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「村長お話があります」
真っ直ぐとしたその瞳は何かを決意したかのように真剣だった。
私は決めたんだ、夏樹さんと一緒に旅すると。
夏樹さんは確かにあの時言った、「自分はそろそろ」とあの言葉の続きは恐らく旅に出るとの事だろう。
そんなのは嫌だ、私は夏樹さんとは離れたくない、何でかは分からないけど私の胸が夏樹さんの事を思うほど痛くなる、苦しくなる。
多分夏樹さんが何処かに行ってしまう事をこの心が拒むのだろう。
本当にどうしたんだのだろうか?
盗賊に襲われてるとこを助けてくれたから?
それとも皆が夏樹さんの事を尊敬してるから私もそれに釣られていると言うこと?
いや、そんな事はない、これはそんな甘い事出はない、だってただ釣られているだけなら心なんて痛くなるはずないもん!
本当に何だろうこの心のもやもや感は、恐らくこのもやもや感を探り旅をするきっかけもあるかも知れない。
でもそれ以上に夏樹さんとは離れたくない、だから私は夏樹さんと旅をしたいのだが。
村長はそれを許してくれるだろうか?
「話か、まぁお前の考えている事は大体分かっていたがな」
えっ!? 村長は私の話したいことが分かっている! どうして、私はまだ誰にも夏樹さんについて行きたいと話していないのに、流石は村長です、全てはお見通しと言うことでしょう。
「永良と伴って行きたいのだろう」
「……はい」
思わず返事が小さくなった。
別に村長に張れていたこと出はなく、永良と聞いた瞬間に勝手に体が火照りつい俯いてしまったのだ。
それを見た村長はニヤニヤと笑みをみせはじめたが何か嫌な笑いだ、まるで昔お兄ちゃんと手を繋いで散歩してた時に大人達が嫌な笑いを見せられた、それと同じだ、何なんですか私をまだ子供扱いでもしてるんですか!
私が内心でプンスカ怒る、でも村長ははぁと溜め息を吐いて私の予想外の返事が帰ってきた。
「いってこい、それがお前の思う気持ちなら俺が断る理由がない」
村長も何時の間にか真剣な眼差しに変わっていた。
私はゆっくりと笑みを見せていき、拳を強く握ると同時に深く頭を下げる。
「ありがとうごさいます!」
「うむ、だがな旅すると言うことは危険を伴うと同じだ。見ての通りお前は獣人族、何が起こるか分からない、それでも行くのか?」
「はい!」
「そうか、なら永良について行けばいい」
にぃと笑顔を見せて、私は夏樹さんのいる所へと足を運んだ。
「ふむ、テイラが居なくなると寂しくなるな、ナグ」
「ああ」
村長の座っている後ろから現れたナグ、表情は寂しそうだがそれでもテイラが自ら進んで選んだ道を少しながら褒めている。
「良かったのか、テイラはお前の大事な妹だろう」
ああ、確かにテイラは大事な妹だ、だからこそ俺は妹の好きなようにさせて幸せになってほしい。
それが俺の思う気持ちだ
「あれ、絶対夏樹に惚れてるよな」
「だな、あいつ永良と俺が言葉走っただけで顔を赤くしたぞ」
「はは」
「…大丈夫か? 顔が凄いひきつってるけど」
ん? そんな表情をしてたか、おかしいな、覚悟は決めてたんだけどな、あいつが宴会の時からもう異変に気づいてまさかと思って覚悟したんだけどな、テイラが生まれてきた頃から一緒にいることあってやっぱり可愛い妹がいなくなるのはやはり寂しい。
「だぁぁぁ! ちょっと散歩してくる!」
「お、おう」
もやもやした思いを消すため俺は外へとでた。
***
ペラペラとページをめくり、内容を睨む蛇見たいに鋭い目付きで本を読み、時々目が疲れたのか目を瞑り安らぐ。
その時に感じる微風が夏樹の肌に感じて、気を取り戻してまた本を睨む。
そこでふと覚えのあるが聞きたくもない声により夏樹は本を読むのを止めた。
「どういう風の吹き回しですか?」
そう、神である。
「うるせぇよ、ただ内容が気になったから読んだだけだ」
それにと続き夏樹は話を進める。
「ダチと雪野のいる所へ早く帰る為の近道だから読んだ、実際よくこの世界のこと分かってきたし」
「うむ、関心関心」
「お前は先生か!」
「はい、O→酸素、H→水素、分かります?」
「俺は小学生扱いか!?」
いや、奴のペースに乗るな、本に集中しよう…がある程度わかったんだよ、まぁ一番重要なのは二つあるが、1つ目、ここ最近世界では領土の争いが始まっている。
原因はまぁ大体人間の考えることはよく分かるわな、ただの自分の欲を満たして街を大きくしていき、金持ちになり、ウハウハしたいだけらしい。
まぁ街には個人差があるが。
それで分かったんだがノーリック王国はどうやらかなりの経済をほったらかしにしているらしい。
当然そんな事になっているのなら民はその国から逃げたいだろうが国王がそれを許さない、なぜなら民が減れば他国からの目線が痛いだろう。
それに逃げようとしても民は税金によってお金がない、お金がないイコール移住ができない。
そんな奴がなぜ国王になれたのか、答えは簡単で先代の国王もかなり腐っていたからだ。
二人は親子で死んだ先代に受け継ぎ、また腐った奴が国王、そして子供を産み、国王が死んで、また国王の子供が受け継ぐという言わばループである。
遺品もある国王は正にウハウハな生活を送り、地も涙も無しに民を捨てているとのことだ。
金持ちの国は当然雇う騎士も強く、領土を広げている。
ちっ、滅びればいい。
とまぁこんな1つ目の話より次の話のほうが俺にとっては最も重要。
二つ目はこの世界に宗教があるということ。
そいつらが主に俺が倒す目標である組織、奴等は上手いことにこの世界のお偉いさん、つまり国王や大臣等に口車を乗せ、徐々に国を乗っ取る、何が目的なのか全く分からない。
いや、魔王を復活させるのは分かるが何故そんな回りくどい事をしているのかはこの本には載っていない。
これはあくまでも俺の考えだが魔王を復活させるのは民が鍵になっていて奴等は恐らく民への声援が必要なのだ、国王を悪い方に乗せて徐々に国を潰す、当然国がそうなれば革命と言う言葉が起こり、その隙に奴等は国王の座を奪うと、でもそうなると相当な手慣れをしている。
たくっ、めんどくせぇけど俺の課題ができた、目指せノーリック王国だ、彼処が経済を回していないと見れば当然奴のいる可能性があるからな。
すぅと立ち上がると同時に本を閉じる。
「よし、いくか!」
大きく伸びてそういう。
別れは…いいな、湿っぽいの嫌いだし。
と言うことで門まで足を運んだんだが。
「何故にテイラがいる」
夏目が細い目をして言うと、テイラはもじもじして言い返す。
「あ、え~と、私もついて行こうと思いまして」
「あ、そう、いいんじゃね」
じゃあ行こうぜというが、余りにも疑いなしの回答にキョトンとテイラは立つ。
「どうした?」
「あ、いえ、行きましょう!」
頭をふりテイラは夏樹について行ったのであった。
だがその後ろに怪しい影もついて来ていることに二人はまだ気づいていない。
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