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エターナル・スペランツァー  作者: 和島大和
3/15

第二弾 『少女の講義』



 「で、どこが分からないの?」




 放課後。


 シャルル・マリーはジャック・クリードに問い掛けた。


 教師であるナナリー・レイフィートから、罰として与えられたこと。


 ジャックに分からない部分を教える。


 人に教える難しさ。


 それを今回で知ることが、今のシャルルに求められることだ。


 しかし、当のジャックは頬杖を突きながら目を細め、シャルルを見つめる。




 「全部。」



 「はァッ!?」




 ジャックのやる気の欠片もない声音と言葉に、シャルルは素っ頓狂な声を出した。


 信じられないと言った風情だ。


 それもそうだろう。


 入学から半年以上が経つというのに、何も分からないというのだから。


 だが、当のジャックは全くもって気にしていない。


 まるで、知らないことが当たり前であるかのように。




 「全部って……アンタまさか、兵器がどうやって造られるかも知らない、なんて言うんじゃないでしょうね!?」



 「俺は造る側を志望してねぇからな。


  乗る側を志望してんだから、なにで造られようが、誰が造ろうが、知ったこっちゃねぇんだ。」




 ジャックはまたも当たり前のことを告げるように、淡々と呟く。


 ごもっともな意見ではあるが、当然見逃せる問題ではない。




 「じゃあ、エアロイズっていうのは知ってる?」



 「エア……なんだって?」



 「…………エアロイズも知らないの?」



 「悪かったな……言ったろ? 俺は乗り手なんだ。


  んな知識、あったところで始まらねぇ。」



 「はぁ~……最悪。」




 ジャックの理解度の低さに呆れるように、頭を抱えてしまうシャルル。


 気分としては言葉通り最悪だった。


 誰でも知っているであろう知識を無知だと示され、教えるのも億劫になってしまう。


 例えるならば、数的な処理の仕方を教えようとする際、足し算すらも知らないというようなものだ。


 文章を教えるのに、「文字」という言葉すら知らないと言われたような感覚。


 それほど、ジャックの理解度の低さは深刻なものだった。


 それでも教えなければならない。


 絶望的な知識の乏しい相手を前に、自分が折れるわけにはいかないのだ。


 シャルルは意を決しながらジャックに視線を向ける。




 「良いわ……だったら、エアロイズから説明するわね。


  エアロイズっていうのは、精神エネルギーであり、身体エネルギーであり、生命エネルギーでもある。


  つまり、簡単に言えば、『生物が存在するために必要なエネルギー』だと思ってくれたら良いわ。」




 シャルルはホワイトボードに記入しながら、話を進めていく。


 人間が生き、生物が生き、植物が生きるために必要なエネルギー体。


 これがなければ存在できないと言っても過言ではないほど、『生存』に関して重要なものだ。


 ジャックが生きているのも、シャルルが生きているのも、彼等自身のエアロイズを持っているからだ。




 「これは云わば肉体を構成するもの、内臓を構成するもの……そして、魂を構成するものよ。


  これがないと、アタシ達は存在できない。」



 「……で、そんな話と、戦闘機がどう関係がある?」




 相変わらず頬杖をつきながら、ジャックはシャルルに問い掛ける。


 その態度に内心で苛立ちながらも、シャルルは彼の問いに答えようとする。




 「それを今から説明するのよ。


  いい? 貴方は、戦闘機と関わりがないように思えるような、初期の初期である知識すらも、頭の中で霧散させた可哀想な子なのよ。


  自分で自覚した方が良いわ。」



 「はいはい、肝に銘じておきますよ。」



 「くっ……コイツ……。」




 ジャックのやる気ゼロの言葉に対し、シャルルは怒りのあまり瞼を震わせる。


 此方の罵倒を含め、容易く受け流された。


 何様のつもりなのかと思えてしまうが、こうなったこともシャルル自身の責任でもある。


 自業自得でもある。


 だからこそ自らの怒りを抑えようと試みた。


 


 そして、説明は続く。




 「アンタの言う戦闘機は、このエアロイズで構成されている。


  それも女性限定のエアロイズよ。」



 「へぇ……鉄製じゃねぇってことかよ。」



 「ジャック、ホントに何も知らないのね……。」




 シャルルの説明に、今初めて知ったように呟くジャック。


 そんな彼の言葉を聞き、シャルルは呆れたようにジト目で見つめる。


 ただ、先ほどと違って興味ありげな印象だ。


 やはり戦闘機が絡んでくると、相応の興味を惹かれるようだ。


 そのことが、ちょっとだけ嬉しく思えてしまうシャルル。


 やっと自分の言葉を、聞こうとしてくれている。




 「それで、女性限定ってのには意味あんのか?」



 「ふふっ、もちろんあるわよ。


  女性って、生命エアロイズが男性よりもあるの。


  生命力に特化した存在ってことね。


  精神エアロイズは人それぞれで、その時の状況によっても変わる。


  身体エアロイズは鍛えれば鍛えるほど、上限は上がる。


  でも……生命エアロイズはどう足掻いても生まれついてのものなのよ。


  この差だけは、男女で縮まることはないわ。」




 どこか嬉しそうに笑みを浮かべながら、女性のエアロイズについてシャルルが説明する。


 エアロイズは三種類に渡って存在し、生命エアロイズだけは女性の方が高い、という点で不動であると。


 その話を聞いたジャックは、どこか不満げだ。


 面白くないと言いたげな顔をしている。


 


