必要とされるという事
会議の間にはグレコリ王、アルニカ、シッサスと部下達、ゼラニウムの男性陣が残った。
「ここは、シラー王妃やメリッサ達女性陣に任せましょう…。私たちが今動けば、火に油を注ぐようなものだ」
ゼラニウムが冷静に判断し、グレコリ王を諭した。
そして、無言のグレコリ王の前に今度はシッサスが立つと苦言を呈した。
「グレコリ。長き友人として一言言わせてもらう。フェンネルが…、自分の立場を追われるのを承知でお前に伝えた事を心に刻んで欲しい。あれはあの子なりの…、次の世代のシャトラナが他国から甘く見られない様に考えて出した言葉でもあるだろう…」
長い付き合いのシッサスの言葉が、グレコリ王に重くのしかかった。
シッサスは続けて後ろにいた部下達の方に振り帰りながら、笑顔で伝えた。
「君たちもね。アルニカ王子やフェンネルは、君たちと共に生きるこれからの時代の上に立つ者だ。あの二人の言葉をよく聞き、行動を見つめ、その上で自分で判断し、良ければ彼らを支えて行って欲しい」
「もしも、それで裏切られたら
その時にはそれぞれの進む道の方向が、別れていくだけの事だからね」
シッサスのその言葉を聞いたアルニカは、居ても立っても居られなくなり駆け出した。
「フェンネルの所に行ってくる!」
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早歩きで玉座の間も通り過ぎ、人のいない所にローズマリーはフェンネルを連れ出し、立ち止まって強い口調で叱咤した。
「もう少し、断るにしても言い方があるよ!フェンネル!」
「…………」
フェンネルは少し考え込み黙っていたが、ローズマリーへ提案を投げかけた。
「俺は、自分の立場にはこだわっていないんだ。他の職業であってもアルニカの間接的な力に加われる。
現にローズマリーの仕事だって、このシャトラナの為になっているいい職業だ。ほら、俺の方が力もあるだろう?」
我を失っているフェンネルに気付いたローズマリーは、首を振り叫んだ。
「それは違う! だってアルニカ様にとって、貴方は唯一無二の存在なんだもの!代わりがいないの!それにフェンネル自身もさっき叫んだじゃない⁉ 君主のアルニカに恥をかかせた事を怒ってるって!こだわりがないなんてウソよ!」
ローズマリーの言葉に目を見開き、言葉を詰まらせたフェンネルにアルニカが
後ろから肩を力強く抱き抱えた。
「ローズマリー奇遇だね、僕も同じ意見だよ!」
驚くフェンネルの肩を抱き寄せたまま、アルニカは話を続けた。
「今の彼女なら分かってくれる、二人とも一緒に来てくれないか?」




