2人きり
「おはようー!学校きれいになったね!」
「おはよう。前はボロかったからねー。」
学校が再開した。ボロかった校舎はすっかり純白の新品になっていた。
「おはよう、ゆい。」
「おはよう、瑠胸。」
(んー。私は邪魔かなー。・・・どっか行こっと!)
「あれ?どっか行っちゃった。」
「ゆい。今日の放課後、家に来て。」
友達が急にいなくなってから、急に誘ってきた。
「あ、うん。分かった。」
瑠胸からということは祠かな?どんな出来栄えなのか楽しみだ。
放課後___
「お邪魔しまーす。」
「親は仕事だから俺の部屋に適当に座ってて。」
瑠胸の部屋、本がいっぱいだなー。いかにも図書委員って感じの落ち着いた部屋。
___ッ!?なんだ、これ。背中が凍りつくような気配っ。
「・・・これ。」
本棚の一冊に禍々しいオーラを放つ本があった。恐る恐る手を伸ばす。
「何してるの?」
「る、瑠胸!?いや、本が多いなーと思って・・・。」
「本が好きだからねー。あ、あとこれ。祠。」
瑠胸が部屋のはしの棚を開けた。そこには小さくてボロい祠があった。
「貸し!返したからね。」
瑠胸は頬を赤らめて言った。おおかた、ボロい祠が恥ずかしいのだろう。
「うん。確かに受け取ったよ。これからも毎日信じてくれたら守ってあげてもいいかなー。」
にっと笑ってみせた。この祠は大切なものだ。守ってあげようと思うのは本心である。
「あれ?瑠胸、顔赤いけど・・・。」
「い、いや!なんでもない。これからも毎日祈るよ。・・・あとさ、ゆいって何者なの?」
「神だよ?」
(そんなわけ・・・。いや、あれを目の前で見て信じないほうが不思議か。)
「信じるよ。他言しない。」
「助かる。」
信じてもらえる上で、他言しないのは好都合だ。色々厄介事が増えて鍛錬の時間が短くなるのは嫌だからね。瑠胸に頼んだのはいい選択だったかもしれないな!
「・・・ところで今の状況分かってる?」
「瑠胸?うおっ。」
急に瑠胸に押し倒された。
「男の部屋に二人きり。危機感なさすぎない?」
「・・・。」
「俺だって中学生男子だぞ?あんな可愛い笑顔見せられたら、勘違いしちゃうって。」
深く息を吸う。
「どゆこと?」
正直、なぜ押し倒されているのか分からない。
「っごめん、忘れて。今日は報告だけ。ほら、帰って帰って!」
「あ、うん。お邪魔しました。」
急かすように玄関まで見送りされて、扉が閉まる。
「何してんだろ、俺。早すぎんだろ。」
「なんだったんだろ?」




