7 深夜の通話その②
三日連続更新ってすごくないですか? すごくない? そう……
「蝉郎さんが警察官?」
亮太は想定外の答えを出してきた。
「そうだ。俺はほぼそうだろうと思っている」
蝉郎さんが警察……仮にそうだとしたら一つ疑問が浮かぶ。
「でもそれはおかしいよ。蝉郎さんが警察なら、どうして夏美と仲良くしてるの? 夏美は警察の事嫌いなんでしょ?」
「……夏美は、蝉郎さんの事を探偵だと信じているんだろ」
「つまり、蝉郎さんは夏美に自分の正体を偽っているってこと?」
「そういうことになる。前、夏美から聞いたけど、夏美と蝉郎さんの付き合いはもう5年以上だって言ってた」
夏美は私よりも数倍賢くて察しの良い人間だ。五年以上も一緒にいる人の職業すら見抜けないものなのかしら……。
「っていうか夏美と蝉郎さんはどうやって知り合ったのよ」
「知らねぇ」
「まぁ、そうよね……」
知ってたらこの問題は解決してるわ。
「あ、じゃあ、どうして蝉郎さんが警察だって思ったのよ?」
「それは、この前、お前と一緒に蝉郎さんと夏美のお父さんと会った時、二人は一緒に校長室から出てきた。なんで二人が校長室にいたかは、一旦置いといて、普通、警察と私立探偵が一緒に行動なんてすると思うか?」
「え、普通にするんじゃないの?」
ドラマとかアニメで良くある話じゃない。
「実際の私立探偵は、推理小説の探偵の様に、事件を解決することはまずないんだ。私立探偵の仕事のほとんどは、推理じゃなくて調査だからな。しかも結構浮気とかそういうタイプの」
そうだったんだ……なんかショック。お兄ちゃんもこのこと知ってるのかな?
「それに蝉郎さんはあの時、段ボールが余っているかどうか、夏美のお父さんに聞いていた。だから職場も一緒なんだって思ったんだ」
亮太、あの時足が震えてたのに、そんなこと考えてたのね。ちょっと感心。
「でも、俺に分かったのはそこまで。どうして夏美が警察官である蝉郎さんを慕っているのか。そもそもなんで、夏美が警察を、お父さんを嫌いなのかはさっぱりわからん。とりあえず俺の考えが当たってるのかどうか、お前のお兄さんに確かめたくてな」
「お兄ちゃんがそんなこと考えてないかもしれないよ?」
「……本物の探偵は、解けた謎を必要以上に公開しないもんだぜ」
えっと……
「……どういうこと?」
「とりあえず早く代わってくれ」
「……はいはい」
私は、お兄ちゃんの部屋へとノックをせずに入る。
「お兄ちゃん起きてる?」
お兄ちゃんは、本も読まずに机に向かって、何か作業をしていた。
きっと文化祭の準備だろう。
「どうしたアリス」
「あの、うちのクラスに亮太ってチビいるでしょ。お兄ちゃんも何回かあったよね」
携帯電話から「お前の方がチビだ!」って聞こえたけど幻聴ってことにしておく。
「あぁ、いたね」
「そいつが、お兄ちゃんに聞きたいことがあるんだって。電話出てくれる?」
お兄ちゃんは、少しめんどくさそうな顔をしたが、黙って私の携帯電話を耳に当てた。
「もしもし。はい……あぁ、手短に……うん……うん……なるほどね」
お兄ちゃんは、少しだけ嬉しそうな顔をした。
「君は鋭いね。そうだね。君の推理は正しいよ。俺も君と同じ考えだ」
ってことは……お兄ちゃんも蝉郎さんの事、警察の人だって思ってたんだ……。
「はい……分った。ほら」
お兄ちゃんは携帯を渡してきた。
私は携帯を耳に当てる。
「良い答えが聞けたの?」
「あぁ。まぁまだ分からないこともあるが、それは明日直接本人に聞くよ」
「本人?」
「明日、蝉郎さんに会うことになってるんだ。一応は段ボールを受け取るって名目でね」
「あんたの行動力は、ほんとうに大したものよね」
「褒めてもなにもでねぇぞ。ってそうだ! もう一回お兄さんに電話代わってくれないか? 蝉郎さんと、夏美のお父さんが学校に何の用で来てたのか、お兄さんなら分かるかもしれないし」
お兄ちゃん、すっかり便利屋扱いね。
「お兄ちゃん、亮太の奴、まだ聞きたいことがあるって」
私は再び携帯をお兄ちゃんに渡す。
「もしもし……まだなにか……うん……あー……」
お兄ちゃんは、私を一瞥すると
「ちょっとお前には聞かせられない話をするから、一回部屋から出てくれ」
「えっ」
私は反論する余地もなくお兄ちゃんの部屋から追い出された。
困惑するのも束の間、数十秒もしないうちに、お兄ちゃんが部屋から出てきた。
「はいこれ」
携帯を私に渡すと、お兄ちゃんはすぐにドアを閉めてしまった。
「……もしもし」
「あ……もしもし」
「お兄ちゃんと何の話をしてたの?」
「……言えない」
「それはなんで?」
「……言えないんだ」
「なんでよ! 理由ぐらい話しなさいよ!」
「理由は簡単だ!」
亮太は即答した。
「お前がきっと嫌な気持ちになる。だからお兄さんはお前に聞かれないようにしたんだ」
「……私のためってこと?」
「あぁ。ひいては、学校中の……いや、この話はもうやめよう。言い訳がましいけど、お前のためを思ってこの話はしないことにする」
ここで、食い下がってもダサいだけよね……。
「分かった。気になって夜も眠れないだろうけど、この話はもうしない」
「ごめんな」
亮太が私に素直に謝るのは二回目ね……。
「はぁ~あ。なんか腑に落ちないけど、もう私も眠いし、明日も文化祭の準備あるし、そろそろ寝るわね」
「あぁ、いきなり電話して悪かったな」
「悪いと思うなら」
「また奢りジュースか?」
「明日期待してるわ。それじゃ、おやすみなさい」
「全く……おやすみ」
通話を切って、私は部屋のベッドへ寝ころんだ。
気になることはたくさんあるけど、それよりも睡魔が勝って、私はすぐに眠りに落ちた。
この夜、私は不思議な夢を見た。
小学生ぐらいの女の子が、一人で泣いているの。そして私には、その女の子が何故泣いているのか分かっているの。
女の子のお母さんが死んでしまったから女の子は泣いているんだ。
可哀相……あなたの悲しみは私にはわかる。お父さんが死んだときも私はとっても悲しかった。
そして、寂しかった。
だれか、あの女の子の手を取ってあげて。
そう思っていたら、誰かが女の子の手を取ったの。
男の人だ……。
誰なんだろう……。
男の人はこういった。
「僕が一緒にいてあげるよ。君の……の代わりに……」
たまには後書きっぽいことを書きます。
最近便秘気味なので、お腹が気持ち悪いのです。食欲もあんまりありません。
しかし、僕はご飯を食べないとお通じが悪いのでご飯を食べます。
しかしお通じが悪いので便秘気味なのです。お腹が気持ち悪いのです。食欲もありません。
おならはよく出ます。




