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ナイショだよ

「それで、ここからが本題だけど、姉さんは、“クロノス“って、分かるよね?」


 自分の命は大丈夫そうだと分かれば、目の前の餌に我慢できるわけがない私は、お菓子を口に入れてもぐもぐしていたので、それを吹き出しかけていた。


 内心焦りまくる。


 何でそれを知っているのか。


 ストップの魔法は、時を司る神、クロノスから力を借りて使うものだ。


 それは、リシュアである私か、ルゥしか知らない事だ。


「詳しいことは言えないけど、神様から力を借りたのは、姉さんだけじゃないってことだよ。神様の力の貸し方は様々で、僕と契約をしてくれた神様はより強力で大きな力を与えてくれているんだ」


 何か、アダムと話すのが怖くなってきた。


 11歳の彼が、妖艶な微笑を浮かべて私を見ている。


 何よ、神との契約って。


 私は、クロノスの気まぐれで、ほんの少しだけ力を借りているだけだ。


 魔法を使う時に一時的にで、自らの能力も必要になる。


「これは、神の存在を知っている姉さんだから話すんだよ?ナイショだからね」


 唇に人差し指を当てて、イタズラっ子のような顔を向けてくるけど、怖いよ、この子。


 誰にも言うなって脅しだから。


「それで、姉さんにやってもらいたい事なんだけど。ここに、薬品リストと毒、取引の記録を保管したものが隠されているんだ。子爵は自らの保身の為に、証拠を残してくれていたから助かったよ。バカだよね。自分の首をそれで刎ねる事になるのだから。で、それを姉さんに持ち出してもらいたいんだ」


 テーブルに広げた見取り図を指差しながら、説明してくれるけど、


「こんな、商会本部の奥とか、私一人では侵入不可能なんですけど!」


 まず、建物に入れてもらえないよ。


「途中まで僕が一緒に行くよ。それで、注意を引き付けておくから、姉さんの時を止める技で鍵を奪ってそこから取り出して持ってきてくださいね」


「簡単に言ってくれるけど、小心者の私にはこんな大それた事はできないよ。それに、ユリウスの迷惑にならない?本当に、側妃とダンスト家の罪を明るみにするだけ?ダンスト家の女が妻のユリウスは大丈夫なの?」


「遂行にあたっては、ティエラ姉さんは意外と肝が据わっているので余裕でしょう。あと、兄さんの心配はしなくても大丈夫ですよ。ユリウス兄さんのこの3年程の功績は、どんなお嫁さんがいても陰ることがないのは、ティエラ姉さんが一番分かっているのではないですか?」


 ニッコリとまた微笑まれるけど……


 うぇぇぇぇぇ


 失敗したら、真っ先に切り捨てられるな、これは。


 帰りたい……


 本日、何度同じ事を願ったことか。


 帰る家なんかないけど、


 家に帰りたい……


「この罪を世に出す時は、まず先にティエラ姉さんの安全を確保しますので安心してください」


「私は、多分、自分でどうにかできると思うけど……」


「いえいえ、そこは協力してもらう上での最低限の義務ですので。じゃあ、行きましょう」


「え?今からなの?」


 アダムはさっさと動き出し、存在を忘れていたトリスタンはその後に静かに付き従っていく。


 さらにその後ろを、慌てて私が追いかけていた。









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