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閑話短編 ツクヴァル、実はイケメンだった!?

(へー、この世界にも写真の技術ってあるんだ)


 木箱型の「写影器」と呼ばれるものがあり、前面にレンズ、内部に光を受ける写影板を入れるらしい。

 写影板には、光を受けると性質が変化する錬金素材を薄く塗ってあり、シャッターを開けて数秒~数十秒じっとしていると、写影板に像のもとが焼き付く。そのあと錬金術師が現像液に浸すことで、写したものが浮かび上がるらしい。


 ツクヴァルの部屋を掃除している最中に、いくつかの武器の写真が載ったカタログのようなものを見つけて、少し眺めていたのだ。ツクヴァルは文字が読めないから、おそらく写真だけ眺めていたのだろう。


「だからローロラさんに見せて貰った本にも写真みたいなのが載ってたんだ〜……ん?」


 ぱたぱたと片付けを続けていると、ひらりと何かが落ちてきた。


「あ……これ、昔の同僚の人かな?」


 ツクヴァルと同じうさぎの耳。だけど、白髪で少し細身の男の人が写っている。


「へー……なんか綺麗な人だな……」


 赤い目と白い髪の毛、そしてキリッとした顔立ちにそんな印象を持った。


「んあ? 何見てんだお前」


「あっ……ツクヴァル! ごめん勝手に見て! 片付けてたら、昔の同僚の人っぽい写真が落ちてきて……」


「あぁ?」


 ツクヴァルがその写真を見る。


「ごめんね、もしもあんまり見られたくないものだったら────」


「いやそれ俺だぞ」


 はい?


「……え? けど髪の色とか結構違くない?」


「ラヴィって歳とったら髪の毛黒くなるやついるんだよ」


「なんか顔とかも」


「兵士なりたてで顔に傷ねえからな、そん時は」


 ……衝撃の事実!!!


「これがツクヴァルーーー!!??」


「だからそうだって!!」


 ツクヴァル、実はイケメンだったことが判明する!!


「た、た、た、確かに顔立ちが一緒だ」


「なにひっぱっへんだ!!」


 ぐにぐにとツクヴァルの頬を触って伸ばしたりして写真の人と比べる。

 今のツクヴァルは寝不足やらなんやらでクマがあるけど、確かによく見たら整ってる。


(ナイフ向けられてから印象が最悪すぎたけど、私こんなイケメンと一緒にいたってこと!?!?)


 そう思うとなんか緊張してきた。


 そう、この兼々寛子は……女子高からそのままエスカレーターで女子大へ進学したため、男の人と関わった経験が少ないのである!!


「……ちなみにツクヴァルって今何歳?」


「25くらい」


「歳意外と近い……」


 内心、ふと思ってしまった。

 〝良いな〟と。


(いやいやいやいや、色々助けてくれるバディにそんなこと思うとか最悪!!)


 自分の頬をパァン!! と叩くと「何やってんだお前」とツクヴァルが訝しげな目で見てきた。


「あ、そうだ」


 そしてツクヴァルが何かを思い出したように言う。


「お前さ、棚は別にいいけど……棚の裏見てねーよな?」


 急に、すごく真剣な顔で尋ねてきたから少しびくりとしてしまった。


「え、あ、見てないけど……」


「おう、ならいいわ。そのまま見るんじゃねーぞ」


 それだけ言って「水浴びてくるわ」と言って立ち去る。


(そっか、私勝手に片付けて色々見ちゃってたけど……もしかしたら、ツクヴァルの大切な思い出のものとかあるかもしれないもんね)


 ツクヴァルの過去には色々ある。だからこそ、私もなにか触る時はもう少し気をつけようと反省した。


(エロい本あったんだよな、あぶねー)

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