X X 年の出来事
______「やった、やったぞ!始末した!一匹逃げられてしまったが最強を始末できたのは大きい!」
「今晩は宴だぞ!」
幼い頃、大人が騒いでいた記憶がある。
なんでも邪魔者を排除することに成功したとか。堕ちた神、邪神を倒したのだが天主様が手をかけていた神だったらしく、あくまで「戦死した。」と伝えたらしい。
その神は2神で最強だったらしく、逃げた1神は妖霊にさらわれてしまったことにしたらしい。この事件は後に”双極消滅 事件”と呼ばれるようになった。周りの大神達は笑っていた。これだけは鮮明に覚えている。訓練で醜い妖霊を祓ってきたが、どんな妖霊よりこの時の大神達の笑顔の方がよっぽど醜く、気持ちが悪かった。宴のご飯が何も感じなくなるほど気持ちが悪かったので、僕は風に当たるために縁側に行った。
どこかに寝っ転がりたい。ちょうど椅子があった。椅子に頭をのせて部屋に足を向けて夜空を見上げる。
「あなた、一人?」
「誰?」
全く気配が感じなかった。女神・・・?いや男神か。
「・・・星が好きなのかい?僕も星に行って君に会いたいな・・・。」
「好きだよ。綺麗じゃん。・・・誰かに会いたいの?」
「ああ、会いたいよ。僕は貸しを返す性格なんだ。おっと、そろそろ行かないと。じゃあ、またいつかね。」
夜空を見上げながら話していた。体を起こしてみるとそこには誰もいなかった。
あれは・・・。
「・・・っ。」
御河は神界の病院のベッドで跳ね起きた。
「・・・目覚めたか。御河」
隣のパイプ椅子で、ディオが気怠げに休んでいた。
「空獏一匹に、随分と高い授業料を払わされたな。俺たち二人がかりで、ようやく、だ」
二人は静かに視線を交わした。完全な回復には、地上にある自らの祠での休息が不可欠だ。
「ゆいには眷属を一匹遣わしておくか。」
御河とディオは一足先に祠に入り、休み始めた。
「あなた、入院しなくていいの?」
僕は神界にある聖慈神界病院の診察室にいた。
「うん。学校を休むわけには、いかないから。それに神力で強化すれば良い。ついでに治療神術を覚えられるかもしれないし!」
「そっか。治療神術は草神部隊の鍛錬の中に入ってるから、今無理しなくて良いんじゃないかな〜。」
それと、と担当医師は話した。なんでも祠があれば回復が早くなるとか。早く祠を建ててくれる人を見つけて神託をおろしなさい。と諭された。
「それじゃあ、気をつけてね。放課後の鍛錬は治療に変わるから聖慈神界病院に来るのよ。」
「はい。ありがとうございました。」
5日後、天水分命こと御河とディオニューソスことディオは全回復し鍛錬を再開する。
僕はまだ治療中だから鍛錬はお預けだ。神術の定義だとか、型だとかを色々教えてもらいながら回復した神力は身体強化や痛み止めとして消費している。
教室に朝のチャイムが鳴り響く。
体育あるのかぁ・・・。だいぶマシになったが、神力でカバーしていても動いたら痛む。
「委員・係から連絡ありますか?・・・神伺雀瑠胸さん。」
「はい。図書委員からです。えっと、今週から図書室でイベントがあります。その名も読書スタンプラリー!ルールとしては・・・」
図書委員の瑠胸・・・。いいね。後で話しかけよ〜っと。




