少年・虎吉の心臓は破裂寸前。


カキーン!


バースの打球がバックスクリーンへ吸い込まれる。

続いて掛布。

そして岡田。


3連発。

甲子園が地鳴りのように揺れた。

父・虎造が叫ぶ。


「虎吉ィィィ!これが阪神やぁぁぁ!」


少年・虎吉は泣きながら叫ぶ。


「ママ、見てるかぁぁぁ!」


その瞬間、バックスクリーンの向こうから光が差しバースが現代語で言う。


「トラキチ、起きろ。今日も仕事やぞ」


-

「うおおおおおおおおっ!!!」


虎吉(51歳)、布団の上で跳ね起きた。

寝汗びっしょり。

息は荒い。

枕元には阪神のタオル。

壁には1985年優勝ポスター。

そして、天井には貼りっぱなしの「バックスクリーン3連発」の新聞切り抜き。


「……またや。

 また3連発の夢見てもた……」


胸に手を当て、しみじみつぶやく。



山下虎吉(51)。

大阪・西成の小さな印刷工場の2代目社長。

愛車は1985年式の黄色いクラウン(虎ステッカーで原型不明)。

性格は、真面目な顔してアホなことばかりする重度の阪神狂。


妻・美津子(49)には毎日こう言われる。


「アンタの阪神愛、もう病気やで」


娘・遥香(22)にはこう言われる。


「パパの宗教、ほんまやめて」


だが虎吉は胸を張る。


「阪神は宗教ちゃう。

 人生や」


そして2026年の朝が始まる


夢の余韻に浸りながら、虎吉は布団から立ち上がる。

窓を開け、朝日を浴び、拳を握りしめる。


「よっしゃ!今日も阪神のために働くでぇぇぇ!」


その瞬間、背後から妻の声。


「アンタ、まず家族のために働きぃや」


虎吉、固まる。


「……はい」


こうして、

阪神に人生を救われた男・山下虎吉の2026年が始まる。



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