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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
魔法少女戦線

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帰省

埼玉の街の空港へと着陸すると、空港職員からの手厚い歓迎を受けてから、私達はそうそうに別行動を始める。


朱莉達3人は玄太郎さんに連れられ荒川経由で東京へ、私と美弥子さん、パッシオとカレジは美弥子さんが手配したレンタカーで川越の方へと向かう。


「まさか移動するのにケージに押し込められるとはね……」


「俺たちは人間の世界に間借りしてる身だからな。何のトラブルもなく移動出来ただけ穏便だろ」


「妖精界のまともに整備されてない道よりはマシなのは確かだね」


飛行機に乗っている最中は、都合上ケージに入ってもらっていたパッシオとカレジが身体を伸ばしたりしながら今回持ち込んで来た荷物などを片手に用意された車の荷室へと荷物を載せていく。


荷物と言っても念の為に持ち込んだ替えの着替えが少しあるくらいだ。

多少の物は現地調達で十分。お金には困ってないしね。


「では向かいましょうか。真白様、一応道案内をお願いいたします」


「はーい」


この中で車を運転出来るのは美弥子さんだけなので、美弥子さんが運転席へ、私は助手席、妖精2人は後部座席へとそれぞれ乗り込む。


今回の車はいわゆるコンパクトカーだ。普段諸星で乗っているような高級なセダンタイプの車とは少し違うので乗り心地も少し違う。


でも自分で乗るならこっちかな。ちっちゃくて可愛い。


そうして準備を終え、静かに走り出した車は川越方面へと走り出した。


「姫さま、川越という街はどのような場所なのですか?」


「どのような、かぁ。大半は私達の街と変わらないわ。住宅街があって、買い物するところがあって、仕事場があってってね」


移動中、手持ち無沙汰になったのかカレジが川越という街について質問してくる。


どんなところかと言われれば、日本の街のほとんどはあまり代わり映えのしない同じような雰囲気だと思う。

特に住宅街はね?ま、そういう話をしてる訳じゃないのは重々承知。カレジが言ってるのは歴史の方だろうけど。


「川越は小江戸と呼ばれる古い街並みが残ってるんです。元々江戸、今の首都東京へ物資などを運ぶ要所として栄えたんです」


「今も似たような感じ。ここに住む人の大半は東京で仕事をして夜に帰って来るわ」


「城下街とは違うんでしょうか?」


うーん、間違ってはいないんだけどね。川越城はあるし、城下街は城下街なんだけど首都ではない。

そこを説明するには日本の歴史と昔の領地制度の話になるので、中々。


ミルディース王国がどういう政治体制だったのか知らないから例えるのも難しいしね。


「うーん、間違っては無いんだけど。首都ではないからなぁ」


「パッシオ様が貴族だと言ってましたし、その領地と領主の城と言えば近いかと。こちらの世界の感覚で言えば、ですが」


「へぇ、こっちでは王族以外も領地持てたんだね」


「妖精はその辺りざっくりとしてましたからね」


むしろ妖精界の統治状況がどうなっていたのか気になる。領地の区分がハッキリしていないなら、空白地帯も多く有りそうだ。


その辺はやはり妖精というか、ざっくばらんとした感じだったのだろう。適当な性分の妖精らしい一面ではある。


雑談を弾ませながら車が進んで行くと街の景観が少しずつ変わって来る。

観光地として見た目を意識した作りになり始めたのだ。


段々と木造の建物も増えて来て、古い街並みが現れる。


「こっちの古い街並みってなると木なんだね」


「日本は森林が多いから。ミルディース王国は石?」


「石かな。土を固めて作ったりもしてたね」


「姫さま、それは貴族の建物ですよ。庶民は同じように木です。気候によっては別の植物や洞窟を活用してることもあります」


へー、っとカレジの話を聞いて頷く。種族も世界も違くても、やってる事はそこまで変わらないらしい。

対してパッシオはやっぱり良いところ出身なのが露呈した。まぁ、お互いさまだけど。


木造の建物やお店などにあれこれ質問されては脱線してを繰り返していると、また車は住宅街へと入る。


そろそろ目的地だ。この辺りも来ていない間に建物やら歩道の幅だとかが微妙に変わっているのは、私がどれだけこの地から離れていたのかを確認出来るものだ。


「あ、そこ。そこを右に曲がって左側がウチ」


そうして見えたのは、周りの住宅に比べてもそこそこ大きな濃いグレーの外壁の家。


私の実家だ。

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