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空に墜ちる -帰投は迷い家のあとで-  作者: 琉斗六


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10/18

3-1:二日目

 朝、真壁はパラシュートのカーテンの向こう側が明るくなったことで、目を覚ました。

 若桐の腕が、小さな自分の体を抱いている。

 その匂いと体温に、このうえもない安堵を覚えた。


「なんだ……? あたたたたた……」

「どうしました?」

「あ〜、いや、えっと……?」


 キョロキョロと周囲を眺めて、若桐は改めて状況を把握し直したような顔になった。


「そういや、なんかおかしいところにいるんだったか……」

「どこか痛いんですか?」

「いや〜。この年になると、ベッド以外のトコで寝ると、節々がなぁ……」

「まだ40前なのに……」

「おまえみたいな、ぴっちぴちの20代とは違うんだよ」


 よっこらしょ……と言いながら立ち上がった若桐は、うんっと体を伸ばしてから、未だパラシュートの布に包まれたままの真壁を見下ろしてきた。


「また、ちっこくなったな。……シンデレラみたく、時間で……じゃなくて。おまえの魔力残量ちゅーので、大きさ変わるのかもな」

「なぜ、そう思うんです?」

「昨日、おまえがなんか技を使うたびに、ちょっとずつ大きくなってた気がしたんだよ。あれ、たぶん気の所為じゃないんだと思う。昨晩、おまえが倒れた時、警告アラートが出たし」

「でも、久しぶりに守さんとゆっくり夜を過ごせて、楽しかったです」

「莫迦……」


 熱い抱擁を交わせる機会は、付き合いを秘密にしている二人には貴重な時間だ。

 早い頻度で月に一度。

 休みが合わなければ、間がどんどん長くなるのが常だった。


「体、守さんが綺麗にしてくれたんですか?」

「いつもと違って、ちっこくなってたから、拭くのは楽だったぞ」


 (ひたい)にキスを落とされて、真壁はくすぐったげに顔をしかめる。

 若桐はカーテンを開いて、外に出ていった。

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