 「不公平だな。」



 「そうかしら? でも、こればっかりは誰が何を言おうと、変わらないからね。」




 ジャックを見ながら、勝ち誇ったような笑みを浮かべるシャルル。


 そんな彼女に更に表情を険しくするジャック。


 基礎的なものの差は、埋めようにも埋めることはできない。


 その事実に、無駄な敗北感を抱いていた。




 「逆に、身体エアロイズは男性の方が高くなる傾向にあるわ。


  肉体的な重労働に向いているのも、女性より男性だしね。」



 「……なるほど。


  体力に関して、女よりも優れてるってことか……。」




 苦笑混じりに呟くシャルル。


 その言葉を聞いて、またも初めて知ったような顔をするジャック。


 言われてみれば、全てに辻褄が合うようにも感じた。


 生命エアロイズが高いからこそ、女性は出産をする。


 身体エアロイズが高いからこそ、男性は筋力がある。


 全く同じ鍛え方をしても、女性と男性には肉体的な差が生まれてしまうことに起因するように。




 「フッ、当然だな。」




 ジャックは腕を組み、勝ち誇ったような笑みを浮かべた。


 それを見たシャルルがジト目で彼を見つめる。




 「何よ? その顔。」



 「さっきのお前と同じ顔さ。」



 「……アタシ、そんなムカつく顔、してないし。」




 ジャックは相変わらず勝ち誇ったような笑みを浮かべたまま、シャルルの指摘にも動じずに答えた。


 彼の言葉に、シャルルが不満げに頬を膨らませた。


 なんだかんだ言って耳を傾け、話を聞き、理解するジャック。


 彼は理解力がない訳ではなく、理解しようとしていないだけなのだ。


 それを理解させれば後は簡単だと、シャルル自身は考えていた。


 このまま教えて行けば、きっともっと理解してくれるはず。




 「まぁいいわ。


  それと、女性は兵器の生産と整備を行っているの。


  厳密に言えば、生産とか整備って言葉は不適切かもしれないけど、簡単に言えばそんな感じ。」



 「ふぅん……女が、ね。


  じゃあ、女は機械的な知識が要るってことか?」



 「ううん……別に、そうじゃないわよ。」




 ジャックの問い掛けに、どこか歯切れの悪い言葉を発するシャルル。


 何かに言い澱んでいるかのようだ。


 そこで、ジャックは質問を変えてみようと考える。




 「じゃあ、どうやって造るんだ? 設計して、生産しねぇと造れねぇだろ?」



 「ま、まぁそうだろうけど……アンタ、さっきなにで造ろうが、誰が造ろうが知ったことじゃないって言ったばかりじゃない。


  気にしなくても良いわよ。」




 ジャックの問い掛けに、シャルルは困惑した。


 先ほどの言葉を思い出しながら、どうにか話題を変えようとする。


 しかし、ジャックはそれを赦さなかった。


 気になるものはなるのだ。


 彼は過去を気にしない性格である。




 「気が変わったんだよ。


  知ってるなら説明しろ。」



 「そ、それが人に頼む態度!?」




 命令口調で説明を求めるジャックに、シャルルは激昂した様に顔を赤らめる。




 「……別に赤の他人に訊いてんじゃねぇんだから、そこまで気にするこたぁねぇよ。


  それより、教えろよ。


  俺は気になり始めたら、分かるまで追いかけ回すぜ?」




 シャルルの言葉をいつも通り受け流したジャックは、再度問い掛けた。


 それと同時に、軽く脅迫染みたことまで口にした。


 不敵な笑みを浮かべ、彼の言うことに嘘はないと理解するシャルル。




 「わ、分かったわよ。」




 シャルルは観念したようにボソッと呟く。


 顔を真っ赤にし、視線を泳がせている。


 先ほどの激昂した顔とは違う。


 まるでそれは、裸を見せるか否かを迷うかのような、羞恥に満たされた紅潮だった。


 やがて発する決意を固めたシャルルが、ジャックを見据えた。




