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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
真実と暴虐と黒紫の魔力

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侵攻

『紫水晶の片眼鏡』に映ったこちらに向かって来る魔法の数を見ながら乾いた笑いが出て来ますね。


軽く500は超えていて未だに増え続けている以上、最終的な総合弾数は1000以上になるでしょう。全く以て馬鹿げた数です。

私にも同時に操作できる魔法の量には自信がありますが、精々それは最大300程度。


威力も最小に抑えて、です。威力も伴い、追尾もするとなればその数は半減するのは間違いありません。


そんな今回の敵であるショルシエの馬鹿げた魔法の数を見ても絶望せずにいられるのは、一重にアリウムさんのおかげかもしれません。

彼女の同時魔法操作量と保有魔力量には底が見えませんから。魔力量はアリウムさんもショルシエも底なしに思えますが、同時に操作できる魔法量は妖精ですらあのくらいです。


対してアリウムさんは場合によっては千単位で障壁を操っている節があります。当たり前のようにやっていますが、普通に考えれば私の脳10個分近いの演算を一つの脳でやっていることになります。


正直、天才だけでは理由が付きません。いくら天才でも肉体スペックの限界というものがあります。人間の限界を超えて人間は動きません。まぁ、魔力で脳が強化されている可能性はありますが、それにしてもです。


そんな怪物級のモノに慣れてしまっているせいか、この数くらいならどうにか、となる私も私だとは思いますけどね。慣れって恐ろしいです。


「捕捉完了。発射!!」


『紫水晶の片眼鏡』の補助もあって、短い時間で狙いを定めた私は次々と魔法を放ちこちらに向かって来る魔法を撃ち落としていきます。


流石に何をするにも数が多いですから。避けるにしろ防ぐにしろ、あちらの攻撃を削ぐ行為というのは大事になります。


「うおおおおおおおおっ!!!!」


そしてその空いた隙間に物凄いスピードでクルボレレさんが突っ込んで行きます。

時折飛んでくる魔法を自慢の脚で蹴飛ばしながら方向転換をして、魔法の雨霰の中心を突っ切って行こうとするその勇気は計り知れないですね。


少なくとも、私はしようとは思えないです。私は慎重に確実に行きたいタイプですから。

ただ、代わりに勢いに任せて突き進むことが出来ませんから、その辺りを上手い具合に皆が埋めてくれるのは助かります。


「よっと、もう一回。捕捉、発射!!」


私自身も脚に雷属性の魔力を纏い、出来るだけ素早い移動で動きながら魔法を撃って、迎撃を続けます。

動かない大砲は良い的にもなりますから。目立ちますしね、私。


それを何度か続けると、クルボレレさんがショルシエの近くまでやって来ます。

自慢のスピードで追い詰めるクルボレレさんと、障壁を張って魔法で迎撃するショルシエ。

そのサポートをしながらしれっと障壁に穴を開けて来ようと同じ所に魔法の弾丸を打ち込み続けているノワールちゃん。


戦いはこの障壁を抜けるか抜けないかがポイントになって来ています。バハムートを相手にしている子達が来てくれればいいのですが、総じて高火力な彼女達をバハムートに当てなければ一瞬で焼き殺されるでしょう。


クルボレレさんも私も、そして狙撃でサポートするノワールちゃんも、あの分厚い外殻を抜くのには向いていません。スピード特化のクルボレレさん。面制圧が得意な私、狙撃一点のノワールちゃん。


私達は特化してるがあまりに、ああいった徹底的なステータス差で自分の戦術が一切通じない敵には全く通用しません。

これはショルシエにも言えるのですが、魔法に特化した彼女相手ならまだ戦いようがあります。


現状がそれを証明しています。相手の攻撃に隙を作る私と、その隙を持ち前のスピードで縫っていくクルボレレさん。狙撃で的確にクルボレレさんをサポートするノワールちゃんと良い感じに嚙み合っています。


「ちっ、鬱陶しい」


自分の思い通りの動きをさせてもらっていないショルシエは見るからに不機嫌そうに表情を歪めています。今のところは上手くコントロール出来ていますが、やはり決定打に欠けたままです。


障壁を抜くか、あちらが痺れを切らしてもっと大規模な魔法を使われると状況はあっさりとひっくり返るでしょう。


バハムートと戦う面々がいる方向からは時折火傷をするんじゃないかという熱気が来ます。あちらのためにも長引かせるのは得策ではない。

仕方ありません、使うのは気が引けるのですけどね。これは所詮、真似事ですから。


「クルボレレさん、少しサポートが出来なくなります。行けますか?」


「大丈夫っすよ!!なにか作戦ですか?」


「えぇ、ちょっと」


私の変身アイテムである、ペンダントトップ。そこに嵌めてある紫色の石を取り出して、真っ赤な宝石を取り出す。

勿論、本物の宝石ではない。これは私が持っている沢山の属性の中から火属性の魔力だけを固めた物。


「少し真似るね、ルビーちゃん。『ジュエルセット・ルビー』」


そして、それをペンダントトップにはめ込むと私の姿は紫色から真っ赤なものに変わった。

そう、これが私の魔法の一つ。私は私が持つ沢山の属性の中から特化した姿にそれぞれ変身できる。


メモリーとSlot Absorberの劣化版のようなものだ。普段はあまり使い勝手が良くない事が多いから使わないし、やれることと言えば皆の真似事くらい。でも、こういう時には多少使える。


そうして、私は足裏を爆発させて、一気にショルシエとの距離を縮めた。


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― 新着の感想 ―
[一言] この子らもすごいよな
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