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九十五話 兆候と癒しの闘気術

ちょいエロ注意です

「"幻槍流 刺烈驟雨”!」

スカハの槍術が放たれて迫り来る魔物たちを穴だらけにした。


私はそんなスカハを援護するように矢を放ち的確に魔物を倒していくが、数が多すぎる!


「スカハ!、この数は流石に二人じゃ無理だわ!、一度撤退しましょう!」

半ば悲鳴地味た声を上げてアリスは叫んだ。


「ん、分かった」

スカハは槍を横に薙ぎ払い、魔物を蹴散らすと一目散に撤退した。


「数が異常、やっぱり"魔物暴走(モンスターパレード)”の前兆?」

スカハが槍を消して駆けながら聞いてきた。


現在テュリスの森の異常を調べる為に踏み込んだアリスとスカハは入って数分で通常では考えられない数の魔物と交戦したのだ。


「その可能性が高まってきたわ、この数はおかしいもの、合流地点へ急ぎましょう」

アリスがそう言った瞬間、ドンッ!という爆発地味た音が聞こえた。


「止めろ!」

音を辿り森を抜けた先にいたのは倒れ伏した《疾風》の冒険者たちとリーダーのマーク、そして彼らを潰そうとする巨大な魔物、スカハは槍を素早く顕現させ投擲した。


「ぐぉぉぉぉ!!?」

スカハの投擲した槍が一撃で魔物の胸を貫き倒した。


「無事かしら!?」

アリスは弓を顕現させたまま冒険者たちに近付いた。


「あ、ああ、大丈夫だ」

返事をするマークの声を塗りつぶすように魔物の咆哮が轟いた。


「あれは…!」

アリスが反射的に弓を構えると、半円状にこちらを取り囲む森狼(フォレストウルフ)の群れが居た。


普段なら取るに足らない相手だが怪我人が大勢居る状況で多数の森狼に襲われれば全員を守りきれない。


アリスがそんな思考に到達するのと同時に森狼たちが襲いかかってきた。


「"氷よ・広がり・凍てつけ・凍氷扇波(ブルーウェーブ)”」

巨大な魔物に刺さっていた槍が一人でに抜けてスカハの手に収まり、スカハが紡いだ魔法と左右に振った槍で半円状に展開していた森狼は全て氷像と化した。


「凄い魔法、、っ!、そうだ!、仲間は無事なのね?」

スカハの技量に感心していたアリスは弾かれたようにマークの方を向いた。


「ああ、全員生きている」

マークの言葉にアリスが胸を撫で下ろすと、槍を下ろしたスカハが口を挟んだ。


「なら早く撤退した方がいい、怪我人を抱えては戦いの邪魔だし、アリスと私の魔力もいつか尽きる」

スカハの現状確認の言葉にアリスは頷きマークに向き直った。


「重傷者はいるかしら?、みんなが動けそうなら早く移動した方がいいわ」

「大丈夫だ、お前ら怪我が痛むだろうが先ずはこの森を出るぞ」

マークはパーティーのリーダーらしく仲間に声を掛けて立ち上がらせた。


「まさかこれがテュリスの森なんて言わないわよね?」

移動する最中アリスはマークにそう声を掛けた、マークは仲間を気遣いながら答えた。


「そんなわけないだろ、今のテュリスの森は異常だらけだ、普段出てこない二級危険種が出てきたり、尋常じゃない数の低級危険種と遭遇するなんてな」

「貴方のところも同じ感じだったみたいね、経験から言うけど確実に"魔物暴走(モンスターパレード)”が起こるわ」

「君は"魔物暴走(モンスターパレード)”を経験したことがあるのか?」

マークの問いにアリスは頷いた。


「ええ、二年前帝国西部の魔物暴走に遭遇したわ、あの時も同じ兆候があったわ、だから絶対にダリスに戻ってギルドマスターに報告するわよ」

当初に抱いた予感が当たったことにアリスは自身の不運を呪いたくなったが不毛なので一先ず(かぶり)を振って頭を切り替えた。


しばらく歩き森を抜けて合流地点に到着すると疲労困憊といった様子の《雷の戦鎚》の冒険者たちが見えた。


「お前ら!、無事だったか!」

大声でそう言うガンツも防具や全身に傷を負っていた。


「こっちは何とか大丈夫よ、そっちもなかなか酷かったみたいね」

アリスが疲労困憊といった様子で地面に座り込む《雷の戦鎚》の冒険者たちを見て言うと、ガンツは後頭部を掻きながら言った。


「ああ、今のテュリスの森は普通じゃねぇ、異常な数の低級危険種に普段はいない上級危険種、ギルマスに報告しねぇと行けねぇな」

「絶対に"魔物暴走(モンスターパレード)”よ、最悪街から逃げないと行けないかもね」

「その心配は無い」

断言するスカハに冒険者たちが呆れたような視線を向けると、気にせずスカハは歩き出してしまった。


◆◆◆◆


街へと帰還したアリスたちはすぐさま冒険者ギルドに向かい、テュリスの森の現状をギルドに報告した。


「街を守るか、ここを捨てるか、だな」

全ての報告を聞いたギルドマスターは腕を組んでそう言った。


「防衛戦をやるなら"魔物暴走(モンスターパレード)”の原因も魔物を倒さないと街は持たないわ」

