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無能な吸血鬼少女  作者: 愚かな黒ウサギ
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少女は吸血鬼《1》



ポタン……ポタン……ポチャン……



?……なんだ?水の音…?



パチ

「ん……うぅん……」



ええと、ここは……何処?


ヒューヒュー


ブルッ

「~っ……さむ!」


コツ…


キョロキョロ

「肌寒い……ここは、洞窟?地下?」


辺りを見回す……誰もいない……


えぇ、ホント何処なの此所…?



すると……



コツコツ



足音っ、誰か来た…!?



「!……おや、やっと起きたようだね、新人くん」


「あら?死んでなかったの?運が良いんだか悪いんだか…」


「血が適合したってことだろ?にしてもこんなヒョロガリのガキ、なんで捕まえてきたんだ?“ご主人様”の趣味かねえ?」



3人組の男女が現れた……


えーと、どちら様で…?



「………」←(リンゼル絶賛人見知りモード中)


ズイッ

「おい、口も聞けねえのか?」


「ひっ…」


顔の怖い茶髪のツンツン頭の男の人が凄んでくる!怖い!帰りたい!



「バルト!子供に凄むんじゃないの!」


パシッ


あ、顔の怖い人が赤髪でつり目の気の強そうな女性に叩かれた、痛そう……



「いてっ……チッ……悪かったよ…」


「大丈夫、このガラの悪いやつは置いておいて、喋れる?きみ?」


わぁ、白い髪に真っ白な肌、この男性は優しそうな顔……でも内心はどうだろう?こういう人に限って内心が腹黒パターンが多い…



「ぁ……はっ、はいっ、しゃっ喋りゃっ……喋れます……あの、皆さんはいったい…?なぜ私はここに…?」


いま一瞬噛んだ気がしたけどスルーしました。顔がちょっと熱いけど…。



「うん、そうだよね、急にこんな所に連れて来られたんだ、当然の反応だ」


「ここはゼディアス様の屋敷の地下だよ」


「ゼディ、アス、様?」


どちらさま?


「…私達のご主人様、残念ながらね」


「ご主人様?」


「あの方に、君は噛まれたんだろう?覚えはないかい?」



あ~……確かに……殺されるかと思ったけど、何故だか右肩をカプリと噛まれていましたね…



「……確かに……噛まれましたね……」


「ゼディアス様が血を与えて、君はその血に適合してヴァンパイアになった。とてもシンプルで、とても残酷な結果だよ」


「そしてその血が私達を縛る鎖であり、繋がりでもある……つまるところ、貴女はゼディアス様の眷属になったのよ」


「眷属という名の奴隷だけどな!」


「奴隷……」


「…そうだね……そう思いたくないけど、奴隷のような存在なのは確かだよ」


「来て早々の新人の子に、こんなことを言いたくはないのだけど……これが現実なの……」



「……ヴァンパイア……眷属……奴隷……」



情報量過多でちょっと倒れそう……


そうか……私は……



「わた、しは……ヴァンパイアに、なったの…?」



あぁ、そっか……何だか頭がひんやりと冷たくなっていくのを感じる……


へえ……いや、全然頭の中整理出来てないけど、とりあえず納得、した……することにした。



「そういうこった!良かったなっ!晴れてお前もヴァンパイア様の奴隷になったわけだ!これから地獄をたっぷり見るだろうよ!ガハハッ」


「……そう、ですか」


なんか、この人よく喋るなぁ……歯ギザギザだし、髪ツンツン頭で、なんだろう、勘だけど典型的な苛めっ子みたいな雰囲気醸し出してる……なんと言うか……村の村長さんところの息子夫婦とその子供達を何処と無く連想させる……



「チッ……なんだ?お前?やけに反応鈍いなぁ?もっと怖がるとか怯えるとか泣き叫ぶとかねえのか?つまんねえ」


「……バルト?」ゴゴゴッ


「っ……あぁ分かった!分かった!黙る!凄まねえ!」


「…全く……ごめんね、新人ちゃん、コイツのことはほっといて、そうね…静かになれる部屋に移動しましょう、その部屋でお姉さんとお兄さんがもう少し詳しいお話を聞かせてあげるわ」


