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第16話 これから始まる俺の異世界生活

「それでは最後にこれからのお話をしましょう。私は魔王を目指すラミリア様とフィリム様、ミナト君を屋敷に住まわせたいと思います。部屋が腐るほどあるので……。異論はありませんか?」


 ノークラスは俺たち3人を交互に見ながらそう言った。


 俺とフィリムにラミリアは互いに視線を交わした後一斉に頷いた。


 俺的には非常にありがたいが、少し申し訳ないので手伝いでもしようかなとふと思った。

 家事なんて一切やったことないけどね……。


 ノークラスは俺らの返答に満足したのかニコニコしつつ言った。


「それで……、最近人が不足しておりこの広い屋敷を管理するのが大変なのですが、フィリム様……メイドになるつもりはありませんか?」


 フィリムは一瞬反応できず、その後「えっ?」っと可愛らしい声を漏らした。


 ノークラスはいかにも楽しそうにニコニコしている。

 本当に変態だ。


 フィリムはどうしようどうしようといった状態でおろおろしている。

 そこで、俺に助け舟を求めて視線を送って来たフィリムに、肩を上げ首を傾けながら一瞬視線をノークラスに向けて返答を促した。


 フィリムは俺の指示――というよりなってほしいという俺の願望を見てすぐに答えた。


「じゃ、じゃあ……お願いします」


 ノークラスの笑みが一層増して、優し気な笑みがむしろ変態的に見える。


「それでは、今後ともよろしくお願いしますね」


「は、はい!!」


 フィリムは元気よく、微笑む変態に返事をした。


 ――俺のフィリムに手ぇ出したらただじゃ置かねぇよ?


「あぁそうでした。ミナト君の話がもう一つあるのを忘れていました」


 口調が妙に馬鹿にされている気がする。冗談っぽいからいいけど……、俺程度の話とか思ってんのかぁ?


「ミナト君には王都の高等部に入学してもらいます」


 部屋に沈黙が流れる。

 それでもノークラスはニコニコしている。


 ――異世界で学生になるそうです。話が急すぎる。


「それはもちろんラミリアたちも……」


「いいえ、ミナト君1人でです。そばに1人従者を置きますが……。私としても悲しいのですよ。愛すべき同胞が遠くへ行ってしまうの――」


「通わせてください」


 即答してしまったが、それでラミリアと別れてしまうのは嫌だ。一緒にいたい。


「じゃあ、ここに住んで通うのは?」


「犬車で5時間かかりますが?」


「じゃあ、週末に帰ってくるのは?」


「そんなにして帰ってきたいのならどうぞ。……ほんとにフィリム様やラミリア様が好きなのですね」


 そのノークラスの言葉にラミリアとフィリムは少し顔を赤くした。


「おっと、メイドになるのでしたら様はなくさないとですね」


 そう言ってノークラスは楽しそうに笑った。


「そうと決まれば、ミナト君とフィリム、ラミリア様はそれぞれ勉強をする必要がありますね。ミナト君は入学のツテはあるので、入学レベルまでお願いします。フィリムは小学校で習うことやメイドに関することを。ラミリア様は魔王になるためのお勉強ですね」


 ――ツテって……、さすがお貴族様だな。


「剣術と魔術は3人とも行うので頑張ってくださいね」


 その眼には憐れみの色が混じっているような気がした。



 それでやっと長い話が幕を閉じ、ノークラス、薄赤の髪のメイドさんであるフィアリスさんが部屋から出ていった後、部屋から出ていこうとしたバハリスさんに俺はかなり気になっていたことを尋ねた。


「俺こんな服着てなかったですけど、誰が替てくれたんですか?」


「あなたを助けたエルフでございます」


 バハリスさんは手短に答えた後、その長身で俺の上から部屋を見渡した。


 ――あぁ男か。ラミリアじゃないのか。


 そして何かを見つけたようなバハリスさんが手をその何かに向けて言った。


「あそこにおります、クラリスでございます」


「は?」


 ――クラリスさんは女で助けてくれた人と同一人物? ……つまり男でなく女……。


「ああ、初めは誰でも勘違いしますよ。彼女は非常に強いので」


 ――お婿に行けない。俺の1番大事なところを見られてしまった。

 恥ずかしぃぃぃいいいいい!!

 俺の粗末なもんをーー!!

 DTには刺激が強すぎるぅうう!!

 どうせ俺はDTだよぉぉおおおお!! 家族にすら隠すディーーティーーだよぉぉおおおお!!!!


 俺はそう脳内で叫びながらその場に縮こまった。


 ――てかあの胸どこ行ってたんだよ!! あんときは板だったじゃねぇか!!


「……胸がでかくなってんのか?」


 俺は小さな声で恐る恐る聞いてみた。


「逆でございます。戦闘中だけ邪魔になるので魔法で小さくしているのです」


 ――何でもありな世界だーーーー。

 すごーい。


 俺にはもはや感情を激しく揺らしたせいで、脳内に感動する隙間など無かった。


 そうしてこの日は、馬鹿広い屋敷を巡り馬鹿でかい風呂に入り、馬鹿でかいテーブルで久しぶりにたら ふくおいしいものを食べ、料理に一口ごとに幸せそうな顔をしていたラミリアとフィリムの顔を思い浮かべながら、心地の良いベッドで眠りについたのだった。

ご覧いただきありがとうございます。

評価、ブクマ等お願いします。やる気が倍増します。

この話でこの編は終わりになると思います。

なので次編が書き進むまでしばらく投稿をお休みいたします。

ありがたいことに読んでくださっている読者様に、ご迷惑をおかけすることになりますが、ご理解のほどよろしくお願いします。

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