「ダリスの冒険者全員が街の防衛に当たってもいいけど、原因の魔物も討伐しないといけない、戦力をどう分散させるかが大事」

アリスが進言しスカハが戦略を口にするとギルドマスターのバレンはポカンとした顔つきでスカハを見た。


「何?」

「いや、戦略を立てられる冒険者がいるとは思わなかっただけだよ」

冒険者には基本的に学がない者も多いので戦略を口にしたスカハにバレンは驚いたのだ。


「協議はこっちでやっとくからお前らはとりあえず休め、帰り際報酬を受付で受け取るのを忘れるなよ」

バレンの気遣いの言葉にアリスたちは感謝するのだった。



アリスとスカハがギルドを出て宿屋に着く頃には既に日が落ちて月の光が街を照らしていた。


「ただいまー」「ただま」

アリスとスカハが声量を落として部屋に入るとベッドで眠るメリアと輝夜、そして窓際に居るアレスが目に入った。


「お帰り二人共」

アレスは二人に気付いて振り返り労い言葉を発した。

それを聞いた二人はアレスの労いの言葉で疲れがドっと押し寄せて、アレスに抱きついた。


「疲れたわー」「疲労困憊」

「ーみたいだな、何があったのか聞いてもいいか?」

アレスの言葉にアリスは森であったことと"魔物暴走”のこと全て話した。


「"魔物暴走(モンスターパレード)”、俺はとことん騒動に巻き込まれるな」

アレスはそれを聞いて、何と頭を抱えてしまった、しかし悩んでいるのは自分の不運についてだ。


「メリアとのデートは中止かー、恨むぞ魔物」

小さく毒を吐くアレスにアリスはクスッと笑いを零した。


「"魔物暴走”と聞いてそんな反応する人は初めてだわ、やっぱりアレスは違うわねー」

「そんなことよりもアレス、私頑張った」

スカハが頭をズイっと差し出してきた、アレスは苦笑を浮かべつつもスカハの頭を撫でた。


「魔力も沢山使ったし疲れた」

「私も久しぶりに沢山の魔力を消費したわ」

「それなら"バハムート流”の癒し術を受けてみるか?」

アレスはアリスとスカハから移動してベッドに腰掛けた。


「"バハムート流”の癒し術?」

「ああ、内側の闘気を活性化させて身体の治癒力を上げる術だ」

俺は二つのベッドを叩いて、二人に寝転がるように促した。


二人は不思議そうな顔をしつつもアレスに従いベッドに仰向けに寝転がった。


「魔力に慣れた二人でも戦闘で消費した今なら多分出来る筈だ」

アレスは両手をアリスとスカハ、それぞれのお腹より少し下の位置に手を置いた。


「ここに意識を集中させるんだ、魔力とは違う別の力が感じられる筈だ」

俺は言いながら両手から闘気を二人にゆっくりと流し込んだ。


「んん、くすぐったいわ」「何かが入ってきてる」


「俺の闘気を流してるんだ、闘気同士は同調し合うから俺がここのまま流し続ければアリスとスカハも少しずつ感じられるようになってくる」

俺は二人の丹田を意識して目を瞑り闘気を流した。


「んんんんっ!!!??」「んっ!!!???」

二人の身体がビクンと反応した。


「安心してくれ別に痛くはないからな」

「あのアレスこれは痛いと言うより…んっ!?!」

「アレス待って、これは…あっっ!!!」

二人が何か言った気がしたが集中していた俺は聞き流した。


「闘気を全身に巡らせて身体能力を強化するのがバハムート流の初歩だからな、癒し術もその一つなんだ、俺はそこまで得意じゃないけど歴代のバハムート当主ではどんな大怪我でも治せた人も居たみたいだぞ」

アレスが何やら説明していたがアリスとスカハはそれどころではなかった。


「(アレス何か勘違いしてるわ!?、全身が愛撫されているみたいで気持ち良すぎるぅ!!!?)」

アリスが起き上がろうにも活性化し始めた闘気が全身を駆け巡り、力が抜けて起き上がれなかった。


「(アレスの闘気と私の闘気が同調しすぎて感覚がより研ぎ澄まされている、それにアレスが触ってるのは…)」

スカハが快楽に抗って顔を上げるとアレスはお腹の少し下に手を置いていた。


「(そこは丹田もあるけど女の大事な器官もあるから…)あっっ!!!??」

スカハとアリスは闘気により研ぎ澄まされた感覚と女性の感覚の中心部たる箇所を闘気が強化しているせいで全身を津波の如く快楽が襲い、ぐもった声しか上げられずアレスのされるがままになった。


「ふう、こんなところでどう…!?」

アレスは闘気を流すのをやめて目を開け、目の前の惨状を目にした、しどけなくだらしない顔でベッドに横たわる二人の美少女の姿を。


「あ、アレス、やり過ぎよ」「あ、アレスのバカ」

色気を全開で浅く息をしていた二人はそれだけ言うと意識を手放した。


「これからは癒し術は封印するか、いやでも…」

アレスは二人を見て癒し術を封印するかしないか大きな葛藤に晒されるのだった。



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