表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能な吸血鬼少女  作者: 愚かな黒ウサギ
9/48

100年経ちました!《8》

すみません!レコードってタイトルのやつ、ちょっとした手違いで順番間違いました!レコードはこの後でした!差し替えさせて頂きました。申し訳ありません。いや、この駄文小説を読んでくれてる人居るか?って感じなんですが、一応ご報告をと。



  そんなこんなで、色々あって100年経ちました。



  えっ?日が経ち過ぎって?いやいや、特にあれから変わりなくバルト先輩に愛?ある扱きも続き、ガイエル先輩とヒルダ先輩に助けられる日々、特に変わりなく過ごしておりましたよ?ヴァンパイアって血さえあれば何百年でも生きられますからねえ……


  いや~、100年……それはそれは濃いような薄いようないつも通りなような……


  あれから新人のヴァンパイア君達も増えて、教えたり教えられたり苛められたりして、いや~ほぼ苛めだったけど……


  ご主人様のゼディアス様にもたまに頼まれ事をされて、それを全力で失敗で終わらせてお仕置きでボコボコ殴られてヒルダ先輩に速攻で回復して頂く、もうそれがルーティン化していたなぁ……いや~、よく殺されなかったな~……よく今の今まで生き残って来れたなぁ……全部ヒルダ先輩とガイエル先輩のお陰だなぁ……はぁ~頭が上がんないなぁ……



  あ、一つだけこの100年で無能たる私!なんと出来る事が増えました!もはや特技と呼べるものが出来ました!えっへん(。-`へ´-。)



  歌が上手くなりました!



  え?それが何の役に立つかって?特に何にも?私の気分が上がるだけです!お掃除する時にルンルン気分で歌を歌うと楽しくて楽しくて百年間ずっと続けていたら歌が上手くなっていったんですよね!最初は音痴で不協和音を奏でて居たんですが、歌う度バルト先輩の鋭い蹴りが飛んできたきたものです!最近は歌が上手くなってきたからか、「歌を上手くなる前に他に磨くとこあるだろう!」って「この百年で上達したの歌だけってどういう了見だ!」と鋭い拳が飛んできます。いや~毎回見事に顔面に決まるんで、顔面潰れたまま活動する事に大分慣れたもんですよ!任せて下さい!



  あっ、あんなところにゴミが!お掃除!お掃除!シャッシャッ!ガッッ…バラバラッ


  あれ?今ガッ…バラバラって音が…?あっ、これは……バルト先輩がよく読んでる本だ~



  あれ?後ろに気配が……



ゴゴゴゴッ


「て~め~は~っま~たっやりやがったなっ!!」



  ハイ、死んだ~





「!…リンゼルちゃん!またなのね…」


「ふぁ~ひゆだせんぴゃい!おしゅかべさみゃでーす!(あーヒルダ先輩!お疲れ様でーす!)」


「また顔面やられてるわね……顔面ってことは、バルトね?」


「でしゅね~(ですね~)」


  他の吸血鬼諸君は流石に顔面だとまずいと思っているのか、見えない所をよく殴ってくる。バルト先輩は百発百中顔面を殴ってくる、私の顔面に一体何の恨みがっ!!?



「ハァーッ、全くあの子は……女の子の顔になんて事を……またお灸を据えた方が良さそうね!!」


「(あ、待ってください!ヒルダ先輩!今回は私が全面的に悪いので!バルト先輩の大切にしている本棚を倒してしまって、それで怒られてぶん殴られただけなんで!)」


  あっ、そうだ!ここ100年で学んだこともう一つあった!実は私、念話?的なものを覚えました!これは同じ血の繋がりでのみ可能な力、私達はご主人様のゼディアス様の血を分け与えられているので、生まれも血筋も違ってもゼディアス様の“血”が私達を繋いでくれている証、家族に近いですね、血の繋がりが濃いからこのように血を通して念話を出来る訳です!大体念話は3日4日ぐらいで習得出来るらしく、覚えがイイ人は1日で、遅くとも一週間以内には覚えられるらしく、あっちなみに私は30年掛かりました!習得した時には、ツーッと静かに涙を流したものです!ヒルダ先輩とガイエル先輩も自分のことように喜んでくれて、その日は私が念話を習得した記念でプチパーティーを開いて三人でお祝いしました!とっても楽しかったですよ!



「本棚……あの子、本なんて普段読む子じゃないのにね…」


「(え、そうなんですか?よく本を読んでるイメージがあるんですが、顔に似合わず、いや最後失礼か……よく本を片手に過ごされてる場面を見るので…)」


「ん~……あぁ、そうか、そうね、あの本はフィーリアが残して行ったものだわ…」


わーお…あたし滅茶苦茶大事なもの倒しちゃったじゃんっ!?そりゃボコボコにされて当然だわ!


