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無能な吸血鬼少女  作者: 愚かな黒ウサギ
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母《10》



  天国のお父さんお母さんピーリフ!(死んでいない)お元気ですか?私は元気だよ!そうだ!今日は何をやっているかと言うとですね……


  久々にご主人様のお部屋のお掃除を任せられたリンゼルちゃんなのです!ちなみにご主人様のお部屋のお掃除を任せてきたのはバルト先輩です!完全に私が失敗してゼディアス様にあわよくばぶっ殺☆を狙っての意図だと思います!


  まっ、死んだときはその時はそのとき!元々死ぬ予定だったのだ!それはそれは潔く散ってやろうではないか!!



  お掃除~♪お掃除~♪



「ふんふん♪ルンルン♪」


  もう鼻歌とか歌っちゃうもんね~♪さあ!ご主人様!ウザいでしょう!さっさと殺っちゃってください♪



「……」



  そしてご主人様の華麗なるスルー!……流石の私とてスルーはちょっと傷つく…(涙目)



「……」パラ…


  ご主人様はどうやら新聞?とやらを見ているみたいです!昔私のお父さんも新聞とやらを買って読んでたな~、私もチラっとだけ読んだことあるんだけど、サッパリ分かりませんでした!


  まぁ文字なんてサッパリ読めない私には関係ないことです!今日も今日とてお掃除!



  おっ!この辺にホコリ!パタパタッ!



「ゴッホッゴッホッ…ゲッホッッ!!」



  うぇ~…い……全力でホコリ吸い込んだわ……



チラ

「……」


  あっ、ご主人様一瞬こっちに一瞥したな、そりゃ見るか、めっちゃ噎せてる女居たら見るわな…



「……」


  何だかすんごい残念な目でこっちを見てるな、大丈夫ですよ、貴方が何故だか私の首筋噛んで吸血鬼になった正式な貴方の眷属です。そんな残念な目で見てないで暖かい目で見守って下さって結構ですよ?あわよくばぶっ殺☆を望みます!



「……」



  あ、ご主人様が新聞畳んで、レコードをかけ始めた……



  とことん私の事を無視する事に決めてるな、これは……



「~♪~♪~♪」



  レコードから音楽が流れ始める…



  あぁ…やっぱりこの曲、好きだなぁ~……心にじんわりと入ってくる。ヒルダ先輩やガイエル先輩には不評だったけど……私はこの歌、好きだなぁ…。



  途切れ途切れで不気味って言われてるけど……まぁそれはレコードが壊れかけているからで、歌っている方自身は何の問題もない。途切れ途切れでも歌っている方自身は素人目な私でも分かるぐらい歌がとても上手で……


  なんだろう、何処か心に訴えかけるような、ザワザワするような……落ち着いたバラード曲なんだけど……落ち着くような、荒ぶる気持ちが溢れるような……そんなグチャグチャな気持ちになる…


  あぁ、これを気持ち悪く感じるのか先輩方は。そっか、私は逆にそれが心地よく感じたんだけどな……


  まぁ音楽の好みは人それぞれだよね……




「……手が、止まってるぞ?」


ビクッ

「っ!」


  びっっくりした!?ご主人様に突然話し掛けられたから滅茶苦茶びっくりしちゃった!



「もっ、申し訳ありません!直ぐに作業に戻りますっ!」パタパタッ「ゴッホッゴッホッ」


  さっきと同じ失敗してるな……次に活かせていない辺り流石は無能たる私……もういっそ褒めて良いと思う!ここまで来たら!



「………お前は、これをどう思う?」



  すると突然ご主人様が私に話し掛けてきた!


  はい?これをどう思う?、とは?


  これ、とは?もうちょい詳しく説明願いますかね?



「えーと、これ、とは?あっ!もしかしてレコードのことですか?直した方が良いと思いますよ!」



「…この歌を、だ……」



  あっ、歌の方……すみません、察しが悪いもんで……



「ぁっ、失礼しました!えーと、歌、ですか……歌……」



「この歌、お前はどのように感じる?」



  改めて言い直して返して頂きありがとうございます、察しが悪くてすみません……


  うーん、でも、どのように、か……



「…とても落ち着いていて、柔らかく包み込むような優しさと、耳心地が良い歌声です……ですが、時々…とても切なくなります……同時に、とても優しい……何かを祈っているような……これは……祈りの歌…でしょうか?」


「………」


「なんだろう……この人がどういう意図で歌っているのかは分かりませんが、この女性、母親かもしれませんね」


「…何故、そう思う?」


「ええと、上手く言えませんけど……実際に母親かどうか分かりませんが、母のような心を持った歌声だなって……実際に母親ではないけど、母性溢れる人って居るじゃないですか?男性でも女性でも……誰の影響受けてか知りませんが……いや母親か……もしくは自分の理想とした人が母親みたいな人か……理想の母親像……こんな人が母親だったら…みたいな…?」


  ちょっと自分でも何言ってるか分からなくなってきたな……話が上手く纏められない……上手く伝えられない…



「………」


「あっ、すっすみません!しゃっ喋りすぎました!申し訳ありません!」


  ハッ、長く語ってしまった!なんか訳の分からん事を長々と語ってしまった気がする!また殴られるかなっ!?



「…………」


「えっと……うーんと……」


「……下がれ」


「えっ…?」


  下がれって言ったって事は、ここの掃除を切り上げて地下に戻れって事かな?合ってるかな?私察しが悪いから分からない!



「聞こえなかったか?下がれ、と言った」


「はっ、はいっ!!」タタタッ


  先程よりも更にドスの効いた低い声で言われたので、あっ、下がれってそういうことで合ってたと思ってそそくさと走って退散した。



  走っている途中、後ろの方から聞こえた……




「……母親、か…」




  と、ゼディアス様が呟いたのを後ろ耳で聞きながら、私は走る足を止めず、全力で逃げ帰った。





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