 「こ、心に……触れるのよ。」



 「……心?」




 ジャックは首を傾げる。


 何のことかと理解が追い付けないようだ。


 心に触れることと、シャルルの羞恥の態度が腑に落ちない。




 「……お、お、男の人が……その……手を、入れるのよ……こ、ここに……。」



 「ッ!!?」




 シャルルが恥じらいながら、心臓に当たる部分に手を添える。


 小ぶりながらも膨らみのある両胸の間。


 その奥にある心臓に向けて、シャルルは手を添える。


 まるでトマトのように耳まで真っ赤にしながら俯き、上から目線でチラチラとジャックに視線を向けたり外したりする。


 男の手によって、心臓にあたる部分に触れるのだという。


 その瞬間、シャルルがどうして羞恥心を抱いたのかを理解した。


 これにはジャックも顔を真っ赤にさせ、目を大きく見開かせる。



 ふざけるな、とジャックは内心で舌打ちした。


 女性の心臓に手を伸ばし、入れるだと。


 これほど可笑しなものはない。


 それで、あのような人が乗るほどの巨大な物体が、生み出されるというのか。




 「う、嘘吐いてんじゃ、ねぇよな!?」



 「つ、つ、吐くわけないでしょうが!!!」




 疑うように発せられたジャックの言葉に、シャルルは胸を隠すような仕草をしながら叫ぶ。


 このような恥ずかしいことを男に向かって口走り、それが嘘であるはずがない。




 「そそ、それに……何で、知らないのよ! そっちこそ、知らないなんて嘘吐いてんじゃないの?」



 「はぁッ!? 誰が嘘なんか吐くかよ! ってか、嘘吐いて何になるんだよ。


  俺は興味ある事で、疑問を抱いたままにしたくねぇって思っただけだぜ。」




 シャルルは耳まで真っ赤にさせ、困ったように眉を八の字にさせながら俯き、ボソボソと呟いて問いかけた。


 その問いに対しては、流石のジャックも激昂する。


 


 あまりに馬鹿げた話に、頭が混乱していた。


 二人の心臓の鼓動は、激しく脈打っている。




 「…………。」



 「…………。」




 それから、気まずい沈黙が流れる。


 何か発言しろ、と互いに内心で呟いていた。


 黙っていれば気まずい空気が続く一方だ。


 業を煮やし、ジャックの方から沈黙を打ち破った。

 



 「……冗談じゃねぇ。


  それってあれだろ? 専用機を手にするなら、その行為を……やる必要があるんだろ?」



 「……そ、そうね。


  専用機というか、乗るのに必要だし……そもそも、搭乗者と召喚士は一心同体。


  搭乗者だけだと飛行機に乗れないし、召喚士だけでも飛行機は乗せられない。」




 落ち着きを取り戻しながら、二人はやり取りする。


 ジャックの発言に巧みに乗りながら、先ほどの気まずい空気を切り裂いた。


 新たに出てきた単語にジャックが質問しようとするも、シャルルは話を続ける。




 「ここでいう搭乗者のことは、『シューティング・ストライカー』って呼ばれてるわ。


  でも、『ストライカー』って呼び方が一般的よ。


  そして、その『ストライカー』が乗る機体を、『ストライカー』の手によって心から具現化・兵器として実働させるのが『リアライザー』と呼ばれる者よ。


  これはさっき言った女の人でないとダメってやつね。


  『ストライカー』の方も、男の人じゃなきゃダメなの。


  …………ここまでで、質問はない?」



 「そうだな……搭乗者がストライカーで、機体を具現化させるのがリアライザー。


  つまり、ストライカーがリアライザーの心に触れて、機体を引っ張り出すってことか?」




 真剣な表情に切り替え、先ほどの照れは徐々に引いていきながら説明するシャルル。


 搭乗者を『ストライカー』、その『ストライカー』が使う兵器を具現化させる存在が『リアライザー』。


 