「………」シュン…


「あ~…そんなに落ち込まないでリンゼルちゃん!」


「(でも……)」


「リンゼルちゃんは知らなかった訳だし、言わなかったアイツも悪いわ!それに、そろそろ乗り越えてもいい歳よ……もう、300年よ…」


「……」


  300年、か……長い……長いなぁ……



「(300年も……それだけ思われてるフィーリアちゃんは、バルト先輩にとってもガイエル先輩にとっても、ヒルダ先輩にとっても、本当に大切な大切な思い出で、大事な人だったんですよね……そりゃバルト先輩、怒りますよね…)」



  まぁあの人私に対しては毎日怒ってますけど……それに関してはほぼほぼ私の自業自得なので、何も言えませんけど。



「……あの子は、皆の希望だったわ…」


「……」


  100年……流石に100年も経つと、ポツポツと妹さんのお話を聞く機会がたまにあって、フィーリアちゃんがどんな子だったとか、どんなものが好きだとか、まあ三人にとって重要そうな芯に触れるような所は聞いていないけど、少しだけ妹さんことを知っている。



「希望だった……そう……希望だったのよ……

だけど……」



  そう話しながら、ヒルダ先輩のお顔は少し陰りを帯びた。



「(?…ヒルダ先輩?)」



「私は……あの子が、怖かった……」


「(……えっ?怖かった?)」


  どうして?


「あの子は……学ぶことにとにかく貪欲だった、怖いくらい貪欲で……倒れるまで知識を頭に入れていったわ……まるで取り憑かれたように……」


「……」


「そして、ある日を境に、フィーリアは姿を消したわ…」


「(えっ……)」


  姿を消した…?てっきり誰かに殺されたかご病気か何かで死んだものかと……いやそう言えば、別に3人とも妹さんが死んだとは一言も言ってなかったな……盲点だったわ……いやだってまるで死んだみたいな話し方だったじゃん……



「(姿を消したって、どうして?)」


「分からないわ……突然、姿を消したのよ……ガイエルに聞いても彼も分からないと言うの…」


「……フィーリアと姿を消す前に最後に会っていたと言われてるバルトに聞いても、「知らねえ」の一点張り……二人とも、フィーリアが姿を消して以来、何処か様子が可笑しかった……二人とも流石にフィーリアが姿を消した時はもちろん焦ってはいたの、だけど彼女が姿を消したと言うのにもかかわらず、直ぐに探しに行こうともしないのよ?」


「(それは……少しおかしいですね…)」


「ええ、そうでしょう?可笑しいのよ、大事な大事な妹が、幼馴染みが居なくなったと言うのに、二人とも直ぐに探しにいかない、それどころか考え込んでいた……二人は何か隠している……私には言えないこと……幼馴染みの私には……言えない……私も……二人の友達なのに、仲間だと思ってたのに……」


「(ヒルダ先輩……)」


「あぁ……私は貴女の前で何を言ってるのかしら?どうしてこんなに喋ってしまったんでしょう?どうして……」






『ヒルダお姉ちゃん!』

『あら、どうしたのフィー?』

『一緒にお勉強しましょ!』

『貴女また勉強?もう…お兄ちゃんの為とは言え無理をしちゃいけないわよ?前も知恵熱出して倒れたでしょう?』

『えへへ……でも私お勉強が好きだよ!知らないことを知るのって楽しい!新しい発見があってワクワクする!最初はお兄ちゃんの病気を治す為だったけど、今は学ぶこともとっても楽しいよ!もうこれは天性の知識好きとみた!自分にとって楽しいことを結果的にお兄ちゃんの病気を治せる事に少しでも繋がるなら勉強は最高だよ!』

『ふふ、貴女のような勉強が好きって言う子供は少ないでしょうね…』

『あっヒルダお姉ちゃんはお勉強嫌い?』

『好きでも嫌いでもないかしら?学がないと舐められるし、ある程度最低限は教養があった方が社会は生きやすいから学んでいるってぐらい……うーん…だけど、私個人はあまり好きじゃないかな?』

『アハハッ!ヒルダお姉ちゃんってば正直!バルトも勉強好きとか意味分かんねえって引いてた!』

『まぁあの子は見るからに勉強嫌いでしょうね…』

『うーん私ってちょっと変?』

『だいーぶ変!』

『アハハッ!ヒルダお姉ちゃんひどーい!』

『フフッ…』



  ~数ヶ月~



コンコンッ…


『ガイエル?いる?』

『あぁ……ヒルダか?開いてるよ、入っておいで』


ガチャ…


『お邪魔するわ……いま大丈夫だったかしら?』

『うん、大丈夫だよ。ところで何かあった?』


パタン…


『何かって……ここ数日フィーが書庫に籠ったまま出てきてないでしょう?あなた心配じゃないの?』


『うーん、いつものことだからなぁ……フィーは一度書庫に入ったら暫く出てこない…まぁ時々お手伝いさんが見に行ってくれてるし、食事も運んでくれている、大丈夫じゃない?』


