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魔龍皇将士団の紋章  作者: 尾岐多聞
第2章 星覇獣国の秘密

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第23話 激突!聖獣師VS龍氣師⑤

 敵が構築した長大な決死線内においてもその華麗にして神々しい英姿によって一際目を引く黄色い巨鳥──それが単身向かってきたことで龍氣師イヴェロイ・ドゥヌバの肚は決まった。


『こちらにとってはむしろ好都合だッ!

 なぜならば此奴は局地戦において散々我が軍に煮え湯を飲ませてくれた聖獣防衛隊きっての大物──つまり討ち取ればこの防衛線自体がガタガタになることは必至ッ!


 かくなる上は4体による集中攻撃を仕掛け、一気に大将首を上げてやるかッ!

 全く己の力量を充分に省みることなくこのユゴラーザに刃向かった愚かさを地獄で後悔するがいいッッ!!』


 龍氣師の指示を受けてミコーレの愛鳥セラステラに殺到する群龍どもであったが、そもそも他の群体とは100〜200ヤーンもの距離を隔てられているだけに〈集合〉も瞬時とはいかず、加えて1体のみに全力集中できる聖獣師とは異なりいわば自我が14に分裂しているに等しい状況下では“天才”と畏敬されるミコーレの猛攻に対処するのは至難の業といえた。


「──ホラホラどこ見てんのさッ!

 ()()が駆けつけてくれるまでのらくらしてようなんてフザケた根性じゃあ連中が着いた頃にゃこのセラステラ様の必殺嘴撃(しげき)によって蜂の巣になってるぜッ!!」


 この言に偽りはなく、標的とされた群龍も耳障りな咆哮と共に断続的に猛焔弾を発射するものの、目にも止まらぬ神速で飛翔する巨鳥部隊の総帥には掠ることも叶わぬ。


「お、おのれッ!ポッと出の小娘が歴戦の猛者を嘲弄しおって……!!

 だが調子に乗っておられるのも今のうちだッ!──そうとも、すぐそこに迫っておる他の3体が四方からキサマを狙い撃ちしたなら絶対に逃れることはできまいッ……ぬげげッッ!?」


 現在イヴェロイの視点はもちろん14分割されているわけだが、当然ながら向けられる注意量によってフォーカスされる対象は変化する──そして現在それは〈現場〉に殺到する3体に集中されていたが、()()はまさに信じられぬ光景を目の当たりにしたのだ!

 あろうことか、セラステラ相手に孤軍奮闘していた1体の全身に何ヶ所も大きな傷口が開き、毒々しい(あおぐろ)い血煙が噴き上がったのである!


「見たかッ、新開発の秘技【真空刃殲舞】をッ!

 以前は直接翼を的に触れさせる必要があったけど今じゃ猛特訓の甲斐あって、敵の皮膚にまとわりつく大気に超高速飛行によって生じる衝撃波をぶつけることで真空の刃を発生させることが可能になった──もちろんそれは愛しの相棒の傑出した飛翔力とあたしの卓越した集中力あっての賜物だけど、全く我ながら惚れ惚れするほどの斬れ味だわッ!!


 とにかくこれでまずは1匹無力化された……悔しかったら得意の猛焔弾をもう一ぺん吐いてごらんッ!?」


 かくて空中で全身をよじりながらのたうち回った分裂体は、やがて出血量が限界に達したか突然パタリと動きを止めると、まるで糸が切れたかのようにスーッと落下を始め、その途中で幾億万の黒い微粒子に分解されると同時に()()()()()していったのであった!


「ふふん、どうやら肉の衣を脱ぎ捨てた霊体は()()()の龍魂素界とやらにお帰り遊ばされたようだね──でもまああそこまでズタズタにされりゃあ復活まで数ヶ月はかかるだろッ!

 その間に何とか星覇獣国そのものを粉砕して、二度とルヌラリアに出現できないようにしてやらにゃッ!!

 さて、ようやく押っ取り刀で駆けつけてきた兄弟どもも、速やかに後を追ってもらおうかねッ──ンッ!?」


 ここからは複数を相手にするため、まずは連中の出鼻を挫くべく巨鳥たちの〈標準長距離兵器〉である【熱閃煌破弾】を炸裂させるべく嘴を全開したセラステラであったが、それが放たれるよりも先に飛来した鮮烈な青と空色の煌破弾が襲来した2体の凶霊龍の脳天と喉笛に命中して大きく吹っ飛ばし、新たに発射された山吹色のそれが残る1体の顔面を直撃したのであった!


「アンタたち、全く余計なことを……そんなに自分たちの部隊長を信用できないってのッ!?」


 援護射撃?を行ったのはもちろん両サイドを固めるジェルマーとヨシュアであったが、愛鳥と一体化することでもはや響鳴石(アイテム)を介することなく精神感応(テレパシー)によって意思疎通が可能になった彼らの会話が皆にオープンとなった分、より砕けてしまうのはむしろ自然といえた。


「余計なこととはこれまた心外な言い草だな──我々はただ、自分の獲物に矢を放ったまでだ。

 だったら自分の持ち場で戦えとの叱責が飛んできそうだが、その点は確かに悪かった。

 しかしそもそも星覇獣国(あちらさん)がメチャクチャな翔び方してるもんでねえ、ま、これは最初(ハナ)から予想されたことだが、形式上の担当ラインも早々に無意味化しちまったらしい……」


 貴族聖獣師が半ば呆れて言い放ったように、数で劣る群龍どもはもはや目的地への到達よりも巨鳥部隊殲滅へと方針を切り替えたものとみえ、死に物狂いで高空を乱舞しつつエネルギー配分ガン無視で吐き出せるだけの猛焔弾を撃ちまくっていた。


「…ってことは、まさかコイツら囮なんじゃね?

 ヨシュア、どう思う?たしか凶霊龍って翔ぶより這うのが得意な奴がいなかったっけ!?」


 答を知らぬはずがない部隊長によるこの白々しい質問に苦笑しながら〈博士〉が応じる。


「はい、そのとおりです──私見ではこのユゴラーザを操る古参幹部をはるかに凌駕する女龍氣師が駆使するべジュネオス……残る一人の相棒であるグローメズを含めても現在最強者といえる彼女こそが真の脅威であるからには、一刻も早く()()()()、大地に目を配る必要があります──そのため私とゴラノ様は既に部下たちを降下させましたッ……!」


 


 





 





 

 

 



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