13.12月24日に学園の皆様に贈り物を送りますわ
そしてあっという間に12月24日贈り物の日ですわ。
今日を過ぎたらお休みで、皆様方とも出会えなくなりますもの。
最後の日を楽しまなければ! さあ贈り物を配りますわよ。
今日は授業も有りませんし、先生方も大目に見て下さります。
人によっては先生方に贈り物を配ってますし、お祭りですわ。
と言う訳で、まずはいつものお友達の皆さんに配りますわ。
「皆さま今年も有難う。つまらないものですが、皆さまに。」
一人ずつ香り袋を配りますわ。小さなものですけれど、数が有るので袋が一つ一杯でしたの。
「イザベル様、いつもありがとうございます。私が焼きましたクッキーですわ。」
そういいつつクッキーを皆様に配っています。おいしそうですわね。
「まあ、ミーナ様。差し入れ班の中でも12を争う腕の持ち主ですもの、食べるのが楽しみですわ。」
「香りだけでもおいしそうですわね。」
「こちらもどうぞ、肌触りの良いマフですの。」
「あら、イラナ様、体の方は良くなりましたの?」
「ええ、おかげさまで、差し入れも出来る様になりましたわ。」
「まあふんわりして柔らかいですわ。さすがあの肌触りのタオルを選ぶだけの事は有りますわ。」
「本当に、ずっとしていたくなりますわ。」
「こちらもどうぞ、贈り物の袋ですわ。」
「あら、有難うございます皆様の贈り物が入れられますわ。」
「被ってしまいましたわね、私も袋にしましたの。」
「エミリー様のは小さいですがお出かけに持っていきたくなりますわね。」
「こちらには小さい物や、食べ物を入れて、他のものはこちらに入れましょう。」
「良いですわね、分けられて助かりますわ。」
皆さまで贈り物の交換会ですわ。私もいろいろと貰っております。袋が流行っているおかげで、今年は持って帰るのが楽になりそうですわ。
「これで大体皆さんの贈り物は回りましたかしら。」
「ですわね、それでは来年。」
「来年またお会いしましょう。」
さあ、他の方に配って回りましょう。
「あの。」
「ラブース様、どうされましたの?」
後ろからラブース様に呼び止められました。
今日はびくびくしていませんわ。以前よりちょっとお顔も上がっているみたい。
「これは、私達からの贈り物です。夜に、お部屋で一人で使ってみて下さい。」
まあ、綺麗な置物? 魔道具みたい。私達の達ってあの方かしら。
「有難う、お部屋で使ってみるわね。」
「はい、では。」
ラブース嬢は微笑んで去って行きましたわ。
いい笑顔。とても暖かくなるわ。
私も行かなくては。
◇◇◇◇◇
ヒルダの教室に着きましたわ。
まだ教室におられると良いのですけれど。あら、良かった。
「ヒルダ。」
「イザベラ!」
ヒルダが気付いてこちらにやって来られました。
「イザベラ、元気か?」
ヒルダとやり取りするうちに、敬語が抜けて、ボーイッシュな言葉づかいになりました。その際、お互い呼び捨てでと言う事になったのですわ。
「ヒルダ、贈り物です。」
「ありがとう。かわいらしいな。剣に付けるチャームか?」
チャームを手に取って眺めています。
そっと微笑んでくださるのが嬉しいですわ。
「剣を使われる方には良いかと思いまして。」
「とても可愛らしいな。」
まあ嬉しい。
「女性なら可愛らしいものが良いかと思いまして。」
折角ですもの、女の子らしい可愛いものを選んでみました。
「私が持っているものは武骨なものが多いから、これからは、これをつけさせてもらおう。」
「有難うございます。」
満面の笑顔を頂きました。
「これは私からの贈り物だ。ありきたりな物だが。」
小さなブローチですわ。シンプルで、ちょっとしたアクセントになりそうな。
馬のモチーフが個性的ですわね。
「ありがとうございます。ちょっとしたお出かけの際につけさせていただきますわ。」
ええ、ちょっとしたお散歩に、派手になり過ぎずつけやすそうです。
「良かった。女らしいおしゃれに自信が無くて。使えるもので良かった。」
「十分にセンスの良いアクセサリーですわ。」
少し個性的な所も他と被らないし、シンプルなので服を選びませんしね。
「ありがとう。女友達と贈り物を送りあうのは初めてなんだ。」
頬を染めるヒルダ、相変わらずお可愛らしいです。
「初めて送りあう相手に選んでもらえて光栄ですわ。」
「それは良かった。また来年。」
「ええ、また来年に。」
◇◇◇◇◇
そのまま廊下を歩いていますと、見知った顔を見つけました。
