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夢から現実へ

「起きろ!メリッサ!!」


 アルニカの叫びでメリッサは目を見開き、冷や汗をかきながら目を覚ました。

そこは見覚えのある、いつもの自分の家のベッドの上だった。


「はああ、良かった~。突然うなされて苦しそうにしていたから、焦ったよ…」


 いつの間にかローズマリーもメリッサの家に訪れ、うなされていたメリッサを

心配そうに覗き込んでいた。


「メリッサ、熱は下がったみたいだけど怖い夢を見たか?でも大丈夫だぞ!」


 ずっと横にいたマンドレイクはメリッサのおでこに身体を付けながら

体温を確認した。


「熱のせいかな…?少し悪夢を見ていたかも…」


 夢の内容に少し混乱しているメリッサだったが、三人に安心してもらえる様

出来る限りの笑顔で返事をした。


「とりあえず、もう一回お薬飲む前に少しこのスープ飲める? 

アルニカ様が作ってくれたんだって」


 ローズマリーがアルニカの作った卵スープをマグカップへ注ぐと、メリッサに手渡した。


「わぁ…!私の為に作ってくれたの?有難う…」

メリッサは笑顔でお礼を言いながら、スープを一気に飲み干した。


「食欲が出てきた様で良かったよ」

アルニカはその様子に安心して、ソファに身体を持たれかけながら話を始めた。


「まずは君たちに母上の事、お礼をいうはずが…、戻ってから驚く事ばかりで参ったな」

「私はアルニカ様が、メリッサの家に一泊している事が一番驚いちゃったんですけどー?」


 ローズマリーがアルニカをからかう様ににやついていた為、

アルニカは慌てて答えた。


「言っとくけど、何もしてないからな?」


 メリッサは、アルニカのその発言に少し戸惑いを見せながら視線をそらした。



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 その後三人は軽い食事を取り、メリッサが追加の薬を飲んでひと段落した後

アルニカは夕方近くまで報告書の作成に時間を費やした。


 そしてローズマリーが夕食の下ごしらえを始めた頃、アルニカは

書面を一纏めにし、鞄の中に仕舞った。


「今日の夜はとりあえず、ローズマリーが一日ここに泊まってくれる事になったから僕は一度城に戻るよ」


 アルニカは安心した表情で、周りの持ち物を片付け始めた。


「昨日と今日は本当に有難う、アルニカ」

「もう大丈夫そうで良かったけど、無理をしない様にね」


 帰り間際、ハッとアルニカは本題の事を思いだし二人に告げた。


「近く、アルストロメリアでの報告会議を開くからその時は二人とも日程を調整して参加して欲しい。詳しくはその時話すけど、…メリッサ。君の母君はアルストロメリアに訪れていたみたいなんだ」


 アルニカの突然の報告に皆が息を飲んだ。


「アルストロメリアのグロリオサ姫が、メリッサの母君と接触していた可能性が大きくて、近く彼女がシャトラナに来る手筈を取っている」


 その報告に一番戸惑っていたメリッサに、アルニカは補足した。


「大丈夫。君の母君らしき女性は、グロリオサ姫を助けてくれていた様なんだ」

「アルストロメリアの、お姫様を助けていた…?」


 部分的なアルニカの説明にメリッサは首を傾げていたが、アルニカは壁に掛けられた時計の時間を見ると慌ててお土産の本を部屋の横へまとめて置き、自分の鞄を抱え出口へ向かった。


「詳しくは会議の時に。来週まで手が離せないから

『アル』はもう少しここに来るのに時間が掛かるって伝えておいて」


 そう告げるとアルニカはいつもの笑顔のまま、その場を後にした。


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