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宵待月に桜は踊る  作者: 葉隠真桜
第三章
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入学式前

「これでよし、と。」


入学式当日。新入生代表ノア=シストとして、そして臨時教師"新星"ノアとしての準備が完了した事を確認し、僕は1人呟く。


「あとはこの魔法が解除されないように注意しながら式を乗り切るだけか。」

「お兄ちゃん?準備できた?」

「うん。ちょうど終わったところだよ。」


それとほぼ同時に部屋の外から声をかけられ、僕は肯定の言葉を返しながら扉を開ける。


「ほかの2人も……ちゃんと準備できてるみたいだね。」


そういう僕の目線の先には、届いた制服を身に着けた3人の姿があった。


「……分かってはいたけど、やっぱりお兄ちゃんってなんでも似合うよね。」

「同意。よく似合ってる。」

「うん!格好良さと可愛さがいい感じに共存してるよ!」

「ありがと。そういう3人も似合ってるよ。」


ミリアの言葉に若干傷つきつつ、それを表に出さずに僕がそう言うと、3人は嬉しそうな表情になる。


── ちなみに総合学園の制服は幾つか種類があって、その中でも男子にはブレザー、女子にはセーラー服タイプの制服が人気だ。資料を調べると分かるんだけど、当時この制服に似たデザインの服は存在していなかったらしいから、この制服は当時の校長がゼロから作り出したってことになるんだよね。機能性も着心地も十分な服を作り上げるなんて、普通に凄いと思う。


「そういえばノア君、教師としての挨拶もするんだよね?そっちは大丈夫なの?」


僕がこの制服のことを考えていると、不意にミリアがそう聞いてくる。


「それなら問題ないよ。だって ──」

「── もう準備は終わってるからね。」


不自然なところで僕が言葉を切ると、その続きの言葉が3人の後ろから聞こえてくる。


「ひゃあ!?」

「「!?」」


その声に驚いたのか、ミリアは変な声をあげながら、残りの2人は目を見開きながら勢いよく後ろを振り返る。


「え!?ノア君!?何で!?」


後ろに立っていた存在を確認し、ミリアは2人の僕(・・・・)を交互に見ながらそう口にする。


「驚いた?……3人でこんな感じになるんだったら、よっぽどバレることはなさそうだね。」

「?……!」


そんな僕の言葉に少し首を傾げた後、もう1人の僕をじっと見ていたレオナさんが何かに気付いたように目を見開く。


「ノア、これ、魔法?」

「「えっ!?」」


そして続けられたレオナさんの言葉に、ミリアとトウカが驚愕の声を漏らす。


「レオナさん正解。」

「嘘でしょ!?魔法特有の魔力の動きも感じられないけど……?」

「それにこっちのノア君もちゃんと生きてるように感じられるよ?」

「それに関しては見てもらった方が早いかな。」


そう言って僕は、もう1人の僕の外套を剥がす。


「成程……。結界をベースに火と水、風、空間を使ってる。」

「流石。」


一目見ただけでこの分身体を作るために使った魔法を看破したレオナさんに、僕は称賛の言葉を贈る。


「レオナさんの言う通り、この分身体は基本は結界魔法で形作られてて、体温は火魔法で、結界だけで再現しにくい触った感じは水魔法も使って再現してるね。で、声に関しては結界魔法と風魔法の応用で再現したよ。」


正直、この声の再現が一番大変だった。結界の厚さや送る風の強さをちょっと変えるだけで声が変わっちゃうから、ちゃんと僕の声になるまで2週間くらいかかったんだよね……。


「でも、何で魔法の雰囲気が無いの?」

「それはこの外套のおかげだね。」


尚も納得がいっていない様子のトウカに僕がそう言うと、ミリアがはっとした顔になる。


「あ!認識阻害!」

「正解。」


僕はミリアの言葉を肯定し、説明を続ける。


「実はこの外套の効果に、装備者の気配やら何やらを遮断する効果があるんだよね。ちょっと魔力を通すと発動する効果なんだけど、僕の場合はさっきトウカの言ってた魔法の雰囲気 ── 魔法の発動過程で生じる、活用できてない魔力をこの効果を発動するために使ってるんだ。」

「へー……。」

「ノアに質問。土魔法で骨格を作ってないのは何故?」

「うーん、それに関しては結界魔法の方が色々と便利だったからかな。確かに初めは土魔法で骨格を作ってたんだけど、関節部分がうまく動かなくてね。一応ちゃんと動かせはしたんだけど、結界魔法の方が燃費が良かったんだよ。それに、骨格があろうとなかろうと外側の結界は同じだけの魔力を消費するからね。」

「成程。納得。」

「で、一応聞いておきたいんだけど、レオナさん的にこれでちゃんと誤魔化せると思う?」

「問題ない。私でも該当ありで分身体(これ)が魔法だって見破るのは無理。」

「良かった。」


そんなレオナさんの言葉に、僕は心の中でほっと息をつく。


「……って、そろそろ時間だね。集合場所に向かおっか。」


そして懐中時計を見た僕は、集合の時間が迫っている事に気付き、3人にそう声をかけ、集合場所へ向かうのだった。

作者の葉隠です!初めての作品なので、至らぬところも多々ありますが、温かく見守っていただけると幸いです。もし気に入っていただけましたら、ブックマークと☆による評価を、よろしくお願いします。

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