S級魔獣を討伐せよ!!
障壁で作られた城が瞬く間に完成し、その玉座へと座る。それだけで私の『固有魔法』は効果を発揮し、味方の魔法少女達の能力を上昇させる。
「相変わらずとんでもない魔法やで、ホンマ」
「噂には聞いていましたけど、これは凄いですね」
交流会の時、そして東京本部の一件でも協力してくれた大阪支部から来た『音撃の魔法少女 鼓』と同じく交流会で行動を共にした『水晶の魔法少女 クリス』が『幾千年紡ぎ紡いだ我が居城』の効果に感心している様子。
「すっごーい!!こんな大きな『固有魔法』見たの初めてかも!!」
「アリウムフルールさん、テレビで何回か拝見してたけど、美人さんでそれで可愛くて、憧れちゃうなぁ」
「ティアラも着けてお姫様みたいだよね!!良いなぁ〜」
「はいはい、ミミもリリもノノも気を引き締める」
「ネネの言う通りだよ!!こんなさいっこうのステージ、2度と無いんだから!!ララ、お願い!!」
「OKモモ!!行くよ!!私達は6人で一つ!!歌って踊れる『偶像の魔法少女 ウルイープカ』!!」
私の『固有魔法』を初体験する多くの魔法少女が驚きの声をあげる中で、一際この戦いの最前線で明るく盛り上がる6人の女の子達。
聞いたことがある。彼女達は確か、北海道は札幌を拠点に活動するアイドルであり全員が魔法少女のグループ『ウルイープカ』。
彼女達の魔法は確か……。
「皆のために、最高のパフォーマンスをするよ!!」
「「「「「「ここからは私達のステージだ!!『固有魔法』ッ!!」」」」」」
歌と踊りで味方を強化する。世界でも有数のバッファー。応援魔法。彼女達はその使い手。
「「「「「「『LIVE ON STAGE』ッ!!」」」」」」
私の城と同じように魔法によりカラフルなスポットライトやステージが作り上げられ、彼女達のライブはスタートする。
ふざけているようにも見えるかも知れないけど、これが彼女達の魔法。応援魔法。音や光、様々な属性を組み合わせて作り出される世界でたった一つの複合魔法だ。
彼女達が歌い出し踊り出したその瞬間から、私の魔力も活性化して、『幾千年紡ぎ紡いだ我が居城』もその効力を引き上げる。
勿論彼女達の魔法もそのはずだ。最上位といっても遜色ない支援型の魔法の相乗効果は暴発を引き起こす可能性も考慮しなければならないけれど、彼女達も私も自分の魔法を見誤る事はしない。
リーダーのネネさんとアイコンタクトをし合い、よりその精度を高めていくとしよう。
「私の料理魔法はこの感じだといらないかしらね?」
「何言ってんだか。魔法少女最年長『調理の魔法少女 ケイネラ』がこんなところで引き下がってるところは一度も見た事は無いね」
「同感だ。姐さん、いつものを頼む」
「こっちもだ」
そして、支援系魔法の使い手はもう1人いる。魔法少女中でも最初期から現役を続ける最年長の魔法少女。
以前交流会でもお世話になっている『調理の魔法少女 ケイネラ』さんも強力な支援系魔法の使い手だ。
私やウルイープカの面々が広範囲の支援を目的とするのなら、ケイネラさんの調理魔法は強力なバフを個々に付与する形になる。
そのためには食事をしなければならないのだけど、調理の手間、食事の手間をかけるだけあってその効果量は絶大だと聞く。
特に近距離戦闘をなりわいとする当時の魔法少女からの支持を得ているようで、フェイツェイに飛行技術を教えた朝霧 美雲さん改め、『音速の魔法少女 ゼロ』。
そして現在最高の魔法剣士と名高い魔法少女。『刃身の魔法少女 ハバキリ』さんがケイネラさんが手早く作ったおにぎりをひと口で頬張って、ニッと笑う。
「キタキタキタ!!ケイネラ姐さんの握り飯!!コレだよなぁ!!」
「久しぶりの味だ。昔を思い出して滾って来た!!おい!!近接格闘戦が得意な者から順に来い!!バフの三段掛けだ!!」
他の近接戦闘を中心に戦う魔法少女達に一言告げた2人はいの一番に飛び出し、警戒し、こちらの様子を見ていたリヴァイアタンへと向かう。
「行くぜっ!!『固有魔法』ァッ!!」
ブンッとゼロさんの姿がブレ、次の瞬間にはリヴァイアタンの身体の一部が殴り付けられ、海の中からその巨体の一部が引き上げられる。
「『アフターバーナー』ッ!!」
「ゼロのアフターバーナーでも身体の一部が精一杯か!!まぁ良い、まずはそのデカ過ぎる巨体、斬り捨てさせてもらうっ!!「『固有魔法』っ!!」
続けざまにハバキリさんが手に握った剣を振りかぶり、即座に振り下ろす。
「『断割』」
刀身は1メートルもない。ただの無骨な両刃の剣がリヴァイアタンの大き過ぎる身体の一部を骨まで両断する。
これがファースト世代の実力かと、圧倒的な強さに見惚れながら、それだけではリヴァイアタンは終わらないと気を引き締める。