『もう、またフィーが倒れたらどうするの?たまには日を浴びなきゃ体に悪いわ……もうこうなったら引っ張り出してでも外に連れ出して光を浴びさせてやるわ!』

『ハハッ、まぁお手柔らかにね……いつもフィーリアを連れ出してくれて助かってるよ』

『貴方も少しはフィーに注意してよ』

『うーん、フィーは僕の言うことは、それはまぁ聞かない子だからね~』

『兄としての威厳とかないのかしら?』

『ない!(キッパリ)』

『断言しちゃったわ……そんなに自信満々で言う事じゃないわよ?』

『アハハ……まぁ本当の事だしね……不思議とヒルダの言う事は聞くんだよね~女の子同士だからかな?』

『まっまぁそうでしょうね?フィーとは親友ですからね!』

『満更でもない顔しちゃって…(分かりやすく喜んでるな…)』

『とにかく!フィーに書庫からそろそろ出てきて貰わなくちゃ!そうだ!フィーが部屋から出たら久々に三人で食事でもどう?』

『ああ良いね、そうしよう……何となくバルト辺りが嗅ぎ付けて来そうな気がするな…』

『フフッ、あの子食い意地張ってるし、フィーが居る所は何処でも現れるからねえ…ストーカーかしら?(分かりやすい子よね…)』

『僕は絶対認めないけどね!』

『あらあら、お兄さんが怖い怖い』

『可愛い妹のお兄ちゃんですから』

『クスクスッ……それじゃお手伝いさんに念のため4人分作って貰うように頼んでおくわ』

『ああ頼むよ』


ガチャパタンッ…


コツコツコツコツ



  私はこの時、書庫に行かなければ良かったと、後悔する事になる。



コンコンッ


『フィー!居るー?私よ~ヒルダよ~開けるわよー?』


  どうせ本を読み更けているんだろうから返事はないことは分かっていたから、返事も待たず扉を開けた……


ガチャッ…


『フィー……あら?』



『違う…違う……これはこうなってるから……でもそれだと…』


  案の定自分の世界に入っていた。まぁよくある事だし、私は構わずフィーの元へ歩み寄る…



『フィー、もう書庫に籠って数日よ?いい加減お外の空気吸いましょうね~』


  フィーに気付いて貰う為に私はフィーの肩に手をポンと置くと、フィーがやっと気が付いたのか、振り向いた……



ギョロリッ

『……』


『ッ……フィー、リア…?』


  あ、れ?フィーって、こんな表情する子だっけ?目が血走ってるし……少し、痩せた?あれ、お手伝いさんが食事を持って行ってるって聞いたけど……フィーはどれだけ勉強をしている最中でも、持ってきて貰った食事を無駄にすることは無い、必ず残さず食べる子だ……だけど、部屋にはお手伝いさんが持ってきたであろう食事が部屋の床に、どうみても手付かずに置いてある…食べて、いないの?あのフィーが?


『フィッ…フィー?どっ、どうしたの?食事も食べないで……かっ、顔色も悪いわ…』


『……ヒルダ、お姉ちゃん?どうしてここにいるの?』


『えっ、いや、フィーがここ数日書庫から出てないって聞いたから……外に出て光を浴びさせた方が良いと、思って……』


『……光……そうか、光だ……ブツブツブツ…』


『フィッ、フィー?ねえ、聞いてる?フィー……』


  一体……どうしたって言うの?フィーがいくら勉強が好きだって言ったところで、ここまでのめり込んだことは一度もない……何が、フィーに一体何があったっていうの?


  私は、フィーが何処か遠くに行ってしまう気がして、どうしてだかとても怖くなって、気が付けばフィーの名前を叫んでいた…



『フィー……ねえっフィーリアっ!』



『だまれっ!!!』



ビクッ

『ッ……フィー、リ…ア…?』


『……ヒルダお姉ちゃん……わたし、いま大事な大事なお勉強中なの……邪魔しないで……出ていって……』


『……』


コツコツ……パタン……



  私は無言で書庫を出た……



  私は何も言えなくなった……こんなフィーなんて初めて見たからだ……こんなに気迫?殺気だったフィーを、私は見たことなかった……あんなに大きな声を出して怒るフィーを、私は……




『あの子は……一体だれなの?』



  私は放心状態のまま、自宅に帰宅した……あぁ、そう言えば、ガイエルと食事の約束…していたわ……でも、もうそんなことどうでもよくなるぐらい今日の出来事が私には衝撃的で、その日は何故だかずっと体が恐怖で震えていた。



  それからまた数日後……


  フィーリアが屋敷から居なくなったという知らせが私の元へ届いた。







  あぁ……そうだ……あの子と……フィーと同じ目をしているんだわ……この子……リンゼルちゃん……何も写し出さない……暗闇を飲み込んだ瞳だ。



  そうだ、そうだわ……私は、私の方が圧倒的に強いと分かっているのに、分かっているのにも関わらず、周りから無能と呼ばれ、此所で一番の弱者だというのに、そんな彼女に、私は何故だか恐怖をしていた……



  どうして……?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