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ラスト・スノー

作者:劉・小狼☆
最新エピソード掲載日:2026/11/01
毎日をただ何となく過ごし、未来に何の期待も抱けなくなっていた青年、久世亮太。

アルバイト帰りのある秋の夜、街外れの公園を歩いていた亮太は、どこからともなく聴こえてくる歌声に足を止める。

月明かりの下、ベンチに腰掛け、アコースティックギターを弾きながら歌っていたのは、一人の少女だった。

透き通るような歌声と、どこか寂しさを感じさせる旋律。

それは、少女自身が作った、誰にも聴かせたことのない大切な曲だった。

不思議な出会いをきっかけに、少しずつ言葉を交わすようになる二人。

少女からギターを教わり、彼女の歌に耳を傾けるうちに、亮太の止まっていた時間は少しずつ動き始める。

しかし、少女には誰にも明かしていない秘密があった。

彼女は病気を抱え、病院で治療を受けながら生活していたのだ。

それでも少女は、夜になると病院を抜け出し、公園で歌い続けていた。

いつか、自分の作った歌を誰かに届けたい。

そんな夢を胸に抱きながら――。

やがて病状が悪化し、思うようにギターを弾けなくなっていく少女。

夢を諦めようとする彼女に、今度は亮太がギターを手に取る。

ぎこちない指先で奏でる、不揃いな音色。

それでも、少女の歌声に合わせて、一生懸命に弦をつま弾く。

限られた時間の中で出会った二人が、互いの心に残していくものとは……。

これは、ひとりの少女が紡いだ歌と、ひとりの青年が取り戻していく人生を描いた、切なくも温かな冬の恋物語。
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