火事
「これで朝の会を終わります。」
神伺雀瑠胸の席は、僕の席とは少し離れている。だけど、横の席の人は欠席だから座っちゃおう。
「おはよう!はじめまして瑠胸、くん?」
「おはようございます・・・。呼び捨てでいいですよ。」
「ならそっちも敬語な〜し!」
「はぁ。イベントの質問?」
瑠胸は真面目に仕事をしているみたいだが、話したいのは別件だ。
「単刀直入に言う。神って信じる?とある神の祠を建てて毎日祈ってほしいんだけど。」
「えっ。そういうの間に合ってるんで。それじゃあ。」
あー、話だけでも・・・って行っちゃった。なんか焦って逃げていたような。どっちにしろダメそうだな。
「あいつ、どするのぉ?難しそうだけど。」
華麗な少女が浮いている。彼女は白雫という名前の白蛇だ。御河が護衛兼、情報交換の方法として遣わしてくれたらしい。
ふわふわと浮きながら割れた舌で常に探知をしている。少女の姿だが、髪や舌から蛇だという事がわかる。
目は美しい金色であり、髪が銀色であることもあり魅了される。
「ま、別の人探すかー。」
あと28分・・・。授業なげぇー。教科書全部予習したから早く新しい知識が欲しい。
_____________バァァァンンンンンンンンンンンン!
突如として爆発音が学校に響き、引き戸が震える。僕のクラスは扉を閉めていたから良かったけど、閉めていなかったら窓ガラスが割れていただろう。
「何?何?」
「皆静かに!外に出ないで。先生見てくるから。」
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!
〈ただいま3階理科室で感知器が作動しました。確認しておりますので次の放送にご注意ください。〉
「理科室ってこの階じゃん!」
引き戸を開けた生徒が、絶叫した。理科室から逃げる負傷者達と黒い煙が上がっているのを見て。
「か、火事だ!!!逃げろぉ!」
その生徒の叫び声が3階に響いた瞬間、2年生は突いた蜂の巣のように避難を開始した。
僕は窓を閉めて電気を消してから、パニックになってしまった子と一緒に体育館へ安全に避難した。
皆が不安に襲われている中、先生達が生徒の確認をする。
「学校が火の海になった・・・。」
火の海、幸い3階だったこともあり1階は安全だった。
「ちゃんと数えたのか?!」
?先生達が騒がしい。
「神伺雀!神伺雀がいない!」
瑠胸?いないのか?
「せ、先生。瑠胸は4階に上がっていきました。」
一緒に避難してきた子が挙手して言った。
「何だと?!4階って今頃息をするのすら厳しいんじゃないか!?」
「俺が行く。」
あれは体育の先生か、あの巨体・・・。安全なルートは見つけてるが巨体じゃあ通れない。
「先生、どこにいるのかすらわからないんですよ!?」
「それでも行くんです!他の生徒を任せました。」
だめだ。それじゃあ、死者が増えるだけだ。
「剛永先生!っ先生!」
体育教師を呼び止めようとする先生たちだが、その声を背後に先生は体育館から出ようとしている。
「だめだ。」
気がつけば体育館の入口をふさぐように先生に向き合って仁王立ちしていた。
「避けなさい。まだ間に合うかもしれない。」
「僕なら助け出せる。」




