酷い人《6》
「死ぬぞ、そのまま進むと…」
重低音の低いお声が、よく耳に響くなぁ~
お顔は死ぬほど怖いけど……なるべく見たくないけど、何故だか出会った当初からガン見スタイルで通している。なんで?
「しょう、ですね……しみ、ますね…」
顔が潰れているから口が全く回らん!
ちなみに「そうですね、死にますね」と言いました!
「何故、顔が潰れている?」
本当ですね、何故なんでしょう?貴方のお抱えの高位吸血鬼様から有難いことにお顔を潰して頂きましたコンニチワ(^-^)
すると、ゼディアス様の目が妖しく光り、ズンッ身体の中に“何か”が流れ込んでくる気配を感じる……あぁ、血で私の記憶を読んでいるなぁ……
「…………ふむ、そうか……」
どうでしたか~?面白いものでも見れました?
「……貴様は、また……死のうとしているのだな……」
はい!死ぬ気満々です!任せて下さい!
「…………」
ゼディアス様は考えるように目を伏せ、深く沈黙した後、口を開いた。
「…私の許し無くして死ぬことは許さん……貴様は私の所有物だ……今すぐ地下へ戻れ……命令だ…」
ドクンッ
あぁ、血の命令だ……これは逆らえない……
はぁ、せっかく長い長い階段上ってきたのになぁ……もう全く……ご主人様は本当に残酷な方だなぁ……
生きろ、と……私にまだ生きろと仰られますか……本当に……傲慢なヴァンパイア様だ……
「アハハ…」
乾いた笑いを浮かべながら、涙がポロポロと流れてゆく……
私はこの人の前で、泣いてばかりだな……
トン……
ゼディアス様は私の肩を押した
私は下に落ちてゆく……
ポツリ
「ひどい……人……」
本当に……出会った時から……私は……貴方が
……
貴方が大っ嫌いですよ!




