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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
アリウム・コワニー

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真白

実家に帰るという彼の提案。それに驚きはしたものの、少し冷静になるとあぁ成る程とすぐ納得が出来た。


「あのお父さんがなにもしてないわけないもんね」


「あの父さんが保険をかけてないわけがない」


私と彼の意見は同一のモノだ。おんなじ真白なんだから当然だけどね。

あのお父さんがなーんにも残してない訳がないのだから。


「あの用心深さというか、モノの管理に関しては徹底してた人だからな。もし自分の身に何かあった場合でも、俺に何か残してても不思議じゃない」


「残すんだとしたら実家だもんね。今は確かお手伝いさんが管理しているハズだけど……」


「行ってみないことには分からないな」


お父さんはとにかく用心深いというか、心配性というか。色んな事柄に保険をかけておく人だった。


この保険というのは、いわゆる健康保険とか火災保険とかだけではなくて、自分が何か残しておきたい事がある場合、そう言ったものをとても大事にしまい込むクセのようなものがあった。


遺言書なんかはもう書いてあったし、貴金属は価値が下がりにくいからと実家の金庫に少し置いてたハズ。


そんなお父さんがもし、私にいつか伝えておきたい何かがあった場合。間違いなく文書かデータで残してる。なんならどちらも残してる。


あの人はそういう人なのだ。


「もしそれが無かったとしても、父さんは母さんに関わる事とか色んなモノを残したままにしてる。メモリーに関するものも残ってると思う」


「ショルシエが言っていた事ね。メモリーはお父さんが作ったって。その真意も確かめたいかな。どうして、魔力の保存を考えたのか」


もしも私達に何もなくても、お母さんに関するものやメモリーに関する事が絶対に残してある。


メモリー自体が【ノーブル】にも飛躍的な技術革新をもたらしたらしいし、その設計や仕組みが分かれば技術の面優位に立てる有力な情報。


絶対に手に入れたい情報の一つだ。


「逃げるんじゃなかったのか?随分と乗り気だけど」


「……正直まだ逃げたいよ。でも、ちゃんとお父さんとお母さんがどうして私をそうまでして生かしてくれたのかを知らずに逃げるのは自分勝手だと思ったから」


話に乗り気の私を茶化すように、彼はニヤニヤと笑う。


私は私の気持ちだけで逃げたくなっていたけど、もしお父さんやお母さんの当時の事を知れる手段があるのなら、それは知っておくべきだと思っただけ。


逃げたい気持ちは変わらない。でも諦めたくない気持ちだってちゃんとある。

今まではその気持ちが沈みきってたけど、話している内に少しだけ浮かんで来た。


だから今のうちに動きたい。今度はちゃんと自分から。もう遅いかも知れないけど、自分から自分の事を知ってそれから決断したいと思う。


「どうせ、逃げられないし」


「でもそういう選択が自分で出来るようになったって事だろ?俺には出来なかったからな。やっぱ色々変わったんだな」


それにどうせ逃してもらえない。それなら多少の寄り道だけでも見逃してもらった方が良い。

逃げ出したら最後、次はきっと寄り道もダメって言われるようになるし。


それだけ、心配してもらってるって事だもんね。


「昔の事も大事だけど、それよりも今とこれからの方がもっと大事だからな。その辺は上手く分別付けろよ」


「……それは貴方のこと?」


「さぁな?どっちにしたって俺はお前だ。俺っていう男の記憶と記録は消えるが、全部じゃない。真白は残ってる。お前が俺を消しゴムに掛けてるわけじゃないから安心しろよ」


難しい。俺は私で私は俺。同じ存在だけど微妙に違ってて、でもおんなじモノを共有してる。


そして、そのうち俺の部分は消えてしまう。それは私が元の俺を消してるんじゃないかと思うけど、本人はそうではないと言うし、多分本人自体も理屈を理解しているわけではない。


彼が理屈を理解出来ていれば、私も理解出来てるハズだから。


「そういうことだから気にすんな。俺は小野真白で、諸星真白になった。その結果お前になった。それだけだ」


「こうして別人みたいに会話してるからよく分からなくなるのかな」


「かもな。どっちにしろこれは夢だし、本当に俺がお前と対話してる訳でも無いだろ。どっちかと言うと、お前が自分の中身を整理するためにこの夢を自分に見せてるのかもな」


そんな魔法みたいな、と思ったけど生憎私は魔法少女だった。しかも特別性の。何が起きても不思議はないってヤツね。


でもおかげで踏ん切りがついた。だとするならこの夢にも意味があった。

仮に彼が私が勝手に作り出した想像上の本来の私でも、私はこの夢で彼と出会った事を忘れないようにしよう。


私がまた逃げたくなった時の道しるべになるように。


「あ、最後に一つ。俺たち『繋がりの力』でめっちゃ大事なこと忘れてたんだよな」


「ん?またいきなりなんの話?」


「とりあえず、起きたらパッシオとカレジにスマホ持つように言えって事。『イキシア』の正式な使い方、すっかり忘れてただろ」












「あーーーーーっ!!!!」


「うおぁっ?!」


「どうしたっ?!


ガバリと飛び起きた瞬間。側でパソコン業務をしていたらしいパッシオがびっくりして椅子から転げ落ちて、カレジが部屋に飛び込んでくる。


あ、夢から覚めた。おはよう。じゃなくて!!


「パッシオ、カレジ!!スマホ買いに行くよ!!」


「起きて早々何の話?!」


「突然いかがなさいました?!」


なんで私ってば『イキシア』のちゃんとした使い方忘れてるかな!?今ならどうとでもなるじゃん!!



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― 新着の感想 ―
[気になる点] あれ? 魔法少女成りたての頃の魔力量は他の人と同じぐらいでしたよね? それが日に日に増えてやばい量になってる 魔力は食べ物とかから摂取してる 人間として生きられるように命削って魔力注い…
[一言] 忘れてただけかい!
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