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アリスとお兄ちゃんとシリーズ  作者: ピシコ
アリスとお兄ちゃんと文化祭症候群
27/41

4 ドレスと写真とお兄ちゃん

週一更新で10月中に終わるんでしょうか

放課後、私は渡辺さんと共に、家庭科室へと来ていた。

そして私は家庭科室に入るなり、家庭科部員の人たちに囲まれた。

「あなたが噂のアリスちゃんね!? 待ってたわ~」

「本当に綺麗な髪の色……」

「ぐへへへ……」

初めて見る人たちばかりなので、多分先輩なんだろうけど、この先輩たち……渡辺さんと同じ匂いがするわ……。

「先輩~アリスちゃん、困ってますよぉ。早く撮影の用意をしましょう?」

渡辺さんは、少し呆れ気味に言った。

「それもそうね。お洋服の準備してくるわ」

先輩方はそう言うと、家庭科室と隣接してる被服室へと向かっていった。

「ごめんねぇアリスちゃん。うちの先輩たち、可愛い女の子に目がなくって……」

「こういうの慣れてるから、気にしないで」

あなたでね。

「アリスちゃん可愛いものね~彼氏とかいないのが不思議だわ~」

「もう、やめてよ。私みたいな幼児体型、誰も興味なんてないんだから」

「そうかなぁ」

「そうよ。私は、真衣とかに彼氏がいない方が不思議だわ」

「うふふ~そうね~」

「真衣って、結構告白されるみたいだけど、全部振ってるみたいなの」

え? どうしてそんなこと知ってるのかって? 女子の連絡網を侮らない事ね。

「そうなんだ~」

「渡辺さんって、真衣と中学一緒だったよね? 真衣って中学の時から、あんな感じだったの?」

「うん……彼氏は……いなかったと思うよ」

渡辺さんは、少し考えながらそう言った。

「そうなんだ。真衣って本当に理想の美少女って感じなのに……あの性格がなければね……」

どんな人にも欠点はあるってことなのよねきっと。

「お~いアリスちゃーん。準備出来たわ~」

家庭科部の先輩が、大きく手を振りながら声をかけてきた。

「あ、準備できたみたい。いこう?」

「うん。だいたいどのくらいで終わるかな」

「きっと10分ぐらいで済むわ~。きっとね~」

「10分ぐらい、まぁ、そうよね」

今にして思えば、この時の私の考えは甘かった。



私は、重い足取りで手品部の部室へと向かった。

「ただいま……」

部室では、真衣がソファーの上で優雅に紅茶を飲んでいた。

「おかえりアリス。ずいぶんと時間がかかったわね」

「お陰様でね……」

「写真を撮るだけじゃなかったの?」

「まず着替えに20分かかったの」

「そんなに」

「……っていうか聞いてよ真衣! 私知らない先輩に裸見られたのよ!」

「アリスちゃん、一人でお着替えもできないのですか?」

「ちがーう! あんな複雑な衣装だとは思わなかったのよ! あとあれ! ヌーブラだっけ? あれ初めて付けたわ」

「貧乳なのにヌーブラを? もっと貧乳になるわよ」

真衣はケタケタと腹を抱えて笑いだした。

「うるさぁい! 別に付けたくて付けたわけではないわよ!」

「別に女同士なんだから、裸ぐら良いじゃない」

「……あの先輩たち、ちょっとレズっぽかったし……」

「あー……」

「それに着替えが終わっても色んなポーズで写真撮られまくって……」

私は、鞄から、印刷してもらった写真を取り出す。

「もう散々だったわよ!」

真衣は、私の写真を手に取る。

「わぁ、可愛いドレスだこと。アリスってばそんなこと言って、撮られてる時は結構ノリノリだったんじゃないの?」

「……違うし」

「……そういうことにしておきましょう」

言えない……撮られてるときは、ちょっとハイだったなんて……。

「そう言えば真衣、文化祭まであと三日だけど、当日って何時から出演するの?」

私は話を変えるべく、話題をふった。

「えっと、今日って火曜日よね」

「うん。明日の授業が終わったら、木曜金曜が準備日で、土曜日が生徒のみ参加日で、日曜日が校外の人も来る日」

私は自分で確認するように言った。

「私たちがお客さんの前に立つのは三回よ。土曜日のオープニングセレモニーと、土曜日のショー、それと日曜日のショー。ショーの時間はどっちも14時から」

「オープニングセレモニーってなに?」

「知らないのアリス? 土曜日の朝は各クラスと文化祭に参加する団体が、それぞれの自分たちのアピールポイントを紹介する時間があるのよ」

そう言えばそんなことを、クラス会議で言ってたような……

「うちのクラスも、伊藤君と椎名君が担当だったはずよ」

亮太はともかく椎名君もなんだ……。こういうの苦手そうなのに。

「私たちも、オープニングセレモニーで簡単なマジックを披露するわよ」

「もう考えてあるの?」

「当たり前。明日の放課後ちょっと練習するわよ」

「りょーかい」

その瞬間、ドアがガラガラと開いた。

入ってきたのはお兄ちゃんだった。

「ごきげんようお兄様」

「ああ。最近顔をみせてなくてすまない」

「そんな、気にしないでください」

「文化祭の準備日って、手品部では何をする予定なんだ?」

「ショーの流れを確認して、お兄様とアリスには、小道具の確認などをしてもらう予定ですわ」

「そうか。悪いんだが、準備日は中々忙しそうでな。あまり顔を出せそうにない」

え? お兄ちゃん今何て……

「ん? この写真……」

お兄ちゃんは、ドレスを着た私の写真を手に取る。

お兄ちゃんは、その写真を随分訝し気に見ていた。

「あ、それはね、家庭科部の友達に撮ってもらったの」

「友達ってことは、この学校の生徒か」

「う、うん。そりゃあそうでしょ」

「……それもそうだな。このドレス、昔お前が父さんに買ってもらった服か?」

「ううん、違うよ。私のクラスメイトが作ったの。渡辺さんって、確か何回か会ってるよね?」

お兄ちゃん、私がお父さんに買ってもらった服の事覚えてたんだ。

「ふーん。友達に撮ってもらったなら良いけど、その写真、あんまり外に出すんじゃないぞ」

「え、あぁ、うん」

恥ずかしいから出すつもりはもともとないけど……どうしてそんなことお兄ちゃんはわざわざ言ったんだろう……。

「それじゃあ俺はちょっと用があるから、失礼するよ」

お兄ちゃんはそう言ってそそくさと部室から出ていった。

「……ふーん」

真衣は、ニヤッと笑った(本当にそういう擬音が聞こえてきそうだった)。

「どうしたの真衣?」

「最近のお兄様の様子はどう? なにか変わったところとかない?」

「……そう言えばお兄ちゃん、最近家に帰ってくるのも遅いのよね」

いつもなら私よりも早く帰ってきてるのに……

「もしかしてお兄様、文化祭の準備とかで忙しいとか……」

「いや、そんなまさか。お兄ちゃんに限って……」

「……」

「……」

「お兄様のクラスってどこだったっけ?」

「2-4」

私と真衣は、お互いに小さく頷くと、すっと立ち上がった。

あの、本にしか興味ないお兄ちゃんが、本当に文化祭の準備を手伝っているのか……気になるじゃないのよ!

お兄ちゃん元気そうでよかったです。

次回更新は、10/14あたりです。きっと。多分。部分的にそう。

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