キャンパス
もぐもぐとお昼ご飯に作ってもらったオムライスを食べていると、お母さんが追加でサラダとスープを持ってきます。
魔法少女は基本的に沢山ご飯を食べるので、ご飯の量は同い年の子に比べてずっと多いです。
と言っても、ウチは元々お母さんがとても食べる人なので、料理は基本的に超大盛です。勿論味にもこだわっています。料理は美味しいのが大事ですから。
「むぐむぐ、お母さんケチャップちょうだい」
「ハイハイ。あんまりかけすぎないでね」
ケチャップを受け取ってたっぷりかけるとまたスプーンで大きなオムライスを大きな口で頬張ります。うん、美味しいです。お母さんは服飾のデザイナーですが、料理も上手なんですよ。
大きなオムライスはみるみるうちに減って来て、あっという間に無くなっていきました、サラダもスープもです。
「ごちそうさまー」
「ハイハイ、お粗末様」
一緒に食べていたお母さんも同じようにぺろりと大量のご飯を食べ終えて、食器を片付けます。私は片づけをお母さんに任せてテレビを付けるとお昼の情報番組が流れて、この街のニュースが流れています。
【続いてのニュースは先日の魔獣による襲撃被害の状況です。先日報道した通り、強力な魔獣がこの街を襲い、深い傷跡を残していきました】
【最近、この街以外でも魔獣や魔法犯罪が世界的に増加傾向にあると言われている中、この街の被害はその中でも突出しています。幸い、私達の街の魔法少女とそれを擁する組織である『魔法少女協会』は非常に優秀であり、壊滅的な被害は免れていますが――】
やっている内容は先日の魔獣襲撃、バハムート、ショルシエと戦った激しい戦いについてです。
多くは街の外周にある倉庫街で行われたので、人的被害は軽微。非難の際の転倒による怪我や多少のトラブルがあったようですけれど、内容を考えれば被害は確かに最小に抑えられたと思います。
ただし、魔法少女には大きな傷跡を残しています。真白さんと千草さんが事実上の戦線離脱というのはあまりにも大きいです。
千草さんは諦めていませんし、真白さんは本人次第。多くの人は2人なら、と考えている中で私は事実上の戦線離脱と考えている辺りが現実主義的なところなんですよね、きっと。
朱莉ちゃんなんかは真白さんは絶対に戻って来ると信じてますし、千草さんに限っては本人もそしてその相棒的な立ち位置にある要さんも諦めてません。
誰も欠けないと、全員が信じている中で私だけが信用していないとも取れる考え方を心の内に秘めている。
これが私が私自身にストレスを感じる部分の一つです。仲間を信じていると豪語しながら、結局は信じてない部分があって、何なら自分も信用してません。
絶対なんて無いから、100%は信用できない。そんな捻くれた自分がいるんですよね。
「なに辛気臭い顔をしてるの」
「別にそんな顔してないよ」
「してるわよ。どうせ貴女のことだから、一人で考え込んでるんでしょ?ほら、吐きなさい。隠したって意味無いわよ」
「うぐぐぐぐぐ……」
ニュースをボーっと見ていると、食器を片付け終わったお母さんが私の視線をわざと塞ぐようにして顔を出して来ます。
こういう時のお母さんはしつこいし無駄に的確に私の内心を引っぺがして来るので苦手です。ほっといてくれたら勝手に私の方で折り合いを付けるのでほっといてくれていいんです。そう言うお年頃なんです。
「そういうお年頃だからちょっかいを掛けるのよ。一人で考えるのも大事だけど、一人に拘る理由なんて何処にも無いし、周りの人に沢山聞けば解決策だってその人数分出て来るわ。そうやって沢山の考え方に触れる。その事が一番重要なんだから」
「でも、この前雛森さんと番長さんに聞いたらよく分からない返事が返って来ましたし……」
「それはまだ貴女がその答えを理解出来ていないだけ。沢山の経験をすれば、雛森さんと田母神さんが言ってくれたことが分かって来るものよ。最初から答えを教えたら、貴女はそれはそれで拗ねるでしょ?」
困ったように眉をハの字に下げるお母さんに私はムッとします。そんなことは、無いです多分。別に事実を言い過ぎると逆張りするなんてしないですきっと。
そんな子供みたいなことしないですもん。
「絶賛してるじゃない」
「してない~~~~!!」
してないったらしてないんです!!




