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魔龍皇将士団の紋章  作者: 尾岐多聞
第2章 星覇獣国の秘密

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第21話 激突!聖獣師VS龍氣師③

『むッ!?突っ込んで来たあの黄色い巨鳥はたしか部隊のリーダー格のはずッ!

 それがいきなり飛び出してきたということはまさか単体でユゴラーザを相手取ろうというのかッ!?

 くくく……我が凶霊龍も随分と舐められたものだなッ!

 よかろう、まずはキサマから血祭りに上げることで聖獣防衛隊壊滅を全王国民に告知するための狼煙としてやるわッッ!!』


 もう一人の龍氣師ウォセメルが相棒(べジュネオス)を召喚したことで魔龍皇が鏡晶珠によつて〈実況〉してやる必要がなくなり、龍眼の間に設置された黒水晶製の闘示盤には戦蟲使いのノーテズに破壊された8個を除く42個の漆黒の怪球が文字通り一丸となって王家の森へと疾駆する様子が映し出されていが、あまりに高速であることもあり、一般人が画面を一瞥すれば忽ち目眩を起こすことであろう。

 しかし星覇獣国首領はいかなる神通力によってか部下たちの動向を完璧に把握している模様で、特に最古参の龍氣師への鋭い舌鋒に些かの変化もなかった。


「ふふふ、イヴェロイよ、何もこの世に三名しか存在せぬ龍氣師ともあろう者が確認されているだけでも百人近くひしめき合う聖獣師どもの動向に合わせてやる必要はなかろう──そうすることで最後尾へと脱落したオマエ自身の格をますます落とすことになるとは考えぬのか?


 とはいえ加齢により硬化した脳中にもはや余の忠告も届く余地はなさそうであるから、せめて十年近い龍氣師生活の集大成を見せてもらおうかな。


 片や〈地上戦〉においては随一の達人であるウォセメルは数を(たの)んで大空に隊列を組んだ巨鳥部隊(れんちゅう)の愚かしさを嘲笑すべく、あくまでも手堅く地を這うがごとき進軍か……さすがだな。


(イヴェロイがギリッと歯軋りしたのを察し、思わず仮面の下で微笑を誘われつつ)


 ふむ、どうやら白兵戦スペシャリストの鎧刃部隊もニミルドの激励を受けて出発したようだな──特に隊長のガデラズが心に期しておるダゴードとの決闘は余としても絶対に見逃せぬ大一番であるゆえ、あやつの動向からは目が離せぬわ。


 “恋人”の名を耳にして瞬時に生気を帯びた背後のテュセリーが弾かれたように動き、酒瓶を捧げて腰を屈めるのを制しながらこう続ける。


「さすがに酒はここらが切り上げ時だろう──なぜなら旧友のナージェムが決死の覚悟を固めて余との一騎討ちに臨むつもりのようだからな。

 しかもどうやら用いる聖獣は対鏡晶珠に特化すべく生体改造を施したというのであるから涙ぐましい話ではないか……くくくッ。


 されど他の者ならいざ知らず、この魔龍皇相手にそのような細工を弄した時点で既に勝負は決しておる──それはいかにあの男が余を脅威と認識しているかの何よりの証左であり、能力の限りを尽くしての事前対策無くしては決して戦場に立てぬという事実上の敗北宣言に等しいからだ。


 さて、話がここに及んだところで、これまで龍氣師(おまえ)たちにすら伏せていた重大な事実を明かそうと思うが、イヴェロイよ、失地回復に向けて極烈集中の最中(さなか)に邪魔ではないかな?

 であるならば、この件は後日に回しても構わぬのだが……」


 殆ど当てこすりともいえる絶対者による()()()に対し、凶霊龍(ユゴラーザ)と一体化し通常とは比較にならぬほどの殺戮衝動に駆られているベテラン龍氣師はありったけの理性を総動員して「いえ、決してそのようなことは……」と辛うじて声を絞り出す。


「──そうか。ならば話すが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……()()()()()()()()()()()()()()()()……」


「──!?」


 この晴天の霹靂ともいうべきセリフはイヴェロイとウォセメルはもとより非戦闘員(テュセリー)さえも戦慄せしめたが、当然ながら魔龍皇は彼らの胸中を忖度することなく言葉を続ける。


「驚くのもムリはない──星覇獣国内においてこの秘密を覚知しておるのは2年前からガドゥア付きの宮廷医に()()()()()()我が腹心・ワドロウのみであったのだからな。


 実はな、聖獣師なる異能者は巷間信じられているように伝統的な〈人獣交感術〉の精華として出現したわけではない。

 それはまさしく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」


「霊法光星の征服をもくろむ異星人……よもやそのような存在が実在するのですか……!?」


 通常であれば決して首領の発言の途中で口を挟むような愚挙を犯さぬ女龍氣師が思わず問いを発するほどに、()()()()は衝撃的であったのだ!


 だがお気に入りの部下の不規則発言は恐怖の支配者の心証を害するには至らなかったとみえ、むしろ魔龍皇は興が乗った様子であった。


「ふふふ、霊体はまだしも、肉体を伴って異空間を旅した経験を持たぬオマエたちが驚くのも当然というものだが、されど外星人(それら)は厳然として存在するのだ。


 仮に彼奴らがその気になれば、僅か1日でルヌラリアに再起不能の壊滅的な打撃を与えることすら可能であろう──しかしそれは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……!」


 些かの気負いもなく、されど絶対の確信を込めて表明された自負の念──まさにその刹那、一同は圧政者に対する虐げられし者たちによる命懸けの報復劇と認識していたこの戦いが、王国軍を質量共にはるかに凌駕するであろう邪悪なる侵略者から母なる星を護り抜くための偉大なる聖戦であることを(さと)ったのである!




 






 




 


 




 


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