第14話 開いた城門
「俺たちが門を開ける。ライ、お前は好きなだけ暴れろ」
ドルグは兵を呼び寄せ、城門へ下りる階段を剣で示した。
「わかった!」
ライコはドルグへ返し、階段の方から駆けてくるアインゼル兵へ向き直った。
先頭の兵が盾を構え、その隣から槍が突き出された。
ライコは穂先を剣で払い、盾兵の横へ踏み込んだ。剣を低く返し、盾の下から出た脚を斬る。男が膝をつくと、その後ろから別の槍が胸へ伸びてきた。
ライコは身をずらした。穂先が壁の石を叩く。敵が柄を引き戻す前に、槍を握る腕を斬った。敵兵は槍を放し、傷口を押さえて下がった。
階段へ通じる場所が空いた。
ライコはそこへ踏み込み、城壁の奥にいる敵へ剣を向けた。
「こいつを止めろ!」
敵兵の声に、後ろの兵までライコへ向き直る。その間に、ドルグが自分の小隊を呼んだ。
「俺について来い。門へ下りるぞ!」
ドルグたちが階段へ向かうと、気づいた敵がそちらへ走ろうとした。ライコはその前へ出て、突き出された槍を弾く。踏み込んで剣を振るうと、敵は盾を上げて止まった。
「そっちは行かせない」
敵が階段へ向きを変えるたび、ライコが剣を向ける。ライコを無視して進もうとした兵は斬られ、後ろの兵まで足を止めた。
ドルグの小隊が、階段を下りていく。
城壁の下では、ユリスが後続の兵を送り出していた。梯子の上で兵が足を止め、その下まで列が詰まり始めている。
「上がった奴を左右へ回せ!そこを空けて、次を上げろ!」
城壁へ上がったルミナス兵が、仲間を呼んで左右へ進んだ。敵を押し返すと、その場所へ別の梯子が掛かる。新たに登った兵も盾を構え、次の仲間を迎え入れた。
「取った場所は空けるなよ!後ろも続け!」
ユリスは空いた梯子へ兵を回した。城壁の上に並ぶ味方が増え、アインゼル兵は何か所もの上り口を取り返さなければならなくなった。
◇
階段を下りたドルグたちを、門の守備兵が迎え撃った。
盾と盾がぶつかる。ドルグが敵の剣を弾くと、その横から味方の槍が伸びた。敵が下がった場所へ、ドルグたちは盾を押し込む。
門を守る兵も踏みとどまった。剣を振るい、ドルグたちを階段の方へ押し戻そうとする。
ドルグは盾を前へ突き出し、仲間とともに押し返した。敵を門の前から退かせ、後ろの兵へ振り向く。
「二人、門へ行け!残りはここを押さえろ!」
二人の兵が門へ走った。武器を脇へ置き、太い閂の両端をつかむ。
声を合わせて持ち上げたが、木はわずかに動いただけだった。片方の端が、受け金具に引っかかっている。
「持ち直せ。もう一度だ!」
ドルグが叫んだとき、門の守備兵の一人が、閂を持つ二人へ駆け出した。
ドルグは横から盾をぶつけ、敵兵を壁へ押しつけた。男が剣を振ろうとする。そこへ味方の兵も盾を寄せ、敵を押さえ込んだ。
その間に、二人が再び閂を持ち上げた。
「よし、そのまま!」
金具から端が外れた。二人は重い木を抱え、門の脇へ落とした。
部下たちが敵を押さえているのを確かめ、ドルグは剣を鞘へ収めて門へ取りついた。
兵とともに押すと、扉がわずかに動いた。
開いた隙間の向こうには、ルミナス兵が待っていた。
「もう少しだ!押せ!」
ドルグたちが内側から押し、外の兵が扉の縁をつかんで引く。重い門が、少しずつ外へ開いていった。
「開いたぞ!前へ!」
門の外で上がった叫びは、城壁の上にも届いた。
ライコの前にいた敵兵が、階段の方を振り返る。その隣の兵も、城門へ下りようと足を動かした。
ライコは二人の行く手へ踏み込み、先頭の兵の頭へ剣を振り下ろした。男は盾を上げて受け、城門へ向かう足を止めた。後ろの敵も、ライコへ剣を向け直す。
下では、ドルグたちが門を押し広げた。
ルミナス軍は一斉に街に突入した。
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