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15. マルグリット様たちとの有意義な時間は素敵でしたわ


 あれからというもの、私は沢山のお茶会やサロンへのご招待に()()()参加しております。


 時にアルバン様からサロンへ同伴する様に言われたりもしましたが、ご招待が多く忙しいことを理由にお断りさせていただいております。


 本日はカスペール公爵夫人マルグリット様のご招待でカスペール公爵邸に伺っておりますのよ。


「マルグリット様、ごきげんよう。このようなサロンへとご招待くださって、嬉しく思いますわ。」


 カーテシーでご挨拶いたしましたら、やはり思った通りの美貌のマルグリット様は満面の笑みで返してくださいました。


「タチアナ嬢、来てくれて嬉しいわ。貴女とはたくさんお話したいことがあったのよ。」

「そうなのですか?それはとても光栄でございます。」

「さあ、あちらで貴女のお話を聞かせてちょうだい。」


 マルグリット様は私をお庭に設置された大きなテーブルと椅子の方へと案内されました。


 他にも高位の御令嬢や同じ伯爵家の御令嬢も十人ほど見えましたの。


「皆さま、私ドゥイエ伯爵が長女タチアナと申します。どうかこれからもよろしくお願いいたしますわ。」


 カーテシーでご挨拶いたしましたら、やはりここでも皆さまからため息が溢れ、ボウッと見惚れてくださっているのです。


「今ではタチアナ嬢のカーテシーはこの国で一番美しく優雅だと言われているのよ。」

「あら、そうでしたの。それはとても嬉しく思いますわ。」


 マルグリット様をはじめ様々な御令嬢方が次々にご挨拶なさって、すぐに私は打ち解けられましたのよ。


 この国の御令嬢方はブーランジェ王国の御令嬢に比べてあけすけなんですわね。


 イライザの時のブーランジェ王国社交会では魑魅魍魎が蠢くようなところでしたけれど、ラガルド王国はそれに比べて皆様あまり皮肉をおっしゃったり意地悪なことをなさる方がいないのですわ。


 とてもやりやすいのですが、その代わり長年ブーランジェ王国で社交を行なってきた私の言動が目立ってしまっている気がいたしますの。


「最近ではどこでもタチアナ嬢の噂で持ちきりなのよ。」

「そうよね、タチアナ嬢のドレスは以前は白いものばかりでしたのに、最近ではあまり他で見かけないような素敵なものばかりお召しですから。皆さんどこで作られているのか知りたがっておりますよ。」

「宜しければご贔屓の仕立て屋を教えてくださいな。」


 次々に優しくお声をかけていただいて、アルバン様のことも考えずに久しぶりに楽しい時間を過ごせておりますわ。


「皆さまにドレスをお褒めいただいて私も嬉しく思いますわ。実は贔屓の仕立て屋に頼んでまた新しい装飾品を作っているところなんですのよ。」

「まあ、どのようなお品ですの?」

「私は寒い時期にドレスを着た身体を冷やさないためにはやはり毛皮が良いかと思いまして、毛皮を使ったケープを仕立てておりますの。」


 一斉に御令嬢方がざわめきましたわ。


 それもそのはずこのラガルド王国で毛皮は一般的ではなく、手に入れることも困難でその上毛皮をドレスに合わせるなど考えもされなかったことですからね。


「毛皮のケープですか?」

「はい、美しい毛皮は見た目も良いですが暖かさは一般的な布地と比べ物になりませんもの。」

「そうなのね。社交会で毛皮を身につけたタチアナ嬢を見るのを楽しみに待っているわ。」


 マルグリット様はじめ、皆さま興味が大変お有りなようで出来上がりを早く見てみたいとご所望でしたわ。


「それにしても、タチアナ嬢はなんでもよくご存知なのね。とても会話が有意義だわ。」

「ありがとう存じます。ただ勉強する機会があっただけですわ。」

「それでも、この国では女は政治や外交などの政について学んだりしませんよ。着飾って男性方を補佐する程度ですわ。ですから、タチアナ嬢のような方は珍しいのよ。」


 今までタチアナ嬢はあまり一人でサロンやお茶会に参加することはなかったようで、今日初めて交流を持たれた御令嬢方も多くいらっしゃいました。


 特にマルグリット様は私にとても良くしてくださり、今後も親しくしてくださるでしょう。


「それにしても……タチアナ嬢はなぜ今まで白いドレスばかり着てらっしゃったの?」

「あれは全て婚約者のアルバン様からの贈り物ですわ。アルバン様は白色がお好きなようなんですの。」

「そうなの。でも、白いドレスより今の貴女が着ているようなドレスの方が美しい貴女をより際立たせているわね。この国の令嬢方は皆貴女のその美貌を羨ましがっているわ。」


 さすが元王女様だけあってとても気品のある美しいお顔をなさったマルグリット様からのお言葉に、私は頭が下がりましたのよ。


「私からすれば御令嬢方の憧れの方マルグリット様からそう言っていただけることは、この上ない僥倖ですわ。」









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