友達
二つの発砲音が鳴り響く。当然、私とノワールさんの2人の攻撃。私の光の弾丸はショルシエに対して回復不能なダメージを、そしてノワールさんの正確無比な星の弾丸は未来を視る能力によって私がさっきまでゲームでしか通用しない技術と言った置き撃ちというやり方を本当に実践している。
そしてブレーダーの『繋がりを断つ力』。あっという間に天敵級の特殊能力3つに囲まれたショルシエの顔色は怒りによる青から、危機的状況を察する青ざめた色へと変わる。
当たったらいけない弾丸と必中の弾丸。そして一撃必殺の斬撃。これを同時に相手にすると言われたらそりゃ誰だって青ざめる。
【ルミナス、皆に弾丸撃ち込んで!!】
「えっ?!」
【良いから!! アンタ達も私の弾丸避けないでよ!!】
逃げに徹し始めたショルシエを追い立てる私達。その最中に私と『同調』しているメイトから驚きの提案をされる。
何を言っているのかは分からなかったけど、さっきの出来事を思い出して何をするつもりなのかを理解した私はさっき強化したシルト以外の3人目掛けてそれぞれ弾丸を撃ち込んでいく。
「へぇ、面白い能力!!」
未来視でどんな能力なのかを察したノワールさんが率先して弾丸を受けると、その装備から噴き出している魔力の燐光の勢いが増す。
これで確定。メイトの、『友情』のメモリーの能力は味方へ魔力を分け与えたり、強化効果を付与するものだ。
他のメンツも弾丸を受けて能力を強化されて、更に苛烈に攻め立てる。
懸念があるとすれば……。
「失せろっ!! 羽虫どもがぁっ!!」
「うわっ?!」
「なんだこりゃっ!?」
腕を振って放ったのは間違いなく『権能』だった。私達の魔法の効力が強制的に大きく弱体化させられるそれを振るわれるのは2回目で、全員が成す術なく吹き飛ばされて変身解除までさせられてしまう。
クソ、やっぱりこれがあるだけでクソゲーだ。こっちがどれだけ強化しても、それが魔力準拠である限りこうやって強制的にほぼ無力化させられてしまう。
「ぜぇっ、ぜぇっ。クソっ、あともう少しだってのに!!」
「スタン、落ち着いて」
対抗策があるとするならスタンの持つ『繋がりを断つ力』だけど、どうやらというか当たり前だけど物凄く消耗が激しい能力なのがはた目から見ても分かる。
本人は焦っているつもりが無くても、多少の焦りや絶対に目的を成し遂げるっていう強い意識がスタンに『繋がりを断つ力』を多用させる理由にもなってるけど、大きな力なんだから本人の負担が大きいのは当たり前。
本来はここぞという時に一発ぶち込む必殺技、ってことなんだろうね。
「変身を解いてしまえばこっちのものだ!!」
「させるわけ、ないでしょ!!」
『権能』を使って私達を変身解除させたショルシエにとって、これ以上のチャンスは無い。
魔法をぶち込もうと構えた瞬間に私からの『同調』も解除されて元に戻ったピリアが障壁を鞭のように操ってショルシエの脚に巻き付けると、そのままぶん投げてしまう。
「ナイス、ピリア!!」
「っておい!! なんでテメェがここにいんだ?!」
「その話は後です!! もう一回変身しますよ!!」
トドメを刺す瞬間が最も浮足立つ。それを的確についたことによって不発になった魔法が霧散した魔法。
この瞬間に変身し直す以外に勝ち筋は無い!! ピリアの姿を見つけたリベルタさんがこっちを指差しながら大騒ぎしてるけど、ごめんだけどリリアナの言う通り構ってる暇なし!!
「墨亜さん!!」
「『権能』の連発は無いわ」
さっすが。私の言いたい事をそれだけでわかってくれるんだから本物の魔法少女はレベルが違う。
未来視が出来る墨亜さんなら、変身解除させられる前に視ていた未来で『権能』の乱発があったかどうかわかるからね。
これで魔法を弱体化させる『権能』は乱用出来ないのほぼ確。だったら、付け入る隙はあるよね!!
「わ、私も変身していいの?」
「当たり前!! 行くよ、皆!!」
「「「「「OK!!」」」」」
まだ及び腰のピリアの背中を叩いて全員に気合いを入れる。この戦い、私達が勝つ!!




