《用語集1:ニルヴェイズ用語辞典》
◆おおむね「20話ぐらいまでの解説」ですが、すごいネタバレはありません。文字数が多くなってきたら分割します。
「外からの来訪者で世界観を噛みしめてみたい者はこちらの拍動資料集へ。
音を聞け。そうすれば、おのずと拍は整うだろう」
【土地】
:ニルヴェイズ(Nirvlaze/NirvanaでBlazeみたいな感じ):
熱狂の拍動時代に栄える快楽の殿堂。溶けるほどアツい涅槃。至るところにスピーカーと液体ケーブルが張り巡らされ、見た目はややとろとろ。人は食料・会話・踊りなどなどあらゆる音と共鳴から快楽を得ることができる。
遮断体質でもなければこの土地で分かり合えないものはおらず、結果として人々は自他の境界線で朝から晩まで踊り狂っている。
中央にはアーケードもあるし行政区もあるし、カルトの聖堂もある。郊外には研究所も結構ある。実は地下鉄が機能していてインフラは快適。治安はクソ。
【用語】
《あ》
:液体ケーブル(えきたいけーぶる):
熱狂の拍動時代のインフラをまかなうスライミーなケーブル。
メタリックだったりぷるぷるだったりするが、いずれも滴らないとろっとした塊。これをつまんで接続端子に繋げば端末や脳内が共鳴して、情報共有が簡単にできる。おおむね使用に快楽を伴う。機械と組み合わせたワイヤレスもあるよ。
:エフェクト(えふぇくと):
Effect。効果。液体ケーブル越しに伝わる振動は、時として『目に見える幻覚』を引き起こす。
例えば激しい音で倒れてしまった人間の頭の上に回る星が見える。考えている時に「……」の入った吹き出しが見えるなど。
この世界の住人は全身で拍動を受けているので、こうしたやや漫画チックなエフェクトを実際に視認している時がある。
特にビートが響く戦闘の場合、爆発したり、抉れたりするような幻覚を見せることもあり、これが被弾の指標となるケースも多い。
:お前の父ちゃんお華屋さん:
「ふざけんなこのカルト野郎」というニルヴェイズのスラング。人に向かって言うのは不適切。やめようね。
《か》
:快楽負荷:
拍動をやりとりしている時、神経や精神に入るダメージと言い換えてもいい。
過度な拍動は電気ショック並みの苦痛に等しく、脳も神経も情報や思想の押しつけで駄目になってしまうだろう。過度な拍動にはご用心。
:轟音主義者(ごうおんしゅぎしゃ/まぐなみすと):
でけえ音によって人間を支配する暴漢の総称。だいたい拍動支配装置とセット。デカくなりすぎた自我や自分の趣味が剥き出しのケースが多く、性質や強さはピンキリ。性癖剥き出しタイプは周囲が地獄絵図になりやすい。
:共鳴:
何かと何かの拍動が重なると発生する現象。お互いのことが分かっちゃったり、機械から情報がさくっと抜けちゃったりする。相手を共鳴させて自分のペースにノせることがこの世界のバトルの基本。
支配すれば殺さなくていい。表面的には非殺で通せるよ。
:共鳴体質:
強く拍動を知覚できるタイプの人類。性別不詳に多く、独特の視覚や感覚を持つことも。
関連→性別不詳
《さ》
:残響(ざんきょう/エコー):
拍動というのは長いこと流していると、肉体とか戦闘があったエリアに残ることもある。拍動に敏感なら感じ取ってみると過去が見えたりするケースもある。
壁についたインクを想像するといい。他の拍動で打ち消してやれば消える。
これを生かした記録システムが後述の残鳴機構で、この現象があるおかげで情報の取り落としを防げる状況も多々ある。
→残鳴機構(なりものなので【な行】)
:しあわせ:
ニルヴェイズにおいて最も脅威とされる複合ビート。重低音で、「承認」「安心」「和解」「官能」の四種の快感を叩き込む。人が逃れようのない幸福を、拍動によって引きずり出して魂をすり潰す。デバフにして高火力ってわけ。
幸せは自分で選ぼう。ニルヴェイズで生きていくための鉄則だ。
:自我フヤ(じがふや):
自我がふにゃっふにゃで拍動にすぐ飲まれる人のニルヴェイズ・スラング。
:自我溶解:
拍動汚染でめちゃくちゃにされた人間が行き着く末期症状。魂が溶け、その肉体は抜け殻になる。認識に異常が起こることから、死とは明確に定義と扱いが違う。
関連→拍動汚染
:指揮者:
戦闘において戦略考案担当かつサポート特化の人間のことを指す。
チーム内に一人いると頼りになるブレイン枠。
