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記憶が戻ったら、断罪が確定していました。婚約破棄は受け入れますから重労働や死罪は勘弁して下さい  作者: 九幻琴


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18/24

18.マイケル様は婚約者と仲睦まじいですわ

 「よっ、相変わらずだな。」


 そこには相変わらずの挨拶をする、イエンセ様がいた。


 「イエンセ様は少し早いですわね。」


 宝石を持ってくる時期には相当早いはずです。

 いつもの様に飲み物を持って、私の向かいに座ります。


 「あのメタルホーク使い易いな、売り出さないか?」

 「では30%で。」


 想定内だったので、マージンだけ提示しますわ。


 「大きく出たな、1%。」

 「売りたいと思うくらい使い易かったのでしょう?29%。」

 「使ってみればな。買ってみなけりゃわからん。2%。」


 まあ、そうなんですけど。


 「正式な書類にも使えますし、羽ペンよりは持ち運びしやすいですわ。28%。」

 「インク壺は持ち運びしにくいぜ。3%」

 「珍しいものを買う人はいません? 27%。」

 「どんなものにも一定人数はいるが、それだけだ。4%。」

 「むむむ。」


 もう思いつきません。頭を抱えて蹲るのはイエンセ様のポーズなのに。


 「難しいよな、ところでこの、軸の根元の部分が妙に膨らんでるのは何か理由があるのか?」


 「折角メタルホークと鷹の名前を付けているので鷹の頭に似せてみたのですわ。」


 そうしたら持ち易く、書き易くなったのですわ。


 「ふ~ん。いっそ色を塗って目も描いたら面白そうだな。」

 「本物のメタルホークですわね。いっそほかの鳥も作ってみます?」

 「いいな、鷲や隼もかっこよさそうだ。」

 「白鳥や燕も良いですわ。」


 ハチドリ、雀、メジロ、雷鳥、シマエナガ……いろいろ思いつきますけど、この世界には居ますかしら。


 「いっそ『メタルバード』として別枠で展開するか?」

 「いいですわね、割合はメタルホークと一緒で良いですわ。」

 「おい、メタルバードの方が手間がかかるんだぞ。」

 「値段に載せないのですか?」

 「そう簡単に上げられるか。」

 「それでは仕方ないですわね、20%。」


 趣味なら高くできるかと思いましたのに。


 「細かい絵付けの手間なめてないか? 1%」

 「手間がかかりますのね、19%。」

 「一つ一つ恰好を起こさないとな、頭の形だって違うだろ?2%」

 「軸の形から変えますのね、14%」


 変えないと隼も鷹も同じになりそうですものね。


 「鷹のくちばしした白鳥はかわいくないぞ3%」

 「ですわね、真ん中の切り込みと丸は変えないで下さいね、文字を長く書けなくなりますわ。9%」


 あの隙間と丸でインクを保持していたはずです。


 「他にも気を付けるところはないか?4%」

 「紙につく所は尖らせないと、細い文字が書けませんわ。8%」


 いくら丸いくちばしがかわいくても、ペン先は尖っていないと。


 「文字にならないと話にならないからな。他には? 5%」


 何かあったかしら。ええと。


 「思いつきませんわね。7%」

 「んじゃ7%でどうだ?」

 「良いですわ。」


 二人で握手をしましたわ。


 「メタルホークは12%くらいか。兄貴には渡してないんだな。」

 「あ、お兄様も使うことが多そうですわね、忘れていましたわ、12%で。」


 もう一度握手をしました。


 「お前の兄貴が使えば、十分売れるだろう。」

 「お兄様を広告塔に使うつもりですの?」


 「広告塔の為にわざわざってわけじゃないぜ。なんで兄貴に渡してないのか疑問に思っただけだ。ま、あんたの兄貴なら一度は使ってみるだろうし、使ってみれば使い続けるだろ、あれは便利だぜ。」


 「そうだと思う事にしますわ。あんな便利なものを、兄様にだけ渡していないのは悪い気がいたしますし。」

 

 「そうしてくれ。文具の広告塔としてはお前の兄貴に叶う奴はいないぜ。『シュテファン様の使っている上級植物帳』や『シュテファン様の使っている下敷き』を名指しで注文してくる。」


