第21話 平和な生活
眩しい朝日が窓から差し込んでくる。僕はベッドから起き上がり、今日も動き出す。この前家族と再会したものの、長老と摩子とも過ごさなければならないので、3人でとった宿に戻ってきていたのだった。摩子はなかなかの料理上手で、この街に来てからは数日に一度買い出しに行き、いろいろな料理をふるまってくれていた。今日も僕が起きると既に朝食を用意し始めているという素晴らしさ。僕も見習いたいものだ。決して僕が料理できないとか、寝坊しているとかではないのだが…。時刻は午前6時30分。この街にはパン屋が多く、この時間帯から香ばしい香りが街に漂いはじめる。とても優雅な1日の始まりである。
摩子の作ってくれた朝食を食べ、長老は何かを探し求めて骨董品店へ、摩子はデパートや駄菓子屋さんへと出かける。僕は家族のもとへ行ったり、仲良くなった街の子供たちと遊んだりする。
「今日も平和だ。」
ふとそんなことを呟いてしまう。これまでの旅路はいろいろあった。街が消えたり不思議な存在が現れてトンネルを作ってしまったり。そういえばあの不思議な存在はどうなったのだろうか。いつの間にかいなくなっていた。人智を越えた存在だったのかもしれない。ふといろいろ考えながらのんびり過ごしていたのだが、まさかあんなことが起こるなんて…。今はまだ、知る者はいない。
[ゴゴゴゴゴゴ…]
地鳴りのような音が響いた。次の瞬間、一瞬グラッときた。
「地震だ!」
誰かが叫んだ。幸いにも揺れはすぐに収まり、大きな地震ではなかったようだ。けが人もでなかった。




