表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
物語のかけらを集めて  作者: 駒野沙月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/15

遅れて来た梅雨

 閉め切った薄いレースカーテンの隙間から外を覗く。

 朝から降り続いていた雨は、まだ止まない。


 今年の梅雨は、随分と気分屋らしい。もうすぐ7月になろうとしているこのタイミングにようやくやって来た挙句、真夏のごとく晴れ続きだった6月の分を取り戻すかのような勢いでひたすら雨を降らせ続けているのだから。

 季節も順番くらい守ってはくれないだろうか。そんな八つ当たりが、ついつい口をついて出た。


 開けたレースカーテンをまた閉めて、自室を振り返る。

 一人暮らし用のワンルーム。引っ越してから数年、もうすっかり見慣れたはずのこの部屋は、日中であるにも関わらずぼんやり暗かった。

 室内を見回せば、散らかったローテーブルに室内に干しっぱなしの洗濯物、そろそろいっぱいになりそうなゴミの袋なんかが目に入る。

 しかし、結局私がやったことといえば、すっかり自分の匂いの染みこんだ毛布に包まって静かに目を閉じること、ただそれだけ。もはや眠気なんて感じないけれど、それ以外には何もやる気が起きなかった。


 遅れてやってきた梅雨は、私をこの狭い部屋へと閉じ込めた。傍から見ればただのひきこもりだろうけど、別に楽しいものでもない。

 今の私にできることと言ったら、穏やかに降り注ぐ雨の音に耳をすますくらいだ。


 ざあざあ、ざあざあ。

 窓の外では、今も雨が降り続いている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