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第五十四話 いたずら

 一時間前。ノスタ村。


 二十分前くらい起きた雄一たちは朝ごはんを食べる。鳥の鳴き声が家の中で聞こえて耳には気持ちよかった。


 けれど、誰かがドアをノックしている音で鳥の鳴き声が遮られた。ヤワラカイは席を立つとドアに向かっていった。しかし、約十秒後で彼女の席に戻った。


「おかしいじゃん。外で誰もいない」


 小首を傾げながらヤワラカイはそれを宣言した。


「変ですね」


 ミナがそう言って、こういうの場合のいつもどおりに彼女の髪が水色に染まった。


「だぶん子供のいたずらだな」


 ときどきノスタ村で子供たちがいたずらをするのは当たり前なことだ。水風船を投げたり驚かせたりドアをノックして走ったりする。この前の三日間でいたずらがされなかったというのは可笑しなことだと言える。


「そうかもしれませんね」


 首を縦に振りつつセツナがそう言ったが、その瞬間に―


「また誰かがドアをノックしていますね」


 もう一度ドアが叩かれる音が聞こえたのでヤワラカイは立とうとしたけれど雄一は先に言葉を口にする。


「俺が行く」


 そう言って、ヤワラカイと同じく十秒くらいで彼の椅子に腰をかけ直した。


「まちがいなく冗談だ」


 腕を組みながらため息をつくと雄一はそう宣言した。


「またドアがノックされたら無視してほうがいいぞ」


「そうですね」


 雄一の案に女子たちはこっくりと賛成して世間話をし始めた。


 しかし、一分にかからず―


「しつこいな」


 ドアはあらためてノックされた。


「本当だね。川宮くんが言ったとおり、ないがしろにしてのは最善っしょ」


 そのままで誰だというのがドアに行くもせず、世間話をし続けた。


 太陽が眩しくて雨の気配はさっぱりなかった。


 こういうの日にノスタ村の住民は木の下で座って涼しい風を楽しむ癖がある。けれど、ノスタ村の人物ではないやつはヤワラカイとセツナの家のドアの外側で立つと、彼の影がドアに映った。


 彼が笑ってお邪魔しますと呟きつつドアを蹴る。


 ドアが居間のソファまで飛んで、高らかな音が鳴ったので雄一たちを驚かせて慌ただしく席を立つと台所までやってきた人物の姿に視線をした。


「御機嫌ようっ」


 白いローブを着ている人物がそう言って抱きしめるように腕を伸ばす。


「お前って誰だよ」


 雄一はそう叫ぶとその人物から一歩を下がりながらミナたちは雄一の後ろで白いローブのやつを見つめる。けれど、彼の顔を見とれない。フードをかぶっているからだ。


 彼は雄一を見ると言葉を継ぐ。


「そうだったかっ」


 そう言うが早いか、すばやく雄一のもとまでやっていって彼を触るとふたりは消えた。


「それはなによ」


「ふたりは消えました!」


 ヤワラカイとセツナは混乱状態で状況を把握できなくてきょろきょろした。


「川宮さん? 川宮さん!」


 そう叫びながらミナの髪は青く染まっていった。

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