 「下敷きは良いものだと思いましたけれど、あの上級植物帳を好んで買う方がいらしたんですか。」


 安めの本よりもごつくて高そうなのに。


 「『シュテファン様』が使っているからいいみたいだぜ。」


 お兄様効果恐るべし! ですわ。





   ◇◇◇◇◇





 「「キャー」」


 放課後は東の森に来ています。

 もちろん例のショールは羽織っておりますわ。外に行くときは丁度良いのですの。


 「「キャー」」


 「イザベル。」


 「「「「「キャー ヒルダ様ー」」」」」


 「ヒルダ。」

 「来てくれてありがとう。」


 ヒルダに近づきました。


 「こちらこそ、誘ってくれてありがとうございますわ。」

 「ちょっと賑やかだけど、見て行ってくれよ。」

 「賑やかさも一緒に楽しみますわ。」

 「ハハハそうしてくれると嬉しいよ。それ、今日はショールの上につけてくれているんだね。」


 ヒルダからもらったブローチを指しています。もちろん着けて来ますわよ。


 「制服に付けると見えませんもの。目立つところに着けますわ。ヒルダこそ、着けて下さってありがとうございますわ。」


 ヒルダが剣につけているチャームを指さします。


 「当然だよ。親友がくれたお守りをつけなくて、何をつけると言うんだい。」


 そう言って、私がプレゼントしたチャームをつけた剣を挙げてくれます。


 「恋人からのプレゼントとかかしら? 婚約者様が悲しまない?」

 「いや、僕がプレゼントした髪飾りもつけてくれてるから平気だよ。」


 「「キャー マイケル様ー」」


 マイケル様がやって来て下さいましたわ。


 「髪飾り、可愛くて、ヒルダにとても似合っていますね。」

 「ありがとう、可愛いものが好きだと言ったら、マイケルがプレゼントしてくれたんだ。」


 「「「「キャー」」」」

 

 そういいながら頬を染めてマイケル様に寄り添っています。マイケル様もまんざらでもなさそう。


 「マイケル様、とても良いセンスをしてらっしゃいますね。」

 「そうかい、手に取った時に、ヒルダに似合いそうだと思ったんだ。」


 「「キャー」」


 そういいつつ、ヒルダの方を見ます。ヒルダもマイケルの方を見て、お似合いですわ。


 「それで、マイケル様、こちらへいらっしゃったご用件は?」


 うん、このまま二人ののろけを聞いていると胸焼けしそうですわ。


 「いや、ヒルダがいたから来たんだけど。あ、ヒルダ、手合わせしないか?」

 「そうだな、イザベル見ててくれ。」

 

 そのまま二人は広めの場所に向かい、剣を構えました。

 そして始まる剣戟、息が詰まります。

 十数合も打ち合ったでしょうか、マイケル様の剣を受け損ねて、ヒルダが剣を落としてしまいました。


 「(ハァハァ)負けた。」

 「紙一重だよ。」


 マイケル様が落とした剣を拾い、ヒルダに渡しています。

 絵になるお二人ですわ。


 「(パチパチパチ)お二人とも素晴らしいですわ。」

 「それほどでもないよ。」


 マイケル様が頭を掻きながら、答えて下さいます。

 

 「ヒヤリとしたところも多かったから。まだまだ練習しないと。」

 「ならば、私はその倍は練習しないと追いつけないな。」


 後ろからヒルダがニヤリとしながらいいます。


 「それじゃ俺が負けっぱなしになるじゃないか。」


 マイケル様もおどけながら言います。


 「お二人とも仲が良いですわね。」


 「そうだね、あ、イザベル、他の騎士たちの所も回ってもらえないかい? イザベルが来ると聞いたらみんな張り切ってね。いつもは来ない奴らも来ているんだ。」


 「一目だけでも、見ていただけるかもっていってたな。」


 「それでは見て回らない訳にはいきませんわね。他の皆さんを見て回ってから帰ることにいたしますわ。」

 

 それでは一通り見てから帰ることにしましょうか。応援の皆様は沢山いらっしゃるのですけれど、私一人でどう変わるのかしら。


読んでいただき有難うございます。

もしも少しでも面白いと思っていただけましたら、

★を少しでもいただけますと、喜びます。

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