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空に墜ちる -帰投は迷い家のあとで-  作者: 琉斗六


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8/17

2-3:ウロ

「日が完全に暮れる前に、今夜の宿を決めておきたいな」

「こんなイノシシが出ますもんね」


 焚き火を片付け、解体したイノシシは真壁がホエールで収納し、二人はマップを眺めた。


「ここに、ちょっと一本大きな木がありますね」

「そこにウロでもありゃいいが……」

「僕が守さんを抱いて飛べないかな?」

「俺から射出するのに、どうやって抱いて飛ぶんだよ?」

「飛んでから、ラインを下ろすのどうでしょう?」

「やだ。綱一本で音速とか、ぜってー無理」

「じゃあ、ラインを僕が持って、守さんはキャノピー側に乗るのは?」

「怖すぎんだろ、それっ!」

「スキル:ブラックホークとかあればいいのに……」

「ヘリでもヤダ」


 軽口を叩きながら進むと、足取りも軽い。

 目的の木は、傍まで行くとかなり大きかった。


「すげぇな。縄文杉よりデカくね?」

「ウロもありますね。……あ、中広い!」

「莫迦! 中に変なものがいないかどうか、確かめてから覗け!」

「なんにもいません。……でも、そうですね。次から気をつけます」


 ウロの中は広く、床がふかふかしていて、なまじなテントより快適だ。


「入口にパラシュート下げて。外敵の侵入を防ぐ……」

「え〜、床に敷いて寝たほうが良くないですか?」

「なら、半分に裂くか……」

「じゃあ、端っこ切りますね」

「おいおい、木っ端微塵とかにするなよ」

「任せてください!」


 ピリッと端が裂ける。

 二人は、その裂け目を掴んで、左右に引っ張った。

 パラシュートが見事に二つに裂ける。


「ラインで入口に固定して……」

「僕、寝床作りま……」


 ふらあ……となった真壁が、そのままパラシュートの生地を持ったまま床に倒れ込む。

 190センチの大男が倒れたはずなのに、聞こえた音は〝ぽてっ〟だった。



UH-60:汎用ヘリコプター、愛称はブラックホーク。

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