表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒翼契約譚《レイヴン・クロニクル》 IF:血月の黙示録  作者:
第一章:血月の黙示録

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/52

第二十話:黒翼の守護者

時計塔を囲むように。


無数の魔法陣が、空へ展開されていた。


十三番街上空。


武装聖職者部隊。


対吸血鬼殲滅術式。


完全包囲。


セレナの表情が険しくなる。


「……本部め」


「もう討伐命令を出したか」


エルが静かに補足する。


「始祖波長観測により、危険度判定が更新されました」


「現在、時計塔周辺は封鎖されています」


クロエは、不安そうに窓を見ていた。


自分のせいだ。


そう思ってしまう。


ノクスが静かに前へ出た。


「クロエ」


「下がっていてください」


「でも……!」


「大丈夫です」


その声音は、驚くほど穏やかだった。


レグルスが武器を肩へ担ぐ。


「久々だなぁ」


「始祖戦争以来か?」


セレナの目が鋭くなる。


「……始祖戦争だと?」


レグルスは、ニヤリと笑った。


「お前らの教会が、この人を“怪物”にした戦争だよ」


空気が凍る。


クロエは目を見開く。


「……え?」


ノクスが静かに口を開いた。


「レグルス」


「言い過ぎです」


「事実だろ」


珍しく。


ノクスは否定しなかった。


その時。


ズドォン――!!


結界へ、巨大な光槍が叩き込まれる。


時計塔全体が揺れた。


「対象確認!」


「始祖波長一致!!」


外から響く怒号。


クロエが肩を震わせる。


怖い。


あんなに大勢。


自分を殺しに来ている。


その瞬間。


ノクティスが、クロエの前へ立った。


セレナ。


「ノクティス?」


ノクティスは、窓の外を睨む。


胸の奥が熱い。


血が騒ぐ。


だが。


もう迷わなかった。


「……通しません」


静かな声。


クロエが目を見開く。


「ティス……?」


その呼び方。


ノクティスの胸へ、暖かく落ちる。


エルが観測端末を見る。


「血統同期率、急上昇」


「守護反応を確認」


レグルスが吹き出した。


「ははっ」


「完全にこっち側じゃねぇか」


ノクティス。


「違います」


「俺はただ……」


言葉が止まる。


クロエを見る。


不安そうに、震えている少女。


昔と同じだ。


誰かを守って。


なのに。


自分が傷つく人。


だから。


「……この人を、傷つけたくないだけです」


その瞬間。


ノクスの瞳が、わずかに細められた。


まるで。


“認める”ように。


そして。


ゆっくり口を開く。


「……そうですか」


次の瞬間。


ドォン――!!


時計塔の外壁が爆ぜる。


武装聖職者達が、一斉に突入してきた。


「始祖を確保しろ!!」


「抵抗個体は排除!!」


空気が変わる。


ノクスの瞳から、感情が消えた。


レグルスが笑う。


セレナが槍を握る。


エルが静かに告げる。


「戦闘行動を確認」


そして。


ノクスが、静かに前へ出た。


黒い外套が揺れる。


その背には。


巨大な黒翼が、ゆっくり広がっていた。

読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、

ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

引き続き「レイヴンクロニクル」をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