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記憶が戻ったら、断罪が確定していました。婚約破棄は受け入れますから重労働や死罪は勘弁して下さい  作者: 九幻琴


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7.お母様に婚約解消の提案をされましたわ

 今日は記憶が戻って初めてのお休みです。


 陰からの報告によると、ヤンセン様は上手くやったみたいだわ。

 しばらく会話した後、二人で先生の所に行って、荷物を2人で持って帰って来たみたい。

 先生に呼ばれて行った時にイベントがあったはずだから成功ね。


 東の森のイベントも順調なようだわ。

 この前はミリアナが差し入れを持って行ったけれど、順番を待っていた子の差し入れの方を受け取ったそうだから。

 二人で甘いムードは無さそうね。


 そういえば、東の森の鍛錬は、女生徒も良くやって来ると言う事で、見回りを兼ねたランニング部隊もできたようだわ。

 迷子や不埒な行いに効果的で、治安も良くなっているみたい。


 エーリング様については何も報告が無いのだけれど、妖精の森に近づいたという報告もないから、問題ないのでしょうね。




 今週の結果を思い返していると、侍女がお母様からのお茶会の誘いを持ってやって来ましたので、承諾のお返事をしましたわ。


 そのままお母様の所へ行って、お茶会を始めます。

 相変わらず上品なしぐさですわ。薄い栗色の髪を片側に流しています。隣に並んでも、親子とすぐには分からないのですわ。私、父親似ですのね。

 あ、このお茶おいしいわ。


 「イザベラさん、どうされましたの。」


 お母様が心配そうな様子で聞いて来ます。

 おかしいですわね、何もありませんし、どこも悪い所はありませんのに。


 「変わりなく、健やかにしておりますが、お母様、どうかなさったのですか。」

 「いつもの様にお話してくれないわ。」


 いつもの様に……あ、前世を思い出す以前のお話ですわね。何を話していましたかしら。


 「いつもは、アレクサンドル様の事を沢山話していたのに、今日は全然話してくれないわ。」


 あ、あー怒涛の如く最近のアレクサンドル殿下の事を話してましたわ。


 「実はアレクサンドル殿下に興味が無くなったと言いますか、愛情が消えてしまった様なのです。」


 「えっ? あんなにお慕いしていましたのに、何があったのですの?」


 「いえ、何かがあったというよりも、ある日ふっと、他の方と仲良くするアレクサンドル殿下を見ていましたら、なんでこんな人の事をあんなにお慕いしていたのかと、すっとまるでつきものが落ちたように冷めまして。」


 前世の記憶が流れてきて冷めたとは言えませんわ。


 「まあ、アレクサンドル様の浮気を見て。それはつらかったわね。」

 「いえ、冷めてしまったので、つらかったりは「いえいいのよ我慢しなくて」はい。」

 「もう未練はないの?」


 お母様が、じっと私を見ています。


 「はい、もう未練も何もありません。」


 お母様を、見返しながら答えました。


 「そう、ならいっそ、婚約も解消しちゃった方が良いわね。」

 「はい。そうなれば嬉しいのですが……出来るのですか?」


 出来るならお願いします。婚約破棄回避ですわ。


 「そうね、お父様に聞いてみないと判らないけれど、相手の不実が理由ですもの。交渉は出来るはずよ。」 

 「ではお願いします。お互いに相手を望んでない状態では、不幸になるだけでしょうから。」


 これ以上ない仮面夫婦ですからね。


 「ええ、任せなさい。」


 お母様は満面の笑みで請け負って下さいました。


 「それからイザベラさん?」

 「なんでしょうか、お母様?」


 今度は何でしょう?


 「他にも悩んでいることが有れば、相談してくださいね。私達はいつでもあなたの味方なのよ。」

 「はいお母様。」



 有難うございます。



   ◇◇◇◇◇




 お茶会の後、お庭でゆっくりしてます。


 こんなゆっくりした時間を持つのも久しぶりですわね。


 今週の忙しさは特別でしたけれど、これまでのお休みもゆっくりはしていませんでしたわね。

 アレクサンドル殿下に会うために、お城へ突撃していましたわ。

 ほとんど会うことは出来ませんでしたけれど。


 婚約者としてたまにお茶会をしていましたが、私が一方的に話すのをアレクサンドル殿下が笑いながら聞いてくださいました。

 今思い返すと、あれは作り笑いでしたわね。

 あの頃のイザベルはそんな事にも気づかず、アレクサンドル殿下も楽しんでいると思っていましたのよね。


 会話も思いも一方通行で、傍から見ればどんなに滑稽だったのでしょう。

 ずっと道化芝居をしていましたのね。


 それを正規の手続きで終わらせられるのならば、それに越したことは有りません。

 さっさと、茶番劇も無く、お互い望む方向に進めるのであれば……


 「あら、お兄様?」


 向こうの方から、シュテファンお兄様がやって来ます。

 あ、目が合った……と思ったら、眼鏡をクイッと持ち上げた後、踵を返して離れていきましたわ。


 納得の行動ですわね。


 私を嫌い、私をかわいがる両親を嫌って、家を乗っ取る。

 それがシュテファンルートの目標です。

 私など見たくも無いでしょうね。


読んでいただき有難うございます。

もしも少しでも面白いと思っていただけましたら、

★を少しでもいただけますと、喜びます。

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