表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
真実と暴虐と黒紫の魔力

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

612/1883

侵攻

ドラゴンの鱗で覆われた堅い腕に燃える花びらがまとわりつく。堅く分厚いそれに火傷なんかは期待出来ないけど、その下にある肉には通る。そのまま蒸し焼きにでもなれと思ったけれど、残念ながらすぐに振り払われる。


「パッシオ!!」


「りょう、かいっ!!」


一度退いたシャドウに、パッシオが炎の球を何発も撃ちこんで行く。爆炎を上げて着弾して行くそれをシャドウは避けたり腕で弾いたりしながら素早く距離を詰めて来る。


パッシオの炎球と私の燃える花びら、そのどれもを掻い潜って来るんだから相変わらずの戦闘センスの高さ。全く、これだから厄介なのよ、ねっ!!


「――ふっ」


「へぇ……!!」


奇しくも、次の一手に選んだのは2人とも武器を模った魔法のぶつけ合いだった。


燃える花びらで作られた槍と土塊で作られたハンマーがぶつかり合う。質量はあちらが上、まともに受ければ壊されるのは私の槍だけど、こちらにはリーチと手数という分がある。


ガンガンと槍とハンマーの応酬が続く。その間にも私はパッシオに跨りながら、あちらは自らの足と土中に潜ったりしながら目まぐるしく立ち位置と距離を変えながら様々な魔法と肉弾戦が繰り広げられる。


魔法は私、肉弾戦は向こう。利があるのはお互い違うけど、相手の手は何となく読める。


シャドウならこうして来る。あっちは私達ならこうして来るって理解で今出来る最高のパフォーマンスをぶつけ合う。


「随分楽しそうじゃないかアリウム。戦いなんて無粋だなんて言いそうなタイプのお前が」


「それはお互い様よシャドウ。戦いなんて面倒なこと、出来ればしたくないってタイプでしょう貴方は」


自然と、お互い笑みを浮かべながら戦っていた。あまり褒められたことでは無いのは承知の上だ。

私達は敵同士、生死を掛けた戦いであり、勝者が敗者を蹂躙する権利を得る本物の戦いにおいて、私達が属する組織の事を考えれば戦いを楽しむなんてもってのほか。


「確かにな。だが、お前との戦いだけは例外だと答えよう」


「奇遇ね。私も貴方との戦いだけは少しだけ特別だわ」


ただ、このシャドウという男と戦う時だけはそんなことは頭の片隅に追いやられてしまう。

理由は?と聞かれると少し困ってしまう。どうにもそうなってしまうのだ。


敢えて言うのなら、そうね。


「鍛え上げた技と身体」


「磨き上げた心と信念」


「「ぶつけ合うには申し分ない!!」」


この強敵に、自らの全てをぶつか合うこの瞬間がどうしようもなく心を沸き立たせる。

それくらいしか言えない。


きっと、こういうのを好敵手(ライバル)って言うんでしょうね。


私は燃える槍を、あちらは土塊のハンマーを投擲して来て空中で爆散。巻き上がった砂ぼこりで視界が奪われるけど、既に布石は敷いてある。

シャドウが何処にいるのかくらいは地面に仕込んだ障壁で感知済みだ。


「畳みかけるっ!!」


「新技お披露目!!流石の僕もテンションが上がるねっ!!」


位置が掴めているなら私の方から攻めていける。乗っていたパッシオの姿が小さくなり、いつものサイズになって肩に乗る。


新技は身体が大きいよりは小さい方が都合が良いのだ。


「『固有魔法(インヘアレントマギカ)』!!」


燃える花びらに乗って空中に高く踊り出る。花びらの中をくるくると回りながら狙いを定め、花びらが私の周囲に集まって一本の棘を作り出す。それと並行して、肩のパッシオが尻尾を巨大化させて、棘に巻き付く。


そのまま紅に燃え上がったそれが火の粉を散らしながら未だ土煙の中のシャドウへと向かう。


【Memory Boost!!】


ただし、そんな簡単な事にはやはりならず。向こうは向こうでこちらを察知する手段があったようだ。Slot Absorberから発される電子音声に私は負けじと炎を燃え上がらせる。


良いわよ。撃ち落とせるものなら撃ち落としてみなさい――っ!!


「『峨峨地籟・弁柄大蛇』!!」


「『ローズスパイカー・ソーン』!!」


私達目掛けて大口を開けた岩石の大蛇と、燃え盛る薔薇の棘がぶつかり、鎬を削る。

岩の表面を焼き砕き、棘の先端を折り飲み込もうとする大蛇。


どちらも一歩も引かない必殺技のぶつかり合いは――。


「くっ……!!」


「ちっ!!」


私は向きを逸らされ、シャドウは私達を飲み込むことが出来ずにそれぞれ不発で終わる。

だけど戦いがまだ終わった訳じゃない。まだ序盤も序盤。ここから先が本番とすら言える。


「はぁっ!!」


「ふんっ!!」


振り出しに戻った戦いは再び拳とキックのぶつかり合いから始まる。長い長い戦いになるのは誰もが分かっていることだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 楽しそうだな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