第20話 そして、再会。
その後、数日歩き続けて目的地の街にたどり着いた。僕たちは各自自由に過ごすことにして別れた。僕は1人で行動することにした。情報が正しければ僕の家族はこの街にいるはずだ。避難生活を送っているとはいえ大分勝手がきくようだ。多くの人々がにぎわい、お店もたくさん営業している。
「すみません、避難してきた人たちがいると聞いてきたんですが。」
店員さんに尋ねてみた。
「ああ、彼らね。ここから少し歩いたところの高台にあるマンションに住んでいるわよ。」
滞りなく教えてもらうことができた。街の人たちとも関係は良好らしい。家族は無事なのか。そして僕が生きていることを知っているのか。まずは会う。そうしないと始まらない。僕は教えてもらった場所に向かって歩き出すのであった。
しばらく歩いていると、丘の上にたくさんの大きなマンションが見えてきた。比較的新しい建物のようで見たところきれいである。人の出入りもある程度あり、とりあえず近くで佇んでいた。
「あら、犬田さんとこの息子さんじゃない。久しぶりねぇ。」
声を掛けられた。顔を上げると、お隣さんの鴻上さんだった。いつも優しく、親切な人だ。久しぶりに知人に会えてなんだかこみあげてくるものがあった。
「どうもお久しぶりです。お元気でしたか?ようやくたどり着くことができました。皆さんにはもう会えないのかと…。」
僕はこれまでの事の経緯を詳しく話した。鴻上さんはとても真摯に話を聞いてくれ、向き合ってくれた。そして、家族のもとへと案内してくれた。僕らは実に半年ぶりに家族全員が再会することができたのであった。