「お兄さんとお姉さんって程若くねえだろアンタら」


「ぁあ゛っ?」


「ひっ、なっなんでもねえよ!」タタタッ



あっ、ツンツン頭の人逃げた…



「フンッ……全くあの子は無駄口ばかり…少しは礼儀ってものを…」グチグチ…


「まぁまぁ……ヒルダ、今は落ち着いて……ほら、新人の子に此処の説明をしよう」


ハッ

「そっ…そうね!ありがとう、ガイエル……落ち着くわ……一旦ね!」


「はは……えーと、コホンッ……新人くんとりあえず色々と混乱していると思うけど、ここの説明をするね」


「……あっ、はい!お願いします」ペコリ


「……ふふ、うん、本当に君は落ち着いているね?バルトが言ったように此処に来た子達はみんな怯えて泣き叫ぶか絶望で顔を真っ青にさせるのに……君は最初の方は驚いていたようだけど、直ぐに順応したね…」


「あ……ええと、そうでしょうか?ハハハ……えーと……順応してるつもりは、ないんですけど……冷静って訳でもないですし……」


こう見えてもオシッコ漏れそうなぐらいビビリ散らかしていますけど?わりと絶望してますけど?


「うん、そうだろうね…(ふーん…)」


「確かに貴女表情筋死んでるのかしら?ってくらい顔が動かない子ね……貴女、ちょっと笑ってみなさいな」


「えっ……」


んな無茶な!急な無茶ぶりしてくるじゃん!どっ、どうしよう……うっ、上手く笑えるかな…?



「えへっ……エヘヘヘッ」



私は突然の無茶振りにも精一杯答えてみた……



「「…………」」


「うへっ……へへへっ!」



「……ごめんなさい、もう止めて頂戴……そうね、人には向き不向きって言うものがあるわよね…本当にごめんなさい」


「えっ……」



は……?


泣いて良いですか?


泣くよ?号泣するよ?


今から踞って滝のように泣いて良い?


えっ?笑えって言われたから笑ったんですけど!?なにっ!?その申し訳ない事をしたみたいな顔!泣くよ?号泣だよ!もう立ち直れないよ!責任とってよ!



「ごめん……正直気持ち悪かった…」


「ガイエルッ!本当の事を言うんじゃないわよ!?」



ウワァアアアアアアンッ!!!

もうお家帰るぅっ!こんな所出ってやるぅっ!死んでやるぅっ!!ウワァアアアアアッ!!!



「……グスンッ…」


「すっすまない!そっそのっ、ちっ違うんだ!その、独特というかっなんと言うか……」


「ちっ違うのよ!ほらっ、こっ個性的で素敵ね!ってことよ!そう!そういうことなの!」


「そっ、そうそう!こっ個性的で素敵な笑顔だなって思って!」


「えっ……さっきハッキリ気持ち悪かったって言いましたよね?」


「いやっ……それはっ……ほっほらっ、じょっ冗談だよ!冗談!」


「そっそうそう!ヴァンパイアジョークよ!ジョーク!」


「……会って数分でそんなブラックジョークするなんて、ヴァンパイアって結構残酷な生き物なんですね……私もうこの世界で生きていける自信ないんで殺して下さい…」ダーッ←(涙が流れる音)



「まっ待って!ごめん!ごめんなさい!さっきの言葉は失言だった!本当にすまない!だから無表情で目をかっ開いて号泣するのやめて!わりと怖い!」


「本当にごめんなさい!わっ悪気はなかったのよ!」


「悪気のない言葉ほど残酷なことってないんですよ?知ってます?」



「「本当に申し訳ありませんでしたっ!!」」





こんにちわ、リンゼルです。


天国のお父さんお母さんピーリフ(死んでいない)、お元気ですか?私は今、会って数分でここの先輩の住人?(奴隷?)の方に号泣させられ、いま私に向かってその先輩方が土下座しています……



こんな感じで始まった私の吸血鬼(奴隷)生活……一体どうなることでしょう?


天国のお父さんお母さんピーリフ(死んでいない)、どうか見守っていて下さい……






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