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無能な吸血鬼少女  作者: 愚かな黒ウサギ
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案内《2》



  あれから、赤髪の気の強そうな女性と白髪の優しそうな男性が地下に何があるか、あそこは危険な所だから近寄っちゃ駄目とか、訓練部屋や、勉強部屋、寝床などを案内をしてもらっていた。



「ここが寝床だよ」


「ここが寝床…」


うん……床だね!どっからどう見ても床だね!なんかなけなしに平べったい布切れ一枚が敷かれている……


そして奥の方でたぶん私と同じく下位の吸血鬼の子達が訝しげにこちらを見ている。


怪しいものじゃないですよ~ただの無能です~


というか、よく見たら結構人が沢山いるな……何人居るんだろう?いやヴァンパイアだから何体?か?うーん、まぁどっちでもいいや、元々はみんな人間だったと思うし……


「まぁ屋敷って言ってもほぼ廃墟みたいなところなんだけどね……最低限の家具とか食器があるぐらいで、後は埃被った部屋ばっかりで……屋根とかは穴が空いていて弱い吸血鬼達は日が当たる朝方や昼間には屋敷の方へ行けなくてね、地下で過ごしてる事が多い……多分君も暫くはそういう生活になると思う」


あ、そっか、ヴァンパイアって日に弱いんだよね……本当だったんだ……


「その為、日の耐性を身に付けた高位に進化した吸血鬼の私達が昼間にご主人様の面倒見ることになっているわ」


「その代わり、夜は下位の吸血鬼の君達がご主人様のお側で働くんだよ」


「ふむふむ、なるほど……ちなみに日にあたると下位の吸血鬼はどうなりますか?」


「灰になって消えるよ(ニッコリ)」


「わぁ…」


わーお、とっても良い笑顔~……絶対に昼間は屋敷に近付かないでおこう。心のメモリに書いとこ。


「ちなみに働くってどんなことするんですか?」


「主に屋敷の掃除や食事の用意、仲間集め、後は高位のヴァンパイアになるために訓練などを行うよ」


「へえ~…訓練もあるんですね!ちなみにどういった訓練内容で?」


「そうだな~、幾つかあるけど、まずは洗脳、会話術、社交性、魔力の使い方、血の使い方、身体能力の向上に走り込み腕立て伏せ、その他諸々、その後に手合わせ、かな?」


「………」


結構しっかりとした訓練メニューだーーっ!!どうしよう……足を引っ張ることしか想像出来ない…


絶対に付いていけないだろうし、多分どれも覚えられない気がする……



「………すみません、灰になる訓練メニューでよろしくお願いします…(ニッコリ」


「そんな訓練メニューないけど!?」


ここではやっていけない、大人しく灰になることを心のメモリに書いとこ。


「えーと、きみ、名前はなんだっけ?あ、そう言えば僕達名乗ってなかったね、僕はガイエルだよ」


「私はヒルダよ、よろしくね」


「あっ、よっよろしくお願いします!わっ私はっ、リッ…リンゼルです!女の子です!」


「うんそれは見たら分かるよ」


「あっ、そっそうですよねっ…」


「…君は少し変わった子だね?」


「そうでしょうか?」


「(変な子って基本自覚ないわよね…)」


「(だね…)」


「えーと、んー、リンゼル?そう呼んでいいかな?」


「もちろんです!」


「ありがとう。それでリンゼル、君は…その、もしかしなくとも……自殺志願者か何かかな?」


「えっ…?あ、はい!そうですけど?」


「あっさり答えちゃった!えっ本当に自殺志願者なの!?」


「あ、はい」


「あ、はいって…」


「本当に…?」


「嘘なんて付きませんよ~嘘なんて付いて私に何のメリットもありませんし~アハハ~」


そう私がカラカラと笑いながら言うと…


「「………」」


ガイエル先輩とヒルダ先輩が困ったように目配せし合う…(あ、一応吸血鬼の先輩なんで二人のこと先輩呼びにしてます)


「あの~、えっと…?」


アハハ~お二人とも何をそんなに訝しげな視線を~……あれ?私なにか変なこと言ったかな?質問に素直に答えただけですけど…?



「あーと、じゃあ何故ここに?」


「さあ…?ご主人様に突然連れて来られたんで……アハハ、新手の嫌がらせですかね?私、死のうとして身を差し出したんですけどね……気が付けば此処に居ました…」


「「………」」


あ、二人ともまた黙り込んじゃった…



「…ゼディアスは、何を考えているんだろうね……まさか本当に嫌がらせで…?いやしかし……」


「…あの人の考えは、200年経った今でも分からないわね…」


200年!?あらまぁ…お二人とも長生きですこと~、見た目が10代後半の学生さん?みたいで若かったから~おばちゃんビックリ!←(10才)



「………失礼だけど、どうして死にたいのかな?あっ、答えにくいなら答えなくても良いんだけどね…」


「……」


どうして、か……うーん、説明するのは簡単だけど、あのご主人様?ゼディアス様?に話す時ボロボロに泣きながら言っていたから、なんか恥ずかしかったし……うーん、なんと言おうか……



「その内、分かるんじゃないですか?」


「えっ……」



私が死ぬほどポンコツなこと、弱いこと、何にも出来ないこと、知れば分かるでしょ……


この世にはどうしようもない欠陥品が生まれてくることもあることを……



「いずれ分かりますよ、私が言っていたこと」



私は欠陥品、家族に見捨てられた人間、無能のリンゼル……


いいえ、もう人間じゃなかった



無能吸血鬼、次はそう呼ばれるかな?

私は無能吸血鬼リンゼル、いずれみんなにそう言われ蔑まれ見下ろされ苛められる……


そうしてやっと……




次こそ……次こそは……





私は、終われるだろうか?



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