 ジャックは考えながらも理解を深めていく。


 そして、彼女に対して確認するように問いかけた。




 「そういうことよ。


  ただし、色々と条件が揃わないと無理なの。」



 「条件?」




 ジャックの理解した言葉を聞いて満足げに頷く。


 その後に紡がれた言葉に、ジャックも首を傾げた。




 「うん……まず、具現化できる兵器について。


  『リアライザー』である女性側の問題なんだけど、一人一種類の兵器しか、生みだすことができないの。


  戦車だったら戦車以外は生み出せないし、航空機なら航空機しか生みだせない。


  そして、艦艇なら艦艇しか生み出せない。」




 シャルルは条件について話し始める。


 『リアライザー』と呼ばれる存在は、一種類の兵器しか具現化はできない。


 戦車を具現化できる『リアライザー』は戦車以外の具現化は不可能なのだ。




 「更に言えば、『ストライカー』も一人一種類の兵器しか扱えない。


  他の兵器を扱おうとしても、うんともすんとも言わないのよ。


  だから、戦車しか使えない『ストライカー』が居たら、戦車しか具現化できない『リアライザー』が傍に居る必要があるってこと。」




 シャルルは、淡々と条件について話し始めた。


 具現化可能な兵器は一人一種類であり、扱える兵器も一人一種類。


 それが、『リアライザー』と『ストライカー』の関係だ。


 説明は続く。




 「そして、兵器の性能については、『ストライカー』と『リアライザー』の信頼関係で左右するわ。


  言い換えれば、絆の深さね。


  信頼し合っていればいるほど、高性能な兵器が生み出されるって寸法よ。」




 クスッと微笑みながら告げるシャルル。


 どこか、憧れにも似た感情が表に出ていた。


 それを聞いたジャックは確認のために口を開く。




 「……要するに、俺が戦闘機に乗るのなら、戦闘機を生み出す『リアライザー』を探し当てて、そいつにずっと居てもらわなきゃ、どうにもならず、そのくせ信頼関係なんてものを得る必要があるってことか?」 



 「そういうこと。


  まぁ、まだアタシ達は適性審査を受けていないから、何を使えるか分からない状況よ。


  だから、戦闘機に乗るって考え方は今はまだ早計ね。


  そもそもアンタが、戦闘機の『ストライカー』でないと意味はないから。


  戦闘機に乗る資格を得ようが、得まいがね。」




 シャルルの表情は、理解してくれたことへの喜びに満ちていた。


 その一方で、どこか切なげな表情を浮かべる。


 補足として適性審査のことなども告げ、戦闘機を駆る『ストライカー』かどうかすら分からないと述べた。


 シャルル自身、ジャックが戦闘機の『ストライカー』であることを切に願っている。




 彼ほど、空に憧れる者は見たことがないから。


 彼ほど、戦闘機に多大な興味を持った者が居ないから。




 だが、そんな相手の心情などお構いなしに、ジャックは思ったことを口にした。




 「想像以上に面倒くせぇな。


  適性検査ってのも面倒だけど、それ以上に俺が戦うのに、わざわざ誰かがついてくれなきゃならねぇってのが面倒くせぇ。


  しかも、ポンコツなスペックの機体だったら、そいつの俺に対する信頼関係の希薄さを肌で感じて、ストレス抱えながら、いつ墜ちるかも判らねぇ機体に乗らなきゃならねえんだろ? ……やってらんねぇぜ。」




 溜め息混じりにジャックは呟いていた。


 それを聞いたシャルルは思わず苦笑する。


 




 「まぁ、ポンコツってことはないと思うけど……それに、そういうのは『ストライカー』の精神力でカバーすれば良いもの。


  アンタが『ストライカー』を志望するのなら、ちょっとくらい我慢しなさい。


  他に訊きたいこととかある?」



 「いや、もう良い……なんかもう、疲れたぜ。


  続きがしたいのなら、明日にでもしてくれ。」




 シャルルの問い掛けに、ウンザリといった風情で答えるジャック。


 疲れ果てたように机に頬を付ける。


 もう二度とするな、とは言われなかった。


 そのこと自体は、シャルルもどこか嬉々とする心情を抱く。


 自身の説明で理解してくれたことに加え、今後も説明を聞いてくれることに、安堵もしていた。




 「それじゃ、今日はアイスでも食べに行きましょう!」



 「お、マジか! んじゃ、さっさと行こうぜ!」




 シャルルの提案を聞き、先ほどの脱力感はどこへ行ったのか、ガバッと勢いよく立ち上がる。


 アイスの話を聞けば敏感に反応した。


 まるで、餌を待ち続けていた犬のようだ。




 「その代わり、教育料ってことでアンタには奢ってもらうからね。」



 「あァッ!? なんでそんなことしなきゃ……」



 「だったら、早く帰ろう。


  アイスなんて、いつでも食べれるし。」



 「あ? ……いや、解った。


  解ったから、頼む……ついて来てくれ!」




 奢ってもらうと告げるシャルルに、ジャックは食って掛かる。


 それを遮ったシャルルが素っ気なく帰ろうと告げた。


 ジャックは慌てて納得し、共に行くことを願い入れる。


 男であるジャックにとって、アイスを食べに行くというのは女の子がすることだという変な拘りがある。


 同時に、周りの人間たちもそういった価値観を持っているのではと考え、独りではアイスを食べに行けないのだ。


 そんな時はいつも、シャルルについて来てもらっていた。




 「ふふっ、良いわよ。


  もう、ジャックったらアタシが居ないと何もできないもんねぇ。」




 満面の笑みで嬉しそうに告げる、プラチナブロンドの髪をした少女。


 茜色に染め上げられた夕日を背中に受け、輝かんばかりの笑顔を浮かべる。


 そんなシャルルに背を押されながら、ジャックは教室を後にした。

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