「ヤンセン様。」
手招きすると、ヤンセン様はこちらへと近づきました。
「はい、どうされましたか。」
心当たりが無いらしく首をかしげています。
「ただの贈り物ですわ。どうぞ。」
袋から、ラッピングしたクッキーを出して渡します。
「あ、有難うございます。すみません、お返しを持っていなくて。」
「構いません事よ。今年の働きへのお礼ですわ。」
今年仕事を頼んだものに出会ったら、お礼にあげているクッキーです。
別に攻略妨害関係じゃなくても、いつも重い荷物を運んでもらった方、他からの伝令を伝えてもらった方などいろんな方に渡していますからね。
「有難うございます。来年もよろしくお願いします。」
「ええ、来年もよろしくね。」
また、ミリアナ嬢の相手をお願いしますわ。
◇◇◇◇◇
「よっ、相変わらず人気者だな。」
真っ赤な赤毛が視界の端からやって来ました。
「イエンセ様こそ。あちらで囲まれてませんでした?」
「人付き合いも商売の一つだぜ。客が少なきゃ商売にならねぇ。」
「さすが商売人ですわね。」
「もちろん、あ、これ贈り物だ。良かったらつかってくれ。」
白いストールですわ。毛織物のようですが滑らかで、下に着る服を選ばなさそうですわね。
「肌触りの良い、綺麗なストールですわね。喜んで身につけさせていただきますわ。」
「もちろん、付け心地も、暖かさも抜群だぜ。」
「それで気に入ったら、周りの人におすすめすればよいのでしょう?」
にっこり笑ってイエンセ様に言います。学生同士の贈り物にしては上物過ぎますわ。
「良く分かってるな。もちろん気に入ったらでいいぜ。気に入られねえようなもんは贈る気もないがな。」
イエンセ様もにやりと笑っています。お互い気が合いますわね。
「はいこれ、贈り物ですわ。気に入っても周りに広めなくて良いですからね。」
渡したのはしおりです。刺繍の場所だけ残して、隙間を切ってあります。
「いい出来だな。手作りか?」
しおりを表裏眺めながらいいます。品定めは性分ですわね。
「何でもそろう商会の息子にそこらで売っている物を送る気にはなりませんわ。」
「こういうのが気持ちだってことは分かってるぜ。手間がかかってるな、有難うな。」
「一応、婚約者がいるので簡単なものですが。」
「一応か、言うな。」
「何せあの調子ですからね。」
アレクサンドル様とミリアナ嬢、最近隠れることも無く堂々と一緒にいますからね。
あれを婚約者とか思いたくもなくなってきましたわ。
「ま、有責の素材が増えていいんじゃないか。」
「良く知ってますわね。」
「お前の親父が陳情室で、大声で怒鳴りあっていたってさ。扉の外まで聞こえたらしいぞ。」
「お父様……。」
頭を押さえました。
何を考えていらっしゃるのかしら。
最近の王家のあしらいがひどすぎるのは聞いていますけれど。
隠す気もなくなっているのも知っておりますけど。
「ああそうだ。上級植物帳だ。見本と贈り物用だ。」
ラッピングをしたものと雑に包んだものと二つ戴きましたわ。
「見本分もなんて、よろしかったのに。」
「気にするな、お前なら使うだろう。感想が有ったら言ってくれ。」
「分かりましたわ。そうだ、これどうぞ。」
ラッピングしたクッキーを渡します。お返し用と、途中でお世話になった人に出会った時用に多めに持って歩いています。
「お、サンキュー。これ、おいしいが、なかなか買えないんだよな。」
流石商人、有名な店のクッキーはチェックしてますわね。
イエンセ様はクッキーを食べてから、次の方の所へ向かいました。
美味しそうに食べていましたわ。贈った方も、嬉しくなりますわね。
まだまだ皆さんに贈り物を配るのでしょうね。広告目的のものも沢山。
贈り物は配り終えましたし、一回りしてうちへと帰りましょうか。
周りはまだまだにぎやかですわね。
でも、今日は図書室には行かなくても良いでしょうか。
◇◇◇◇◇
夜になりました。
寝る前に、侍女たちを下がらせた後、ラブース様からもらった魔道具を使ってみましたの。
魔道具を使うと、暗い部屋の中に、ふわりとふわりと光の玉が飛び出して空中を舞っています。
続いてふわりふわりと色とりどりの光の玉が飛び出していきます。
赤に青に緑、薄暗い部屋の中、明るい色とりどりの光の玉が自由に舞っております。
光の乱舞を時間を忘れて見とれておりました。
二人が上手く行くと良いですわ。
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