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アダムからの招待

 翌日。


 本当にアダムからお茶に誘われていた。


 部屋の扉を開けると夜会の時に助けてくれたアダムの護衛騎士が立っていて、驚きのあまり飛び上がったものだ。


 全く物音も気配もしないのだから、心臓が飛び出るかと思った。


 表情が全く変わらない騎士に案内され、こんな道を私に教えても構わないのかと言うような隠し通路を通ってアダムの待つ場所へ連れて行かれていた。


 無邪気な子供のようにニコニコしているアダムに出迎えられた場所は、王宮のサロンの一つのようだった。


 ここまでは誰にも会っていない。


「ティエラ姉さんを案内してきた彼の名前は、トリスタン。ここには僕と彼しかいないから、秘密は守られるよ。僕も聞かれたら困る事を話すから、安心して」


 トリスタンと呼ばれた騎士は軽く頭を下げてきたけど、またすぐに気配を消して静かに控えていた。


 テーブルの上にはすでにお茶やお菓子が用意されていて、座るように促された。


「それで、話って……」


 ビクビクしながらソファーに座って、早く話してお家に帰してと暗に訴える。


「お菓子でも食べながら、聞いてくれたらいいよ。ティエラ姉さんは、兄さんのお嫁さんで良かったね」


 ニッコリと微笑まれた。


 何で?と視線を向けると、


「ユリウス兄さんは真っ直ぐなところもあるから、結婚当初からティエラ姉さんを利用するだなんて、絶対に思わなかっただろうね」


「アダムなら、あり得るってこと……?」


「さぁ、どうでしょうか」


 ニコニコしながら言われても、怖いだけだ。帰りたい。


「僕自身の為にはあり得るかもしれませんが、でも安心してください。僕の母に売り渡したりなど、絶対にあり得ませんから。僕にも矜恃と言うものがありますので、分別はつけますよ」


 何の保証にもならないーー!!


 利用するって、宣言しているじゃないか!!


「や、やだよ、私、利用されるくらいなら」


「利用じゃなくて、協力してほしいのですよ。ユリウス兄さんの為にも」


「協力?ユリウスのため?」


 ユリウスの名前に釣られているあたり、私もダメだなぁって思う。


「僕と兄さんの父親、国王が病気になった原因は、僕の母親、つまり側妃ベアトリーチェが毒を盛ったからなんだ」


 げー、聞きたくない。


 国王は長きにわたって寝たきりだ。


 意思の疎通は難しく、辛うじて口から物は食べれるとか。


「おっと、姉さんも無関係じゃないよ。その毒を提供したのが、ダンスト子爵家なのだから」


「あー……」


 それはあり得る。


「でも、断罪するにもその証拠がない。証拠の目星はついているけど、さすがに厳重で手が出せない。ダンスト子爵家と側妃をまとめて一網打尽にしたいんだ。今後の国の発展の為にも」


「自分の母親なのに?」


「尊敬できない、人の道を外れた人なら、親とは思えない。姉さんなら、分かってくれますよね?」


「まぁ……うん……」


「僕はお会いした事はないけど、王妃様が生きてくれていたらって思っているんです」


 でも、王妃様、ユリウスの母親が生きていたら、そもそもアダムは生まれていないんじゃ?


 それに、私とユリウスが出会う事もなかったんだろうな。


 理解して言っているのか、アダムは少しだけ寂しげな様子だった。


「でも、ダンスト子爵家を断罪するなら、それって、私もってことになるの?」


 ここは大事だから確認しとかないと。


「そんな事をすれば、ユリウス兄さんを敵に回してしまうから、避けたいかな」


「ああ、リゼットに手を出したら怒りそうだね。子供には罪はないってしてくれるの?」


 一族郎党皆殺しはなさそうで一安心だ。


「何でそこに、リゼットが?……あ、そうか。姉さんは、もう少しユリウス兄さんを信頼してもいいと思うよ。僕の口から言うべき事じゃないけど、待ってて。あっちの事はすぐにどうにかするから」


「何が?あ、うん、分かったよ」


 話が進まないから、とりあえず返事だけ適当にしといた。









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