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誰も知らない

紙媒体の「滅びの国のオリーワ2」の奥付のあとに載せている小話です。

映画のエンドロールの後みたいな事をしたかったのですね。

「ゼラニウムさまー、メリッサの所に来る本屋のアルがくれたお土産のお菓子

食べていいー?」


「構いませんが、少しずつ分けあって食べるんですよ?夕ご飯が食べられなくなりますからね」


 ゼラニウムは膝に小さな少女を乗せ、絵本の読み聞かせをしながら了承した。


「やったー!これさ~、魔法使いの国のお菓子なんだって!」

「これ食べたら何かの魔法が使えるようになるかなー?」

「あまり食べすぎると、夕方ローズマリーが怒ってオムライス作ってくれなくなるから少しずつにしとこーぜ?」


 周りが騒がしい中、ゼラニウムの膝に座っていた少女が読み聞かせをしていた絵本の挿絵を指して質問を投げかけた。


「シャトラナのおうじさまも、このおうじさまみたく強くてかっこいいのかなあ?」


 少女が指さしたのは、勇猛果敢に悪者を追い詰める金髪碧眼の凛々しい王子様の挿絵だった。


「…そうだね。きっと君たちの事を想ってくれている、優しい王子様だよ」


 ゼラニウムはアルニカのお土産である読み聞かせの絵本のページをめくりながら答えると、少女は笑顔で手にしていたキャンディーの包み紙を取り、ゼラニウムの口へ押し付けた。


「これもね、アルがくれたの。とっても美味しいからゼラニウムさまも食べて?」


 ゼラニウムは口にキャンディーを含み味わいながら、挿絵の王子が手にする剣を指でなぞらえ黒髪で紫色の瞳の良く知る王子を思い浮かべていた。



「剣ではなくて、沢山の本を抱えていそうだけどね」


これ以降、「滅びの国のオリーワ3」の自分の国から初めて出ていくメリッサたちのお話になります。

明日は七夕なので、SNSにメリッサとアルニカの3の表紙予定の絵を載せておくつもりです。(まだ塗り途中なのですが、丁度七夕っぽい絵なもので)

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