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本日もお読みいただきありがとうございます!
拙い作品ですが
楽しんでいただけると嬉しいです。
. ∧_∧
( *´∇`*)〃
γ⌒;´-ヽ〟
(∪( )
∪∪V ̄V ペコリ♪
メイドの名はヘレン。彼女は胸を張り、まるで勝ち誇ったようにマリエッタ様を指さしていた。そこまで自信満々に言うのならば、確かに事実は一部含まれているのだろう。
「マリエッタ様。私の部屋に、入ったのかしら?」
問いかけると、マリエッタ様は一瞬だけ唇を噛みしめ、それから小さくうなずいた。
「……はい。ごめんなさい。お姉様とお話がしたくて伺ったのですが、お留守で……。ドアが少し開いていたので、つい覗いてしまって。お部屋があまりにも素敵で、中に入って見ていただけです。何にも触っていません」
その声は震えていたけれど、嘘の響きはなかった。
――信じられる。
今のマリエッタ様が、私のドレスを切り裂く理由など、どこにもない。
むしろ、最近いちばん長い時間を一緒に過ごしているのは彼女だ。
「ヘレン。あなたは、マリエッタ様が私の部屋に入ったのを“見た”だけ。ドレスを切り裂くところを見たわけではないでしょう?」
私は静かに言った。
「そんなの、決まっています!」
ヘレンは食い気味に声を上げる。
「マリエッタ様は我が儘で、これまで散々威張ってきた方ですもの! 自分より身分も上でお金持ちのソフィ様が現れて、嫉妬したに決まっています!」
(あまりにも、短絡的だわ)
私は一度、深く息を吐いた。
「ヘレン。私はマリエッタ様より身分が上ではありません」
はっきりと、言葉を選んで告げる。
「出自はシップトン国のラバジェ伯爵家です。ただ、伯母がビニ公爵夫人なだけですわ」
「ですが!」
ヘレンは食い下がる。
「公爵夫人に大切にされている姪御様なら、公爵令嬢と変わりません! 他の公爵家に年頃の令嬢はいませんもの!」
「そうですわ。ヘレンの言うとおりです!」
「マリエッタ様に騙されていらっしゃるのです。彼女はなんでも自分が一番でいたい人ですもの」
数人の令嬢が、同調するように頷いた。
確かに彼女は、かつてそういう令嬢だったかもしれない。
けれど今は違う。
少なくとも、陰でこそこそと、こんな真似をするような人ではない。
それでも――目撃証言と、本人の正直な告白が重なったことで、周囲の視線は徐々に冷たいものへと変わっていった。私は、それ以上空気が悪くなる前に口を開いた。
「もう、犯人探しはやめましょう。誰がやったにせよ、今回は追求したくないわ」
「どうしてですか!?」
ヘレンは涙を浮かべて叫んだ。
「許せません! マリエッタ様は初日に、あれほどソフィ様に暴言を――!」
(……なぜ、あなたが泣くの? 私は今では、あの言葉を気にもしていないというのに)
「お気持ちはありがたいですが、もう済んだことです。それに私は、この学園で大事を起こしたくありません。ボナデア伯母様を、心配させてしまいますからね」
私は、キッパリと言い切った。
ただ、破かれてしまったドレスの件は、いずれ説明しなければならないだろう。きっと、伯母様はがっかりなさるし、心配するわ。
(……それだけは、避けたかったのだけれど)
胸の奥に、小さな痛みが残った。
☆彡 ★彡
週末が訪れ、ビニ公爵家から私を迎えに馬車がやって来た。
修道院を去るときに乗った馬車とは、比べものにならない。
一目見た瞬間、言葉を失った。
車体は豪奢な装飾で彩られ、宝石が惜しげもなくあしらわれている。
鍍金された窓枠には、王家と公爵家のエンブレム――純金製だと、素人目にも分かった。
中に足を踏み入れると、柔らかな革張りの座席と、身体を包み込むようなクッション。
小さなテーブルには、上品な食器とケーキ、湯気の立つティーポットまで用意されている。
――なるほど。
ゴッサム修道院へ迎えに来たとき、
「目立たない馬車で来た」
と、ボナデア伯母様がおっしゃっていた意味が、ようやく理解できた。
「ソフィお嬢様。本日よりお仕えいたします、スザンナと申します」
馬車の傍らで、侍女が深く頭を下げた。
黒髪に琥珀色の瞳。控えめでありながら、洗練された所作――いかにも公爵家の侍女だ。
あまりにも丁寧に扱われ、私はどう反応していいか分からない。
ラバジェ伯爵家とは、世界が違う。
そう実感する間もなく、馬車は静かに走り出した。
ビニ公爵邸へ向かって。
たくさんの小説の中から拙作をお読みくださりありがとうございました。
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