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無能な吸血鬼少女  作者: 愚かな黒ウサギ
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気になること《4》



  町へ出てきて人間の血を頂く為、“狩り”をしようとして全力で失敗に終わった私の狩り初日、とぼとぼと帰る道中、私はふと気になったことがあったので先輩方に聞いてみた。




「というか今更なのですが、これは何の為の訓練なんですか?何となく社交性とか会話術とかの理由は分かるんですよ。血を人間から頂く為、人間に近付き油断した隙にカプリッ、的な感じかな?とは……でも高位吸血鬼に育てる必要は何故?とか、なんでこんなに眷属を集めているの?とか、疑問が多いというか何というか…」


  それに…あの人…ゼディアス様はあんまり群れて行動するような人には見えない。どちらかというと、一人で居たいって感じる……ほぼ勘だけど、…うーん、考えすぎかな?



「うん、大体リンゼルの考えは合っているよ。そうだね、訓練の理由は当然の疑問だよね…」


「私達もあんまり詳しくはないのだけど、二つ程分かっていることがあるわ」


「二つ……それは一体?」


「一つは何かの実験をしていること」


「実験?」


  何だか不穏な言葉が出てきたな…


「どんな実験かは私達も分かっていない」


「だけど高位に進化した吸血鬼の何名かは月に一回ゼディアスに呼ばれて何処かへ消える…そして二度と戻ってくる事はない」


「えっ……」


「何処に消えたのかは分からない、探そうと何度も思ったけど、私達は奴隷の身、出来ることなんてほぼ無いに等しかった…」


「どうして実験だと分かったんです?だって殆どが二度と戻ってくる事は無かったんですよね?何処で分かったんですか?」


「ゼディアスに聞いたんだ」


  あっ、それで答えてくれたんだ……普通中々答えてくれなさそうだけど、ゼディアス様ってわりと口軽めかな?



「ただ一言、“実験”を“しているらしい”と…」


「しているらしい?らしい、とは?」


「あぁ、僕達もその言葉には引っ掛かったが、それ以上は教えてくれそうになかった…」


「誰かに頼まれてやっている、ということでしょうか?」


「うーん、口振りからしてそうかもしれない……私達も“実験”に関してはあまり詳しくないの…ただもう一つ目はハッキリしているわ」


「もう一つ目は何なんですか?」


「戦争の道具として使うこと」


「戦争の道具…?」


「戦争の捨て駒として僕達は集められた」


「人間と魔族は仲が悪く、度々衝突や争いが起こっていることは知っているわよね?」


「あ、はい、一応……自分が住んでいた村の方は比較的平和と言いますか、魔族が近寄る事は少なかったので、まぁだいぶ田舎の方だったので…魔族どころか人すらあまりやって来る事が少ない村でした…でも、魔族と人間が昔から仲が悪くよく争いあっていることは小耳に挟んでいました…」


「うん、人間と魔族の争いは根深くて、もう300年ぐらいかな?長いこと争い合っているよ」



  なるほど~300年か~それは確かに長いな~



「長い長い争いの果て、ついには戦争にまで発展しかけているらしいんだ……まぁ300年の間に戦争は度々起きていたらしいけど、お互い決着付かずでね、でも今回は、どちらの種族も本気みたいなんだ…魔族側もよく分からない実験をしているし、人間側もどうやら何か策があるみたいで、今は小競り合いで済んでるけど、その内近い未来、大きな戦争が起こるよ…人族と魔族の全面戦争がね…」


「………」


  え……すんごい大事に巻き込まれてません!?えっ、無能いります?速攻で死にますよ?



「僕らは元は人間だからね、人間同士で潰し合わせていけば、魔族側は色々と都合が良いだろうね…」


「それは…」


  あまりにも残酷過ぎる考え方だな…これを考えた人…相当頭切れるというか恐ろしいというか、ゼディアス様が考えたのかな?


いや~恐ろしいわ~恐怖も恐怖……すみません、一回トイレ行ってきて良いですか?いや怖くて尿意が近くなったとかじゃないですからね!?ちょっと胃が痛くなってきたというか、ちょっとお手洗いに行ってきても…?



「それが僕らを吸血鬼の眷属にして増やす理由らしい」


「なるほど…」


  すみません、多分死にます、秒で死にます。実験とやらも絶対ロクなものじゃないだろうし、戦争なんてもっての他、「よし!行くぞ!うぉおおおおっっ……チーン…」って言うのが目に見えてる!!



  天国(死んでない)のお父さーんお母さーんピーリフ~!お姉ちゃんがそっちに行く日も近いかもしれなーい!待っててねー!!




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