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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
最終決戦

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『獣の王』


「ルビー、何か感じるか?」


「何も。だからこそ、怪しいわね」


エネとジィオ。そしてその亡骸を喰ったカトル。もとい6本尾のアルツを倒した私とフェイツェイ、グレースアはズワルド帝国の王城のかなり奥まったところまでやって来ていた。


たぶん、王族の居住スペースとかそういう区画だ。豪奢な飾りが多くあった入口近くのそれとは違って、人が生活するのに向いた現実的な作りになっている。


入口付近や政治的な目的。つまり王族の仕事である国政を行うためだったり、来賓のためだったり、一般市民や観光客に開放して観光地として活用していたりととにかく誰かに見られることを想定した作りなんでしょうね。


つまり、実用性より見栄えを重視した場所ってことだ。豪華さ、絢爛さを重視している部屋に実用性っていうのは皆無なのはいつの時代も世界でも変わらないものね。


逆に本当に王族が住むためのスペースは質素堅実であった方が良い。王族でも一般人でも、人が居心地よくいられる空間に大きな差なんて無いだろうしね。


真白の居城でもあるブローディア城も下はそう言った空間で、上にある王族の居住区画はかなり地味な作りになっていたし。


私達が来ている場所はそんな感じだ。人が生活するためのスペースだと分かる現実的で実用的な空間。

言い換えれば、そこそこに生活感の感じられる場所なんだけど。


「ひとっこひとり居ないね。こんなに生活するのに向いている区画なのに生き物の気配が全然しない」


「同感。匂いがしないわ。少しでも生活している人がいたら多少は生活臭がするのに」


「がう」


多分、生き物が発する生気的なものを感じ取っているだろうグレースアの意見と私も同じだ。


生活感のあるこの区画で不自然なくらいに人の、生き物の気配が無い。これを異常と言わなくてなんて言えばいい?

私たちと一緒に歩くリオも同意見。まるで数年単位で誰一人近寄らなかったみたいに、なんの痕跡も気配も感じられない。


「見ろ」


「どれ?」


「そこの中庭だ。雑草が生い茂っているが、よく見ると大量の洗濯物を干すための物干し台が並んでる」


「ホントだ。ボロボロになってるけど、洗濯物もそのままじゃない?」


そう言われて右手にある中庭をよく見ると、確かにボーボーに生えた背の高い雑草の中に洗濯物を干すための物干し台とか物干し竿みたいなのが見える。

中にはシーツか何かかしら。ボロボロになった布が、雨風に晒されてボロボロになって風に揺らされていた。


やっぱりおかしい。今までの城内はショルシエの『獣の力』に影響されて凶暴化した城勤めの人達がうろちょろしていたけど、ここに来てからはやっぱり誰一人とすれ違うことすらない。


まるで、ある日突然人が寄り付かなくなった。そんな雰囲気がある。じゃなきゃこんなことにはならない。


「もっと奥に行くわよ。明らかに何かある気配がぷんぷんするわ」


「だな。ここまで来るとあからさまだ」


「一番怪しいんだとしたら……。王様の寝室とか?」


それだ、とフェイツェイと2人でグレースアの予想に合点のいった私達は王様の寝室と思われる場所を探すために辺りを隈なく歩き回ることにする。


王様の寝室ともなれば、他の部屋とは造りが違う。扉からして他の部屋に対して実用的でも豪華だと分かるその部屋を見つけた私達はゆっくりと部屋の扉を開けて、中に踏み入った。


「中は、特に何かあるわけじゃないわね」


王族の寝室だと思われる部屋に、何か大きな変化とか異変を感じることは無かった。整えられているけど、埃の被ったベット。人の歩いた痕跡の無いカーペット。


何か無いかと辺りを見渡して、ふと上を見上げた時。何か、虫の繭のような白い、人が1人すっぽりと入れるサイズの何かが天井からぶら下がっていることに気が付く。


「お姉ちゃん達、イケないんだぁ~。人のお家に、勝手に入ったら泥棒なんだよ」


それに気が付いた瞬間。私達以外、誰もいなかったハズの部屋に知らない声が響いた。


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― 新着の感想 ―
次回の魔法少女アリウムフルール。 城内に入った魔法少女たちを呼びとめる声。 現れるのはショルシエの分体か?
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