この物語内においては、ディーとブラッドがそれに該当する。フランジュは戦略考案はしないので除外。
指揮者になる人間は支配欲が強いというまことしやかな噂が流れている。眉唾だ。
:シナプスブルーム現象:
深い信頼と共鳴の結果に発生する、能力強化・拍動共鳴・伝播などを起こす現象の総称。
それこそシナプスに花でも咲いたような心地よさに満ちる、らしい。
そんな噂があるので試している人間は多いが、互いの魂を溶かさずにやれる者は意外と少ない。
:遮断体質:
拍動や共鳴とほぼ無縁か、何らかの断絶がある体質の人類。補助装置などでやりすごし、オープンにしない者も多い。
誰とも繋がれず、誰とも共鳴できず、楽しいエフェクトさえ共有できないそれは、ニルヴェイズの孤独そのものだ。
装置なしでは拍動汚染を受けていることさえ気づけない場合もある。
:情報欠損:
読んで字のごとし。情報が欠損している。その項目について調べようとすると「調べた」という行為と実感だけ残して、雑にスルーしてしまう現象が起こる。
情報にアクセスできてないのに、したと誤認して納得してしまうのだ。
:スライム:
ゲームなどでよくお見かけするぷるっとした材質の存在。ニルヴェイズでは液体ケーブルのことをそう呼ぶことがある。
この世はスライムパンクでSFで、ニルヴェイズはポストアポカリプスなアーバンエリアだ。
類語→液体ケーブル
:スライムパンク:
そりゃサイバーパンクとかウォーターパンクがあるならスライムパンクだってありますよ。ニルヴェイズの情報はスライム素材の振動で右に行ったり左に行ったり、おもしろエフェクトの幻覚になったりしてる。
:精神:
この世界は神経と脳と精神と魂が数珠つなぎ。精神はその人の感性や重要な情報が宿る魂の前の空間みたいなもの。精神と魂の存在が証明され、液体ケーブルで接続できちゃう。
つまり? 『精神と魂は、物理支配が有効なものになった』。
:性別不詳:
肉体情報の欠損は人の性別を行方不明にした。よって、一部の人間は性別が認識できない。他にも行方不明になっている情報があるかもしれない。
ニルヴェイズことばでは『不詳ちゃん』『不詳さん』とも。共鳴で特有の快感を受ける傾向がある。彼・彼女などは本人たちの好みで使いがち。
:接続端子:
これがなければニルヴェイズの快楽は始まらない。基本的には後頭部・耳の後ろに付けて脳に直で送りがち。職業によっては道具を持つ手首とかの人もいるし、もっとマニアックな人は魂直通の脊髄につけてる。
日帰り手術で最長90分で取り付けられる。いかが?
《た》
:魂:
その人の拍動の核みたいなもの。見えないが存在する。胸や腹部の奥にある。
感情が高ぶるとぶるぶる震えると感じる人も。ここに拍動汚染を受けると身体機能が正常でも重篤な障害を残すケースが多い。実体を伴うかも分からないこれは、見えない臓器とも。
:陶酔:
共鳴や拍動で「気持ちいい……」になっちゃってる状態。拍動に呼吸が合ってきて、身体が揺れたり動いたり。体温の上昇や瞳がとろんとして焦点が合わなくなってくる。強制の場合、瞳に拍動汚染の沈んだ青い光が宿るのも特徴。
《な》
:残鳴機構:
拍動ログを打ち込むとその人の再現ができる人造人間みたいなもの。ただし、普通なら魂がないので問われた質問を答えるなど、再生するぐらいしかできない。液体ケーブルと根源的には材料が同じ。
:ニルヴェイズことば:
ニルヴェイズ・スラングとも。可愛いクセしてひどい意味が含まれるもろもろの俗語。態度が悪い語り口。このSynapseBloomって作品もちょいちょいニルヴェイズことばで綴られてる。
例:頭に花咲いてる→自我溶解してる、目が寝てる→瞳が拍動汚染の青になってる
:脳:
基本的な感覚や記憶などを保管する極めて重要な部位。拍動汚染を受けた時、真っ先に被害を受ける場所。汚染されると思考があっぱらぱーになり、判断がカスになり、あるはずもない記憶や感情が差し込まれて気持ちよくなる。
神経回復技術が飛躍的に伸びてるから治療はできるよ。
《は》
:拍動(はくどう/ビート):
一人に一つずつ存在する、打音が基本の信号。音程ではなくリズム・ビート主体であり、人によっては複数の音を所有するケースもある。CSはいくつもの重低音を保有する。
戻せないけど変更も可能。基本的に声だけでなく全身から出てる。
ちょっと脳に繋いで「びーっ」て振動を送れば学習できるお手軽な時代だ。
:拍動汚染:
共鳴をさせられ続けて相手にノせられ続けた結果、人は相手に同調するようになってしまう。最初は指や頭が動くだけ。最後は快楽負荷の全身ダメージと反復学習で人格や言動がねじ曲がる。ニルヴェイズで横行する犯罪の九割はこれ由来。
拍動汚染を受けている者は、瞳に青い光が宿る。
→付録:ダメージ表記に基準あり
:拍動ログ:
拍動の行き交った記録。きちんと記録装置を付けている場合は保存できて、許可した人に自分の得た情報をそのまま丸投げできるニルヴェイズ屈指の便利なシステム。
各人が提出できるドライブレコーダーみたいなもの。情報交換時間が大幅短縮できる。
:拍動支配装置:
拍動の仕組みを利用して、人の精神を制圧・支配するよう作られたよくない装置の総称。まあ、全ての拍動装置がこうなる可能性を持つといえば、そう……。
自律型でうろつくやつもいる。BloomPotとかね。
:BloomPot:
ニルヴェイズ郊外をふよふよ漂う三メートルほどの自律型ビートダウン。金属質の球体に黄金の液体ケーブルと人体格納ポッドが付いて、クラゲや逆さまの蓮みたいな見た目に見える。
液体ケーブル経由の神経制圧しあわせハグによって魂を溶かす。
通称、『この世で最もしあわせなビートダウン』『至上最悪のビートダウン』。
魂を溶かされた犠牲者はとんでもなく多いため何とかしたいがヤバすぎて誰も手が付けられない状態。都市内に寄ってくると死ぬ気で止めるレベルの騒ぎが起こる。起きた。
《ま》
《や》
《ら》
:rhyme:
拍動溢れるニルヴェイズでそれに飲まれそうな人がやる自己暗示法。マニュアル人体操作法であり、戦術詠唱。韻を踏む余裕はないことも多い。自分の脳と肉体が分かれば良い。意訳重視。
:リンク:
拍動リンク。拍動装置を持っているもの同士が機械を連携させて、互いのエフェクトや状態を見えやすくするシステムの総称。無言で通信もできる。
この手のシステムは普及されていて、精度はともかくマイ拍動装置を作ること自体はそう難しくはない。
CoLではみんなオンリーワンの装備を持っているが、BROではみんな同じ規格だ。
《わ》
【組織】
:CoL:
Counter to Loud。『うるせえしばくぞ』ぐらいの意味とされている。真面目に表現すると非政府拍動リスク対抗組織。
おおむね五十人程度の民間組織であり、警察が手を出すほどじゃない小やかましい存在をシバいて「お静かに!!」ってするのが仕事。魂を賭けた壁ドン代行。
入隊条件はたった一つ。『共鳴するかしないかを自分で選ぶ意思があるか』。
また、時期に応じて○期生という扱いが存在するが特別な効力はない。共鳴一つで人を破壊でき、拍動学習でカバーできる時代、そういう認識は溶けて久しい。
:BRO:
ニルヴェイズの警察。おっブロ、ブロブロ、ビッグブラザーなど多数の愛称がある。BROの正式名称が長くて誰も覚えられなかったというのがオチ。
腐敗とはあまり縁が無く、極めて働き者。基本的に頭のおかしいやつらが徘徊するニルヴェイズにおいて、真っ先にひどい目に遭うとこ。
:SIS:
あんまり出ないが行政サービスはBROに対してSISと呼ばれている。無茶振りする市民に対して時に反撃用のマイクやスピーカーも辞さない、警察とは別方面でタフさが要求される公務員のみなさまに支えられている。
ニルヴェイズには戸籍システムがあり、ちゃんと議会もある。法治は壊れそうだが耐えていて、今日も会議は踊りながら進む。
【付録:ダメージ表記】
~自我フヤでも分かる拍動汚染レベル~
0:【通常共鳴】周囲の拍動を感じ取る やや酔いもまだこの辺 日常
1:【拍動抵抗低下】相手にノせられてる ちょっと気持ちいい
2:【快楽負荷】脳内報酬系が踊り出す 陶酔がひどくなってくる
3:【思考力低下】判断や発言力があっぱらぱーになってくる
4:【行動制限】自分の意思で動けなくなってくる
5:【自発行動不可】自分じゃもう動けない 一人だったら大ピンチ
6:【反復学習発生】いわゆる洗脳開始 気持ちいいと感じる行動・思考を繰り返す
7:【拍動喪失】自分の拍を見失う 自我溶解のカウントダウンが出るレベル
X:【自我溶解】たすからない(軽微な認識の災害を残して『いなくなる』)
2:軽度/4:中度/6:重度 ――CoL&BRO規格
※人物の状態・装備品などによって補正が掛かることがある
欲しい情報があれば随時追加します。かしこ。




